最近の子供は小さい内からテレビゲームやファミコンに夢中になって、野外で遊ぶ機会が少ないと言われています。そのため本来なら小さい時に周囲の子供との接触で独りでに学ぶ転んだ時の受け身ができず、思わぬけがをすることがあります。その内容を見ましょう。
最近の子供は転び方が不器用で、転んだ時に手が出ないで直接顔や胸を地面にぶつける子が多く、そのため顔や胸の打撲傷、擦過傷が多く見られる。肩から転ぶと大人では鎖骨骨折が見られるが、子供の場合成長期で骨には軟骨部分があって柔らかく、年長児や中高生以外は骨折の心配はまずない。額を直接ぶつけると額が割れて大出血を起こす場合がある。慌てないで出血部分を手で5分位押さえれば止血するので、それから外科医を受診して縫合する。
突き指は打撲から脱臼、骨折まであって一概に心配ないとは言えないが、園児や低学年児は先に言った理由で余程の変形が無ければ、冷やすだけで様子を見て構わない。高学年児や中高生の場合は腫れと痛みが何日も続くようなら医師を受診する。
幼児の手を無理に引っ張ると肘内障といって肘の関節が外れて強い痛みを訴える。この場合は外科医を受診して整復(簡単にできる)して貰えばよい。
切り傷は手が圧倒的に多い。ナイフや包丁の正しい使い方をきちんと教えてほしい。
成長期に過度の運動をすると、成長点の炎症、骨端炎を起こす。野球やサッカーでは肘や膝の離断性骨軟骨炎が見られ、バレーやバスケットなどジャンプを繰り返す球技ではオスグット・シュラッテル病(膝)や踵骨々端炎が見られ、それぞれの関節の強い痛みを伴う。場合によっては不可逆的な変化を起こすので、成長期には過度の練習は禁物である。これらの場合は速やかに整形外科医を受診する。
致命的なけがはジャングルジムや高鉄棒など高所からの落下による頭部外傷であるが、意識があって、血が出ていなくて、頭痛、けいれん、顔面蒼白など無く、普通に歩行できれば急は要さないが、それ以外は外科医への受診が急務であり、先の場合も念のため外科医を受診した方が賢明である。