バリ島改め、「香港」ずっこけ物語
  香港からバリ島へ、そして13年の歳月をを経て再び香港へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
2度目の香港生活泣き笑い。さてさて、これから行き着く先は・・・!?
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第108話 まな板の鯉 BackNext

”海外”に移住し、しばらく経つと、当然だが観光ではおよそ経験できないことに次々と直面する。

その一つが「髪を切ってもらう」という経験だ。

このヘアカットは、カットし終えるまで、結果が見えないというのが、なかなかのスリルなんだ。特に初めてのサロンで、しかも海外。

食事であれば、言葉の壁のせいで、わけが分からずオーダーしたものが、結果的に失敗になったとしても、それは食べなければいいだけの話で、逆に(不味いと分かったことが)勉強になる。

しかし、ヘアカットはそうはいかない。
食事のように途中で止めるわけにはいかないから、椅子に座ったら最後、覚悟を決めなければならない。まさに”まな板の鯉”。
一応、理容師から”どんな髪型にしたいの?”と尋ねられるが、細かな要望説明などが上手くできないので、いつも僕は、”短くして”と短い言葉で言うだけだ。

バリ島移住当初、カミさんが通う、中華系インドネシア人が経営するサロンで僕もカットしてもらっていた。そこはデンパサールのお金持ちマダムが集まるサロンで、現地では相対的に料金は高かったが、移住当初は非常に安く感じた。

しかし、バリ島生活に慣れるにしたがい、どんどん僕らの生活レベルも現地の人に近づいていく。すると、僕はサロンでカットすることが何だかもったいなく感じ、一般のバリ人が行く、床屋に挑戦した。

その床屋の入り口は、間口4メートル 高さ3メートルほどで、オープンになっている。だからクーラーは無し。店から奥に沿って理容用の椅子が5台ほど並ぶ。

入店し、待ち合いの長椅子に座ると、各理容椅子の前の鏡の上には、男性の髪型サンプルと思われる写真(40x50cmほど)が見える。
ビジュアル系のようなメイクを施したお兄ちゃんが、最新(?)と思われる髪型でこっちを見ている。
なんだかホストクラブのようだな。

とよく見ると、その写真と、その前でカットしている理容師は同一人物ではないか!その写真は、髪型のサンプルなのではなく、理容師の紹介写真だったわけだ。

笑っちゃうよ。ナイトクラブでお姉ちゃんを指名するわけでもないのに、何で床屋の理容師のビジュアル系メイク写真が必要なんだろう。この写真を見て、理容師を指名する人などいるのだろうか。

さて、僕もそこでカットしてもらったんだが、最初から多くを期待していない。

 ・ ハサミの手入れが行き届いていないせいか、髪が引っ張られて痛い。
 ・  ヒゲを剃るサービスもあるのだが、感染を心配し、それは断る。
 ・ シャンプーのサービスもある。今にも壊れそうなシャンプー台に移動し水で洗髪。お湯は無し。
 ・ かつては真っ白だったと思われる、茶色く変色したタオルで頭を拭いてもらうのに最初は勇気がいる。

と、いろいろマイナス部分はあるものの、僕はここで世話になってから、ずっと香港に再移住するまで、ガトスブロト通りにあるこの床屋を利用していた。
だって、カット料金がたったの100円なんだから。


”そして”香港。

どこでカットしてもらおうかな。
そんなことを思っていたら、元朗駅のショッピングセンター内に日本発の「QBハウス」を発見。僕は日本のQBは経験したことなかったが、存在は知っていた。

料金もHKD50(約530円)と香港内では相対的に値頃だ。
そして、全てが清潔なのがいい。

僕が入店した平日午後3時には、客は老人夫婦が二組。日本だと、QBハウスを利用するのは、忙しいサラリーマンや学生といった、それも男性客のイメージなのだが、どうなんだろうか。
おばあさんがおじいさんと一緒に来店していたのには、ちょっと違和感があったのだが、その仲の良い老夫婦を見て、とてもほのぼのとした気持になってしまった。

カットそのものは、言葉の壁もあるので、上手く伝わらない部分もあるが、この値段とこの清潔さでは、まったく問題ないと感じた。


人間、環境がかわれば、格好も変わってくる。
バリ島に住んでいた頃は、「Tシャツ、短パン、サンダル、無精髭」 というのが普通で、特におしゃれなど、全くといっていいほど、気にかけなくなっていた。

ところが、香港に再移住したら、会う友人や取引先も、それなりの「良い格好」をしている。レインクロフォードという高級百貨店に行くと、男性店員なんか、お洒落なイケメンばっかりだ。以前の香港とは違う。

「こりゃまずいぞ。」

それ以来、自分の格好が気になり出し、バーゲン品を中心に徐々に買い揃えて行った。
(まぁカミさんの言いなりで買っているんだが)

そしてある日カミさんが
「あなたのその髪型なんとかしたほうがいいね。」

ということで向かった先が、カミさんがいつもお世話になってるヘアサロン「Open The Door」だ。

九龍のホンハム地区にあるこのサロンの経営者は日本人ご夫婦で、旦那さんがカットをしてくれる。とても感じのよいご夫妻なんだ。僕のカミさんはここの技術に絶大な信頼を置いている。

 奥さん : 今日はどんな髪型に・・?

 僕 : ジャニーズ

 奥さん : アハハハハ・・・でも

 僕 : ジャニーズ

 奥さん : そうですね、アハハハハ・・・・

そしてご主人が僕の髪質をチェックしながら、カットを始めた。いゃもう全く今まで経験したカットとは違う。
洗練された技術だけでなく、職人としての気質のようなものまでが伝わってくるんだ。

自分の期待以上の結果になり、とても満足して今日を終えた。

***

僕の「外見」は服や髪型によって徐々に変化してきているのだが、中身などうなのかな。
こっちも外見以上に磨かなければね。


(おしまい)


(2012.4.1)

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