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日本語訳:「ラムサール条約第6回締約国会議の記録」(1996年)より,了解を得て再録.
英語 フランス語 スペイン語 (以上,条約事務局) PDF (環境省のインデックスページ)
第6回締約国会議
ブリズベン,オーストラリア
1996年3月19−27日
1. 『泥炭地』として知られ、ヨシ・スゲ湿原、ミズゴケ湿原、低層湿原、高層湿原、泥炭沼沢地林他様々な名称で呼ばれる泥炭が優占する湿地系は、これまで本条約の業務の中で正当に省みられていなかったが、重要なタイプの湿地であることを考慮し、
2. ラムサール条約の湿地タイプ分類システム(勧告4.7の付属書2B)の中で、泥炭地が内陸湿地のタイプの一つとして含まれていることを想起し、
3. 1994年にノルウェーのトロントハイムで行われた「国際湿原保全グループ」の第6回シンポジウムにおけるトロントハイム宣言、同年ベルギーのブリュッセルで開かれた「国際泥炭協会」主催の国際泥炭シンポジウム、そして1995年にイギリスのエディンバラで開かれた「スコットランド野生生物トラスト」主催の泥炭地シンポジウムにおけるエディンバラ宣言などに代表されるような、泥炭地の生態系と関連する天然資源の賢明な利用と保全の推進に対する顕著な国際的関心を意識し、
4. 泥炭地の資源および関連する泥炭生産物が世界のあらゆる地域の多くの国々にとって重要な環境的、経済的価値を持つことを認識し、
5. さらにIUCN(国際自然保護連合)生態系管理グループ、国際湿地保全連合(ウェットランド・インターナショナル)、および国際湿原保全グループ等のような国際的なグループの世界的な泥炭地保全に対する多大なる貢献を認識し、
6. (ノルウェーとカナダを含む)いくつかの締約国からラムサール事務局に提出された泥炭地の賢明な利用と保全のため国際的行動の必要性を支持する手紙に加え、湿地の賢明な利用と持続可能な開発の原理を統括する国家政策の文書を歓迎し、
7. さらに農業および都市開発、林業、エネルギー開発、そして園芸のための泥炭の収穫を含む広範な土地利用により、世界の多くの場所での泥炭地系の劣化と破壊の進行の懸念を意識し、
8. ラムサール条約の『1997−2002年戦略計画』(行動6.2.3)が泥炭地を「これまで正当に省みられず」、適切な場合には国際的に重要な湿地の世界的ネットワークに登録されるべき湿地のタイプとして確認したことに留意し、
締約国会議は、
9. 国内の泥炭地を維持し、または目録作成と評価を優先的に行い、また適切であれば、泥炭地の生態系を勧告5.6のセクション第Ⅱ.1項に沿ったラムサール登録地として追加登録することを締約国に求める。
10. IUCNの「熱帯地域の泥炭地の持続可能な利用と総括管理に関するガイドライン」のような、区域を基盤にした泥炭地管理指針の開発、採択、実施を促す。
11. 科学的研究の推進に加え、特に湿地保全のための国家政策の発展および実施に関連したラムサール条約の「賢明な利用に関するガイドライン」、採用された方策の評価、これらの生態系の状況の定期的なモニタリングが、各締約国によってその領域内の泥炭地のタイプを含む全ての湿地に対し、また特に亜寒帯、温帯および熱帯緯度の生物地理的区域の国際的な国境にある湿地に対して十全に適用されるよう勧告する。
12. さらに締約国による泥炭地保全のイニシアチブおよびプログラムに対して、連携し協力するための国際的機構が拡大されるよう勧告する。そして
13. 特に泥炭地の活用と劣化した泥炭地の生態系の復元に関する研究プログラムに対し、また泥炭地に関する研修と教育、そして泥炭地に関する研究成果の締約国への普及とを目的とした国際的なネットワークを締約国が支持するよう奨励する。
[英語原文:ラムサール条約事務局,1996.Ramsar Recommendation 6.1 "Conservation of peatlands", March 1996, Convention on Wetlands (Ramsar, 1971). http://ramsar.org/rec/key_rec_6.1.htm.]
[和訳:「ラムサール条約第6回締約国会議の記録」(奥田直久・小林聡史 監修,東梅貞義 編集,釧路国際ウェットランドセンター 発行,1996年;環境省HP収録,2006年)より了解を得て再録,琵琶湖ラムサール研究会,2001年8月.]
[レイアウト:条約事務局ウェブサイト所載の当該英語ページに従う.]
[フォロー:勧告7.1,
決議Ⅷ.17;
決議Ⅷ.11,
「泥炭地、湿性草地、マングローブ、サンゴ礁を国際的に重要な湿地として特定し指定するための手引き」(条約湿地拡充の戦略的枠組み、2006年版、Ⅵ章B),
条約事務局「Peatlands」ページ(英文).]
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URL: http://www.biwa.ne.jp/%7enio/ramsar/cop6/key_rec_6.1_j.htm
Last update: 2007/05/16, Biwa-ko Ramsar Kenkyu-kai (BRK).