「鮭児の時知らずタン」  第65話
 高山病にかかるように、河口に近づく連れて時知らずタンは汽水に非道く酔うようになりました。汽水は空気のように重く絡みつき、時知らずタンを不安定にしていきました。
 お姉さんは辛そうにしている時知らずタンを優しく撫でていました。けれど何隻か頭の上を船が通り過ぎた時、時知らずタンを置いていく決意をしました。

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