「鮭児の時知らずタン」  第26.5話
イルカの子はウィルソンとはぐれてから、寂しくて寂しくて仕方がありませんでした。寂しくて泣きそうになったから、空を見上げるとお父さんの星が瞬きました。その星は何となくいつもより綺麗で、だからイルカの子は少し勇気が出てきました。
「お父さんのお星様、きれい…。お母さん、お父さんに会えたのかなぁ」
 そう思うと何だかイルカの子はとてもウキウキしてきました。
「お母さん、きっとお父さんと一緒にいるんだ。私も!」
 お父さんに会いたい!と、思いました。少し迷ってから、イルカの子は心を決めました。
「…ごめんなさい、ウィルソン。私、行くね!きっとまた会えるよね!!だから、さよなら!!」
 大声でウィルソンにお別れを言うと、イルカの子は走り出しました。 

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