ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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ニュピ

第8話 今日はお正月 BackNext

日はニュピと呼ばれるバリ島の元旦だ。ジャワ島の方は別に祭日でも何でもない。 同じインドネシアでも島によっても元旦が違うというのもとても奇妙だ。元旦に限らずヒンズー(バリ島)とイスラム(ジャワ島)では同じ国でも祭日が違う。 このニュピは2月から4月の間にあるそうで、毎年、ニュピの日は違う。僕たちにとっては二度目の経験である。大家さん家族は一昨日、昨日とお供え物を作ったり、ペンジョールといわれる門松の様なものを道に立てたり、正装して寺院に出かけたりと忙しい。 いつも彼らは(僕もだが)普段、家の周りにいるときは短パンもしくはバティックの腰布に上半身は裸だ。それを見慣れているせいか、たまに正装する姿に接すると見違えるほどカッコよく見えるし、女性も体の線を強調するような着こなしをするので、なんとも色っぽい。

リ島の女性はお供え物だけでなく、物を運ぶ際、頭の上に乗せて運ぶ。安定感を増す為に荷物と頭の間にタオル等を挟んだりする。その習慣があるせいか知らないが、バリ島の女性はおばあさんになっても皆、背筋がピンとしている。 15kgのガスボンベやワンガロンの水ボトルなども何でもないかのように器用に頭に乗せて歩いている。先日は畳一畳ぐらいの机の上にさらに食器とかを重ね、それを頭に乗せ、自転車を走らせている女性を見てビックリした。まるで曲芸だ。 下ろすときどうするんだろう。女性と言えば、近所のおばあさん達は昔ながらの習慣で普段は上半身は何も身に付けない。トップレスだ。この習慣が若い娘達に受け継がれていないのがとても残念・・・!? 昨夜(大晦日)は何の為か知らないが、花火を打ち上げる時のような爆発音が周りからよく聞こえた。あれは一体何だったのだろうか。また、小さな楽団が演奏しながら家の前を通過していった。いつも聴くガムランの音色は違い、打楽器ばかりのアップテンポのリズムで、何となく中国の獅子舞を連想してしまった。

て、ニュピには大変面白い決まりがある。それは外出禁止、電灯を点けるのも禁止というものだ。この日は一日瞑想に当てられるらしい。もちろん警察や消防のような人たちは例外だ。 この様な決まりを外国人や観光客にも適応してしまうのが何とも愉快だ。なんだかこの決まりを守る事によってバリ島の現地の人達と急に親密になれるような錯覚に陥る。昨年のニュピのときには、初めてだったせいか、ニュピの一週間前ほどから大家さんも私たちに口すっぱく注意してきた。

「絶対に門から外へ出てはダメ」
「大きな声をださない」
「夜は電灯はダメ。蝋燭ならOK。でもできるだけ小さい灯かりで」など。

日はいつも聞こえてくるバイクの音が全くなく、聞こえる音は鳴き声ばかり。鶏、犬、ガチョウ、鳥…いつになく鳥の囀りがきれいだ。 ホテルなどはどうするのだろう。ホテルの支配人に尋ねたところ、やはり、ホテルゲストも外出は許されないそうで、ホテル内の灯かりもその日は極力小さくするそうだ。また、300人の従業員は前の晩から泊り込むそうだ。 もし、この決まりを破って外出するとどうなるのか。どこの地域にも決められた監督する人が巡回していて、見つかるとしかるべき所へ連れていかれ、たっぷりとお説教されるらしい。逮捕とまではならないという。先程も巡回する人が小槌を叩きながら家の前を通過していった。 このニュピの習慣を日本で適応したらどうなるのだろうか。山の手線も新幹線もみんな止まり、レストランもショップも全てクローズ、テレビ番組も無し(ニュピの日はTVは放映されている)、夜も真っ暗。一度トライしたら面白そうだ。毎日の忙しさの中で忘れていた大切な何かを、見つける人がきっと増えるような気がする。

もうすぐ日が沈む、そろそろ蝋燭の準備をしなければ。


(1999.3.18)

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