バリ島改め、「香港」ずっこけ物語
  香港からバリ島へ、そして13年の歳月をを経て再び香港へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
2度目の香港生活泣き笑い。さてさて、これから行き着く先は・・・!?
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香港夜景

第107話 やばい、無賃乗車じゃん! BackNext

”香港”での移動手段は多様で、これらを上手に使い分けることによって、非常に効率的に動くことができる。
香港最大の鉄道路線システムのMTR(Mass Transit Railway)を始めとして、二階建てバス(定員200人ほど)、ミニバス(定員16人)、トラム、フェリー、タクシー、など。

香港島を東西に走るトラム
香港島を東西に走るトラム


公共移動手段が非常に限られていたバリ島から来た僕らは、ここ香港で、車やバイクがなくても、目的地へ安全にしかも早く行けることが、分かっていたとはいえ、とても新鮮に感じられた。

僕らが住んでいる元朗(ユンロン)には、軽鉄(Light Rail)と呼ばれる、香港の北西部だけに存在する、その地域の住民には欠かせない交通手段がある。
車両も一両もしくは二両編成で、まさしくローカル鉄道といった感じの乗り物だ。

軽鉄(Light Rail)
軽鉄(Light Rail)


僕はこの地域に越してきて初めてこの軽鉄に乗って二つの点で驚いた。

一つはその快適さと加速の良さ。
最初は香港島を東西に走る二階建ての路面電車(トラム)のようなもので、乗り心地もそれほどよくなく、自転車に毛が生えたような速度だと思っていたのだが、これが全く想像違い。乗り心地はいいし、スタートからの加速もすばらしい。僕がバリ島で運転していた車よりもはるかに加速がいい。

二つ目は、これが今回の主題で、今もって信じられないことだが、運賃の支払を乗客の信頼に任せていることなんだ。

インドネシアから来た僕からすると、考えられないシステムだった。何故かと言えば、誰もがキセル、というか無賃乗車が、苦も無くできちゃうからだ。




香港島を走るトラムの場合は、降車時に運転士の横で支払うので不正はできない。二階建てバスの場合も、乗車時に運転手の前での支払いとなるので、ここでも不正はできない。

しかし、この軽鉄は、各駅は無人、かつワンマン電車(運転士だけ)。
支払システムはどういうことかと言うと、ゲートが無い無人駅に入場する際に、オクトパスカードという香港で生活するには必需のプリペイドカードで、読み取る機械に自己申請する。
そして下車の際、同様に自己申請すると、自動的に機械が乗車区間を読み取り、運賃を徴収する。だが、繰り返すが駅にゲートが無いんだ。

このオクトパスカードを持っていない人は、各駅に設置されている切符販売機で普通に購入できるのだが、買ったとしても誰もハサミを入れる人もいないし、下車する際にもその切符を回収する人もいない。

だから目的地までの料金が、例えばHK$10のところ、最小のHK$4切符で乗車したとしても、降車時に切符は回収されないから誰も咎めない。


ありえないでしょ。どうしてそこまで市民を信用できるの??


経費(主に人件費)を抑えるために従業員数を制限しているのは分かるのだが、このシステムは、さすがに”ざる”のように僕は思ったのだが・・・
こういった方法を鉄道会社が選択したということは、キセルの損失分よりも、各駅に駅員を配置した場合の経費の方が上回るという判断だったんだろうな。


バリ島には鉄道は敷かれていないが、こんなルールで鉄道を営業したらどうなっちゃうのか、と想像してしまう。

バリ島では普通のスーパーマーケットに入るにも、バッグを預けなければならない。その為の場所も人も配置されている。(ちなみにヘルメットを預ける場所も別の場所にある)
店内で携帯を許されるのはセカンドバッグ程度の大きさのものだけだ。

またバリ島の百貨店でレジで清算した際には、買い物ポリ袋にレシートとともにホチキスで袋を閉じられてしまう。何のためにそんな面倒くさいことを? もちろん盗品を入れさせない為だ。 

こういったことから分かるように、インドネシアでは基本的に客を信用していない。見方を変えれば、客が変な考えを起こさないような環境を、客の為に作ってあげているとも言えるのだが。

14年間バリ島での習慣に染まっていたため、この軽鉄の乗客の良心に任せる姿勢を知ったときは、驚きを通り越してちょっと感動してしまった。


ある日、いつものように軽鉄に乗り込もうとオクトパスカードを読み取り機械にかざしたところ、


ぷぴー!


と、カードの残高が既にマイナスになっている音を発した。これじゃぁ乗れない。じゃぁ切符を買うか、と小銭を探しても見当たらない。その駅の付近には商店もなくお金をくずす場所も無い。

どうするか悩んでいたところに軽鉄が到着。急いでいた僕は ”まっいいか、切符無しでまずは乗っちゃおう。”

そして目的地に到着したのだが、駅構内でお金をくずすことができず、そのまま僕はすたすたと無人駅を離れてしまった。


やばい、無賃乗車じゃん!


こんな年齢になって無賃乗車なんかしちゃだめだろう。運賃HK$4(約40円)とはいえ、中学生じゃあるめえし。
ということで、駅を一旦離れた僕は、小銭を用意して、再び駅に戻り自動販売機で切符を購入。
この一件以来、オクトパスカードには常にある一定以上の金額をキープするように心がけるようになった。


香港人のマナーという面に於いては、整列乗車ひとつ見ても20年前に比べたら格段に向上している。それだけ社会が成熟し、市民がより安全に、かつ快適に過ごせるように政府も努力してきたんだろうな。

ただ、あの猥雑で、危険と隣り合わせの、”何でもあり” の香港を知っている人からすると、今の行儀の良い香港人は『画一的』で『面白み』に欠けると言う。

人間はいつも ”無いものねだり” するんだよな。


(おしまい)


(2012.1.28)

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