ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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第11話 秘境発見!? BackNext

外に住んでいて他の国からお客様が訪ねてきてくれる事はとても嬉しい事である。バリ島で会う事は、日本で再会するのとはまた違った趣があって面白い。 娘も日本人の友達がバリ島に遊びに来てくれるとなると毎日指折り数えて到着日を心待ちにしている。香港在住の頃は仕事がらみのお客様が多かったが、バリ島は家族連れでバカンスを楽しみに来る人が圧倒的に多い。そんな時はこっちも、張り切り、さも何でも知っているかのように振舞ってしまうから困りものだ。

「エステに行くなら知り合いの日本人がいるところへ連れていってあげる。(知り合いといっても一度話しただけ)」
「ケチャックダンスを見るならあそこがいいよ(ガイドブックからの情報)」
「シーフードなら一番美味しいところを知ってるよ(実はそこしか知らない)」

ストランなどでは、よく知らないインドネシア語を使おうとして四苦八苦し、恥じをさらしてしまう。さらに追い討ちをかけるようにウェイターが日本語でオーダーの確認をしたりするからたまらない。
最近のお客様は訪れる前にほとんど情報を仕入れてくるので、こちらが教えてもらう事が多い。訪問者が現地に住む人間を案内するというおかしな事が起こる。 僕にバリ島移住を提案したO氏が、ある日バリ島へ遊びに来た。もう何回もバリ島へ来ているので、特に行きたいところはなさそうだ。

「あした、どっか北の方へ探検に行こう」 O氏が提案する。

探検”、いい響きである。子どもの頃、親から子供たちだけでは行ってはいけないと言われていた所へ、友達どうしで親に黙って遊びに行った“探検ごっこ”を彷彿させる。早速タイヤの空気圧を点検し、あしたに備える。 「あした」の目的地は特になし、目的はその地に到達する事ではなく、その行程を楽しむ事である。朝7時に二人で出発し、取り敢えず島の北側にあるビーチへジープで向かった。地図上で見ると北側の海まで直線距離で70km程。山を越えて行くのでどれくらい時間を要するか見当がつかない。 バリ島はあまりにもビーチリゾートとして有名な為に、意外と標高3千メートル級のアグン山や2千メートル級のバトゥカウ山、バトゥール山などがある事など知られていない。道に迷いつつも山の中腹に差し掛かると、野菜畑が広がる。トマト、キャベツ、にんじん、トウモロコシ、芋…。ここまで来ると椰子の木も見えない。



と後ろを振り返ると初めてバリ島で見る美しいパノラマがそこにある。日差しは強いが風が心地よい。山を抜けると湖のほとりの村に出て、そこで道を尋ねる。 ここまで来ると観光地化されたクタやサヌールとは村の雰囲気も大分違ってしっとりしている。人も少ない。遠くまで来たという感じがする。
そして、急坂を下るわけだが、これは日本の「いろは坂」以上の急カーブ、急勾配の連続で、運転している本人が酔うほどだ。やっとのことで海岸線へ出て、ゆっくりと海岸沿いをドライブする。 民家では女性たちが編み籠を作ったりしているのが走っていて見える。このあたりは今のように南が栄える前は海の玄関口として貿易港として活躍したところだ。きっと宣教師達もここから布教活動を始めたのだろうか。同じバリ島にいるのだが、何故か異国の地へ来たような錯覚に陥る。何故だろう。 わかった、町の人の顔つきが南とは違うからだ、いや顔そのものが違う民族のようだ。中近東系に近い顔つきの人も居る。ここは貿易港として栄えたときに中近東から移住してきた人も多く、きっとその人たちの血も混ざっているのだろう。と、いい加減な事をO氏と喋りながら昼の休憩する場所を探していた。

に面したホテルのカフェで昼食を摂り、のんびりしていると若いウェイトレスがここから10kmのところに温泉があるから行ってみたらどうかと提案してきた。温泉にも入る事ができるそうである。いいなぁここで温泉に浸かれるなんて。疲れを取ろう! 早速二人は温泉に向かうため、車で舗装もされていない山道を登っていった。道幅は狭く、対向車が来たら通行できない。おまけに片側は崖である。本当にこの道で合っているのか?“探検”だから危険はつきものである。気分は秘境を目指すインディージョーンズ。 こんなところへ来るのは僕達が初めての日本人だろう。ワクワクしながら運転していると“Hot Spring”の看板が見えた。やったぁ着いたぞ!車を降りるや否やいろんな人が声をかけてくる。

「イラッシャイマセー」
「シャッチョー、コレヤスイヨ。2センルピアネ。」
「オッゲンキデッスカー」

??あれ?秘境はどこ?まったく興ざめである。そこもすっかり観光地化されており、土産物屋が立ち並ぶ通りを抜けるとプールのような温泉が在る。ぬるま湯で水着着用が義務づけられており、日本の温泉をイメージしてきた僕たちにとってはがっかりだった。 温泉には入らずに早々そこをあとにした。 この温泉は有名で、ガイドブックにも載っているそうで、知人に聞いてみると結構行った事のある人も多いそうだ。とんだ秘境発見だった。 今度は自分の足で山を登ってみよう。きっとまだ知らないバリの顔に出会えるに違いない。
(1999.4.5)

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