ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
バリ島
バリ島ずっこけ物語 コンテンツ
HOME
バリ島ずっこけ物語
ずっこけ男バイクでGO!
バリ島両替所案内
インドネシア語
リンク
メールマガジン
格安国際電話
メール


インドネシアまで20円/分、ジャカルタなら11円/分の格安国際電話

インドネシア料理 エルイーアジア

リンク用バナー ご自由にお使い下さい。




第22話 物の価値 BackNext

外に住んで、その国の生活に慣れたかどうかは、その国の通貨で物やサービスの価値を判断できるかで分る。 10年前に初めて日本を離れて香港で生活し始めた頃は、いつも日本円に換算して価値を判断していた。香港ドルで判断でき始めたのは一年ぐらい経ってからだったと思う。 バリ島へ移住した当初も、通貨ルピアを香港ドルに換算して、高い、安いを判断していたわけだが、これは大きな間違いだった。 もし、観光ではなく、そこの通貨で生活するならば、為替レートで高い安いを判断するのではなく、一般所得水準を考慮して判断すべきだ。 愚かな僕はそれに気づくのが遅く、移住当初は香港ドル上で計算していたため、今から考えると必要以上の出費をしてしまっていた。 なにせ、移住当初はルピアが大暴落中、どれを見ても非常に安く感じてしまったため、空港のポーターにも、今では考えられないほどの高額のチップを渡していた(今はどんなに重くても自分で運ぶ)。 また、スーパーに買い物に行っても値段を確認して買うことなど最初の頃はしなかった。

リ島の駐車場は一般道の路肩が駐車スペースになっていることが多い。 そこに停めて出発しようとすると、どこからともなくおじさんが出てきて、笛で車を誘導してくれる。一般的に何時間駐車しようが、一律RP300(約6円)だ。 細かいコインが無いときなどRP500札で払い、「釣はいらねえぜ!」とカッコつけておじさんににっこり微笑む。そういうときのおじさんの笛の音は、喜んでくれているせいか「ピーピー」ひときわ大きくなる。 しかし今ではしっかり釣はもらうし、できるだけおじさんから遠く離れた(徴収に来れない)路肩を選んで駐車するようになった。我ながら情けない。

地で生活して価値判断をしていくのなら、為替レートに頼るよりも、自分自身で生活レートを設定した方が良いと思い付き、自分なりの計算方法を作ってみた。 題して「ミゴレン(やきそば)換算法」。僕のお気に入りの店のおいしいミゴレンの価格はちょっと高いがRP5000(約100円)。この美味しさとボリューム(二人分はある)なら、日本では700円は確実にかかるだろう。 これを基本にして1円=RP50(この頃ルピアがまた強くなってきた)で円に換算されたものに7倍をかけたものが実質の僕の生活レートとなる。たとえばRP30,000の物は為替上は600円だが実際は7を掛けて4200円と思うようにしている。 このように考えるようになってバリ島での価値基準をそれほど見誤らなくなり、安易な浪費を防げるようになった。我ながら良い方法だと思う、と一人悦に入る。「金本位制」ではなく「やきそば本位制」だ。

「ミゴレン換算法」で物価を考察してみる。

ガソリン(軽油):RP550/リットル=11円。僕の価値観に換算すると77円。
タクシー(初乗):RP2000=40円。同様に280円。
水1ガロン(飲料用):RP6500=130円。同様に910円。
我家の愛用の米(10kgイ産):RP30,000=600円。同様に4200円。

以上の物は全てインドネシア産だ。しかし輸入商品(電化製品やコンピューター関連商品)などは為替レートで換算した場合、日本での小売り価格とそれほど価格の差は無い。 ということはバリ島の水準から見ると驚くほど高くなってしまう。20万円のコンピューターはバリ島では感覚的に140万円という感じだ。

国の貨幣、特に札は慣れるまで、どうしてもその価値の実感が湧かず、幼い頃楽しんだ「人生ゲーム」のおもちゃの札のように感じてしまう。
友人がバリ島の空港で出国する際、便意をもよおした。トイレで無事に事を成し遂げた後、トイレットペーパーがないのに気が付いた。ティッシュも持っていない。彼は悩んだ、不浄の手、この左手で拭うべきか…じっと左手を見つめること数秒。100ルピア やっぱりできない。パンツでティッシュの代用をとも考えたが、 それもできない。なにか紙らしき物がないかと思い、もう一度ポケットを探るとあった。ルピア札だ。悩んでいる暇はない。 彼はすかさずその中から一番低いRP100(約2円)を取り出し、断腸の思いでティッシュの代用をしてしまった。
この罰当たりが!!

今ではRP100札など製造もされていなく、めったにお目にかからない。僕もたまに手にするが、ぼろぼろで確かにティッシュのように柔らかくなっているので、お肌に優しいのかもしれない。 しかし汚いだろ!いくら価値が2円といえども紙幣で僕は拭けない。彼のこの話しには大笑いさせてもらった。今でもRP100札を見るとトイレの中で悩んでいる彼の姿を想像して笑ってしまう。
(1999.7.12)

  スポンサード リンク


BackNext


格安国際電話
インドネシアまで20円/分、ジャカルタなら11円/分の格安国際電話
インドネシアまで20円/分
ジャカルタなら11円/分






  スポンサード リンク




Copyright© Estate All Rights Reserved.