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ラムサール条約 第6回締約国会議
勧告6.8:沿岸域の戦略計画策定

日本語訳:「ラムサール条約第6回締約国会議の記録」(1996年)より,了解を得て再録.

 英語   フランス語   スペイン語  (以上,条約事務局)    PDF  (環境省のインデックスページ)


第6回締約国会議
ブリズベン,オーストラリア
1996年3月1927日

勧告6.8:沿岸域の戦略計画策定

1. 推定約60%の世界の人口と多くの開発事業が、海岸線から内陸部へ60km以内の沿岸の狭い部分に添って集中しており、人口増加と開発の拡張は生物資源の枯渇、汚染負荷、干拓、埋め立て、その他調整されないままの開発(その全てが、生物多様性に影響を与えている)等の点において、沿岸域の湿地を大いに圧迫していることに注目し、

2. さらに沿岸域の湿地については、総括的な水資源の保全と人間活動の累積的な影響に関して、土地利用計画によりいっそうの考慮が必要であることに重ねて注目し、

3. 沿岸域の計画策定には、低潮時の水深が6メートルまでの潮間帯とそれに続く海水域のみならず、特に周辺の淡水湿地系、沿岸の潟湖、湾、海洋小島、マングローブ沼沢地、河口部を含んだ、全てのタイプの湿地と関連するシギ・チドリ類や他の水鳥のねぐらとなる場所をも包括しなければならないことに注目し、

4. 特に小島嶼開発途上国や他の国々にとって、沿岸域の経済的、生態学的、文化的、レクリエーション上での重要性を認め、

5. 生物多様性条約の第2回締約国会議で取り上げられた、海洋と沿岸域の生物多様性の保全と持続可能な利用に関する決定/10と同様に、沿岸域の総括的な管理に関する「アジェンダ21」の17章で提議された問題、また、沿岸域の生態学的に持続可能な開発を支持する、国連環境計画の「地域海域計画(Regional Seas Programme)」の業績にも注目し、

6. 集水域の管理と沿岸域の管理には重要な関連性があることを認識し、

7. 1993年タンザニアのアリューシャで開催された「島嶼国を含む東アフリカの総括的沿岸管理の政策会議」で採択された、国内の自然に関する計画策定過程の中に沿岸域を含める必要性、また沿岸の湿地に悪影響を及ぼす可能性のある活動を管理する、調整された法制の必要性についての勧告を想起し、

8. さらに湿地の全体的で総括的な管理戦略の適用を含んだ「湿地の賢明な利用のための追加手引き」を採択した決議5.6を重ねて想起し、

締約国会議は、

9. 沿岸湿地や他の主要な環境構成要素の保全と賢明な利用について、健全な政策決定を助けるため、戦略計画策定と総括的沿岸管理の原則の採用そして適用を締約国に求める。

10. 湿地と関連する環境構成要素の利用の賢明な管理を確実なものにするため、環境アセスメントのみならず沿岸域の戦略計画策定が適切な時期に確実に実施されるよう、適切な方法を探求することを全ての締約国に対し要請する。


[英語原文:ラムサール条約事務局,1996.Ramsar Recommendation 6.8 "Strategic planning in coastal zones", March 1996, Convention on Wetlands (Ramsar, 1971). http://ramsar.org/rec/key_rec_6.8.htm.]
[和訳:「ラムサール条約第6回締約国会議の記録」(奥田直久小林聡史 監修,東梅貞義 編集,釧路国際ウェットランドセンター 発行,1996年;環境省HP収録,2006年)より了解を得て再録,琵琶湖ラムサール研究会,2001年8月.]
[レイアウト:条約事務局ウェブサイト所載の当該英語ページに従う.]
[フォロー:決議Ⅷ.4.]

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URL: http://www.biwa.ne.jp/%7enio/ramsar/cop6/key_rec_6.8_j.htm
Last update: 2007/05/16, Biwa-ko Ramsar Kenkyu-kai (BRK).