ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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第99話 中古車だけは高いね BackNext

リ島に移住した当初、物の安さに驚いたものだ。物価、公共料金、家賃、食費、現地医療、私立校の学費・・・などなど、ただし”中古車”を除いて。

新車の価格は、おそらく世界どこで購入しても、先進国だろうが発展途上国だろうが、スターバックスのコーヒーのようにそれほどの国による価格差はないと思われる。(シンガポールのように車を所有することに対して多額な税を課される国は別にして)

インドネシアの新車価格は、内装や装備を考慮したら日本よりもやや高めかもしれないが、販売価格はほぼ同等といえる。
しかし中古車の価格といったら・・・・
こんなのただでもいらない、といった乗用車でも、「マジ?」と数秒間、固まってしまうほどの高価格だ。特に日本で販売されている程度のいい中古車を知っている日本人にとってはなおさらだ。

そして誰もが思うんだ。

「じゃぁ日本から中古車を輸入して、インドネシアでばんばん売ったら、すげえ儲かんじゃん!」

僕もそう思う。

だけど、そうは問屋が卸さねぇ。

それを許したら、インドネシアの自国の自動車産業が育たなってしまうので、規制されているんだ。こういった法律は自動車だけでなく、クーラーのような中古電化製品にも適用される。

今のロシアはそれで慌てているではないか。特に日本に距離的に近い東ロシアでは、ほとんどが日本の中古車であふれ、誰も自国の新車を購入しようとしない。そりゃあたりまえだ。性能がよくて安いのならば、誰だってそっちを選ぶ。
ロシアの議会でも中古車輸入を規制する動きがあるようだが、まだそれには至っていないようだ。

*****

近(2011年4月)、僕は車を売った。
  • 車種:Timor(韓国の起亜自動車との合弁会社によるインドネシア製)
  • 製造:1999年(走行距離23万km)
  • 1500cc DOHC
  • 5速マニュアル
  • 状態:シートの破れ有り、CDステレオ故障、パワーウィンドウ故障、擦り傷多数、2カ所に板金の腐食

このTimorは、インドネシアの国策として、スハルト前大統領の三男が、起亜自動車と合弁会社を設立し、インドネシアの国民車として製造したものだ。スタイルとしては、アコードとカローラを足して二で割ったような形だ。
数年前まではタクシーにも多く使用されていたが、スハルト三男の影響力が無くなった今は、起亜自動車のシェアは親会社である現代自動車含め非常に低い。

僕が売った価格は邦貨換算で30万円。
購入者は、バリ島で自動車修理工場を営むインドネシア人Dさんだ。試乗し、エンジンと足回りの良さを褒めてくれた。
前のオーナーも僕も、エンジンオイルは頻繁に交換していたし、2ヶ月に一回はtune up していたのがよかったのかもしれない。

Dさんは、板金の腐食や、シートの破れなど、修復可能なマイナス要因は全く気にしない。大切なのは、エンジンの状態だ。
そして走行距離は、ほとんどというか全く気に留めない。大切なのは年式だとのこと。

30万円よりももっと高く売れたはずだ、と言う者もいるが、僕からすればこの価格で買ってくれるだけでもとても有り難い。
これが同じような条件の日本ブランド車であれば、40万円以上で売れるそうだ。

***

してDさんは、我が家の駐車場の奥に眠っている2年間もエンジン停止状態のオフロード車に目を留め、これも売る気があるのかと尋ねてくる。
  • 車種:DAIHATSU Taft
  • 製造:1983年(走行距離55万km)
  • 2500cc ヂーゼル
  • 4速マニュアル
  • 状態:ちょっと言い表せないほどのかわいそうな状態。

この車は、移住当初から僕たち家族と一緒に歩んで来た仲間のような存在だ。想い出が沢山詰まっている。(この購入の経緯は「ずっこけ物語 第67話」をご参照お願いします。)
2年も動かしていない状態だったが、いずれオーバーホール(分解、洗浄、再組み立て)し、必要部品を交換し、ボディも張り替えて、立派にしてからお嫁に出そうと思っていたんだ。
それにこの状態であれば、誰も購入者はいないと思っていたのだが、本来のこの車の良さを熟知している整備工場経営者のDさんは、これも譲って欲しいという。

有り難いではないか。気に入った人に可愛がってもらうのが一番だ。この車がDさんの手によって生まれ変わるのを想像してしまう。
ところでいくらで? もう車税納付も2年も怠っている。
交渉結果、10万円で引き取ってもらう事に。


この買い取ってもらった二台とも、ごくごく一般的な車にもかかわらず、このような値が付くんだ。マニアックな車であればもっと高値で取引される。
先日知人がワーゲンのビートル(1973年製)を売ったのだが、それは35万円だった。その他、ワーゲンのサファリ、コンボなど、半アンティックと言えるような車は、状態によっては50万円くらいで取引されている。

****

新車を一台でも多く売りたい車のメーカー経営陣とっては、中古車市場が活況なことはあまり歓迎できない事なのかもしれない。
しかし、もし僕がこれらの古い車の開発や販売に携わった人間だったら、そんな車を見て、懐かしさと嬉しさのあまり、車の持ち主に握手を求めてしまうかもしれない。

(おしまい)

(2011.6.28)

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