ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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第25話 幼稚園4年生 BackNext

学校選びは悩んだ末、結局一番安易な方法で決めた。 今まで通っていた幼稚園が今年から小学部を新設するとのことで、そのままエスカレーターで入学させた。 7月19日(月)小学校への初登校日だ。 自分が経験した30年以上前の小学校入学の頃に想いを馳せる。皮のいい匂いがする真新しいランドセル、ハイソックスに新品の靴、桜並木、母親に付き添われての入学式、校長先生の祝辞…・・校内にいる上級生がすごく大人に見えたものだ。 幼いながら緊張と期待とで胸を膨らませたことを覚えている。

て、娘の場合はどうだったのだろうか。 指定された制服は小学校から支給されるのだが、まだできていなかったので、幼稚園の制服を代用しての登校だ。入学式も無い(しょうがないここはバリ島だから…・)。
また、小学校の教室も幼稚園とは別に建築されるはずだが、新校舎の建設がいつ始まるかまったくわからない。幼稚園の空いている部屋が教室だ(しょうがないここはバリ島だから…・)。
さらにオーストラリア人の先生が教師として赴任する予定だったのが、就労ビザの問題でいつから赴任できるか目処が立っていない(しょうがないここはバリ島だから……・)。
今年度から学費が急激に上がった。小学校だから幼稚園に比べ値上がるのは止むを得ない。しかしあまりに高く(といっても香港の私立の10分の1の学費だが)感じたので校長先生に尋ねたところ、新校舎建設や外国人先生の採用などが理由とのことだった。にもかかわらず……

だ小学部ができたといっても実際は幼稚園から上がってきた一年生しかいない。それも10人ぐらいしかいない。全校生徒がたったの10人だ。しかも校舎も幼稚園と同じなので、小学校に進級したというより、幼稚園4年生になったような感じだ。 娘も小学生の自覚があまり無いようである。口から発する言葉はいまだに“幼稚園の友達”“幼稚園バス”“幼稚園のランチ”などなど、小学校という言葉は出てこない。ただ、娘にとってはずっと同じ友達と一緒だから居心地が非常にいいようである。 毎日喜んで学校に行く。まぁそれが一番、親としては嬉しいことではあるが。

学期から数日して娘が学校で何を勉強するのか先生に尋ねに行った。今までは幼稚園だったから娘が何してようと、あまり気にもしなかったが、今度は一応小学生だ。どんなことを学ぶか多少は気になる。 カリキュラムを尋ねたら、まだはっきり決まっていないらしく、次の週には報告できるとのことだった。もう新学期はとうに始まっているのに、なんかすごいのんびりしている(しょうがないここはバリ島だから…・)。
このようなバリ人のゆったりしているというか、あまり物事をシリアスに気にかけない性格は時として(年中?)僕をいらいらさせる。バリ人と一緒に働く外国人は必要以上に忍耐力が必要だ。 反面、仕事を離れれば、この様な性格のお陰で実は僕たちも大いに助かっているのである。人間あまりお互いを縛りあわない方が居心地はいいのである。

の知人の日本人女性は何人ものバリ人をスタッフとして抱えている。彼女から聞く、予測不可能なミスをするスタッフの話しで、いつも笑わせてもらっている。 彼女は口では「まったくしょうがないわねぇ」とか嘆きながらも、バリ人スタッフにいつも愛情を持って接しているのがよくわかる。最後には「みんな一所懸命にやってくれてるから…」が口癖だ。 「頭に来たときはひとごとのように、その考えられない失敗を人に話したりして笑いとばすのよぉ」とアドバイスしてくれる。
なるほどこれからそうしてみよう。バリ人が好きな人は多い。彼ら彼女らのどこが好きかというと、大半の人はそのあくせくしない穏やかで優しい面に引かれるのではなかろうか。 しかし、その性格も逆から見ればあくせくしない面は“緩慢”に見え、穏やかで優しい面は“優柔不断”に見えたりする。人間は勝手である。

て娘の小学校のカリキュラムができ、見て嬉しくなってしまった。一日3科目だけ。学ぶ教科は少なく、遊ぶ時間が多い。主な教科はインドネシア語、英語、算数、図工、で、金曜日はスポーツデイで授業は無し。 幼稚園児と一緒に遠足や水遊びしたり。毎週運動会があるみたいで面白い。また、土曜日はコンピューターデイで算数や英語の授業はコンピューターを使って行われる。バリ島でコンピューターを一年生から学ばせるとは想像もつかなかった。 また、毎日給食は支給される。娘も給食を学校での楽しみの一つにしている。イスラムやヒンズーの生徒もいるから豚肉や牛肉は出ないようだ。その代りに鳥肉はよくでる。学校で飼っている鶏を食べているのかな。

ばらくして親として困ったことに気がついた。娘が持ってかえる宿題がまったく理解できない。算数でも全て設問はインドネシア語だ。なんだか可笑しくなってしまう、娘がインドネシア語の教科書で宿題をしているのを見ると。 娘は親に尋ねても答えられないことを知っているから、最初から僕らに尋ねようとしない。既に娘は、親が知らない世界(学校)で親の知らない言語で自分を表現しているのか…・・と、そんなことを思いながら、じっと宿題する姿からしばし目が逸らせなかった。

(1999.8.18)

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