「鮭児の時知らずタン」 第2話
![]() |
時知らずタンは群れに近づくに連れて何となく、また何かおかしな事をしてしまったような不安を覚えました。 その群れの人たちは自分よりも身体が大きいような気がしました。けど、多分それは目が悪いせいだと思いました。何かが違うと思いました。でも他に人がいないかったので心細くなって群れに近づきました。 群れに追いつくと、やっぱり彼らは自分より二回りくらい大きくて、大人っぽい人たちばかりでした。 群れの人たちは時知らずタンをみて、「あまり食べてこなかったのね」とか「ちゃんと食べておかないと最後まで持たないよ」とか声をかけて来ました。彼らは優しい声をかけてくれるけど、何か時知らずタンを見下したような顔をしていました。 段々、時知らずタンはやっぱり、自分はなにか浮いてると思ってとても寂しくなりました。 そこは群れではなく、たまたま目的地が一緒と言うだけの集まりでした。 |