ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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第100話 香港 再び BackNext

が勉強のためバリ島を離れる事が決まると、今度は僕ら夫婦のこれからの生き方に関して話し合うことが自然と多くなった。

このまま今までの仕事をバリ島で続けて行くのか。
22年ぶりに日本の生活に戻るか。
他の国で再チャレンジするのか。

僕たちが、これからやりたいことを考えると、バリ島という地は適していないかもしれない。
幸いにバリ人の仕事仲間が僕の仕事を引き継いでくれることになり、それがまた13年間お世話になったバリ島を離れることを後押しした。

引っ越し先(国)として僕らが考えたのは、日本、香港、台湾、シンガポール、だった。これらの国であれば、仕事でも何度か足を運んだことがあったので、生活状況、仕事状況がある程度見える。

その国の住居環境や、仕事の可能性、などを再調査するにあたって、その国に住む友人に訊き、また実際にその国を訪ね、そしてネットで調べたりし、毎日夫婦で未来を想像し夢を膨らませていった。
結局、香港にまた再移住することになるのだが、その最大の理由は、僕たち夫婦が実現したいと思う仕事環境が、一番充実しえいると思えたからだ。

さぁそうと決まったらすぐ動こう。
2011年3月、僕は一人で急ぎバリ島から香港に出張した。

目的は3つ。
  1)会社設立。
  2)住居調査。
  3)就労ビザ申請。

以前にお世話になった会計事務所に出向き、僕ら夫婦二人を株主とした会社を作った。これは非常に簡単なんだ。驚く程。費やした金額は15万円程度かな。

そして、次は住居探し。
当初、香港再移住の考えにブレーキをかけていたのが、この家賃の高さだった。覚悟はしていたが、それでも辺鄙なところでもいいので、できるだけ安いところを探そうと試みた。

そんな僕の気持を汲んだ香港人の友人が案内してくれたところは、ラマ島という、香港島からボートで30分の漁村だった。
この島には車はゼロ。交通手段は徒歩のみ。高層ビルなどはもちろんなく、3階建ての低層住宅が斜面にならぶ。

空気もきれいだし静かだ。とてもあの「おもちゃ箱をひっくり返した」と形容される香港とは思えない、なんだかリゾートだな。
そこは週末となると、香港島から多くの人が、海岸線に軒を並べるシーフードレストランを目指して訪れる場所だ。

友人が予め調べておいてくれたフラットは、海岸線から数十メートルの高台に位置する三階建て(ワンフロアーに一世帯)の二階部分。
広さは充分。テラスに出ると、南洋が見渡せ、タンカーが悠然と横切っているのが見える。そして階下の庭にはパパイヤの木があり、後ろの山はヤシの木の群生。
なんだバリ島といっしょじゃん。

大家さんが一階に住み、三階は若い香港の女流フォトグラファーが住んでいるとの事。アーティスト系の人やスローライフを求める外国人なんかも、結構この島に住んでいるそうだ。
大家さんは屋上も見ろという。そこにはバーベキューセットや、バリ島によくある木製の折り畳み椅子やテーブルが揃っている。充分に20人くらいで星を見ながらパーティーができそうな広さだ。
ここも自由に使っていいという。なんか贅沢だなぁ

さて、問題は家賃だ。いったいいくらだ?高いんじゃないのかな?なんだか訊くのが恐い。

すると大家さんから出た家賃は、たったのHK$4,000!(その時の邦貨で45,000円)

えっ?マジ!

これと同等の広さのフラットを香港島や九龍サイドで探そうとすれば、最低でも150,000円はするだろう。
んー魅力的だな。

ただ、いくら家賃が安くて自然環境がいいといっても、マイナス部分もある。
買い物は不便だし、病院に行くのにフェリーで行かなければならない。そのフェリーも一時間に一本だけ。そして最終便が夜10時。海が荒れれば運休。
深夜に急病になったときの対処を大家さんに尋ねてみた。

「大丈夫だよ。電話すれば香港島からヘリが飛んできて運んでくれるよ。ヘリポートはこのそばにあるから。」

ヘリ? おいおい、いったいいくらかかるんだよ、ヘリなんか呼んじゃったら。
また緊急時の対処以上に危惧した事は、インターネット環境だった。電話線はあるのでアナログ回線でつながるようだが、僕らが仕事する上では、この環境はきつい。
いずれにしても住むかどうかはカミさんに相談してからだ。まだ移住は数ヶ月先だからな。

そして今回の出張目的の、最後の就労ビザ取得だが、これは僕は甘くみていた。
10数年前に働いていた時には、uncoditional visa(通称アンコン) という、半永久ビザを取得していたので、準香港人として自由に仕事もできたんだ。
このアンコンは香港で連続して7年間、所得税を納めた外国籍の人が得られる、とても有り難く、また名誉に感じるビザなんだ。
ただ、アンコン は365日香港を離れると失効してしまう。既に僕のビザは切れていた。あらたに一からvisa申請しなければならない。僕の場合はinvestment visa (投資ビザ)の申請になるのだが、これがちょっとやっかいだった。

香港やシンガポールといった国は、既に人口が飽和状態だ。申請者が、国の経済に非常に高く貢献するであろう、と移民局から判断されないと、投資ビザの取得は難しくなってきている。

「経済に貢献」を平たく言えば、「いくら金をもってくるんだお前は、」という意味だ。
会社としての利益目標などより重要なのが、具体的にどの程度の家賃のオフィスを借りて、何人の香港人をいくらの給料で雇う予定か、すなわちこの一年の予測可能な香港に落とす金額はどんなもんなんだ、ということだ。

僕は計画を立案し、香港人弁護士に依頼した。彼がそれを立派は英語に書き換えて、移民局に提出するんだ。この弁護士への依頼費用は約14万円。
提出資料は事業計画だけでなく、パスポートコピーはもちろんのこと、履歴(personal history)、保有資産(銀行残高証明書など他)、戸籍謄本、大学卒業証明証、バリ島の住所証明、推薦状などなど。
これらの資料はすぐには用意できないので、バリ島に戻ってから郵送することを約束して、バリ島に戻った。
結局無事に取得できることになるのだが、なんだかんだで、投資ヴィザ取得までに2ヶ月も費やしてしまった。
(会社は一日で作れたのに)

この香港出張からバリ島に戻ったのが2011年の4月。娘が留学のためバリ島を離れるのがその2ヶ月後の6月、僕ら夫婦が香港再移住するのが、さらにその一ヶ月後の7月。
僕ら家族が13年間お世話になったバリ島を離れるのもあっと言う間だ。もう今までのように、のんびりしてはいられない。
急ごう。


(おしまい)

(2011.9.25)

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