ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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第41話 お引越し@ BackNext

2000年3月、お世話になった借家の二年間の契約が終わろうとしていた。また、家探しだ。
ここバリ島の人口は上昇傾向にある。海外からの移住者だけでなく、昨今の政治的不安定の煽りを受け、ジャワ島をはじめとし、紛争の絶えない国内の他の島から、「安全」なバリ島への移住者も増え続けている。
首都ジャカルタで不動産価格は暴落傾向にあっても、バリ島の不動産価格はそれと反比例するように値上がり続けている。特に外国人に人気のある地域では。
移住者が増えるに従い、その需要を満たすように自然発生的に不動産業者が増えてきた。しかし、彼らの紹介する物件は、高級物件が多く、僕たちにはあまり関係なさそうだ。

くの外国人がそうするように、僕たちも、物件を紹介してもらうため、
日本人、バリ人問わず、知り合いに声をかけた。
ある日、郵便局へ封書を出しに行き、そこの所長さんと世間話しをした折に、なにげなく、家探しの件を打診してみた。郵便局の人だったら、その地域の土地に詳しいかもしれない。

「家を探しているのか? それだったら丁度いい。オレが今住んでいる家はどうだ?」

所長さんは、もう一軒 新築の家ができ、来月には引越しをするそうだ。そこで今まで住んでいた家を誰かに貸そうを思っていたらしい。
早速、所長さんの非番の日にアポイントを取って、ご自宅へおうかがいすることにした。(ちなみにバリ島の郵便局は日曜日でも営業している)
失礼があってはならぬと、髭を剃り、鼻毛をぬき、よそ行きの格好をして訪問した。奥さまにご挨拶をし、家の中を拝見させてもらう。3LDKで家具もついている。僕たち家族が住むには充分だ。家賃も高すぎず、安すぎずと言う感じだ。大家さんが所長さんというのもプラス要因だった。

所長さんとは、いつもは郵便局で立ち話しをする程度だったが、こうして自宅にお邪魔し、奥さまも交えてお話させて頂くと少し緊張するが、いつもとは違った話で盛り上がる。

27年間もの長い間 郵便局に勤務し、3人の自慢の子供たちも立派に成長している。所長さんから発せられる子供さんたちのお話からは、子供に対する愛情が伝わってくる。どこの国の親も一緒だ。聞いていて気持が良い。

近い将来、郵便局を辞めて自動車修理工場を経営したいと所長さんは熱く語る。バリ島の人口増加に伴い、修理に対する需要も増すというのだ。なにせ、バリ島には電車がないので、交通手段は車かバイクになってしまう。所長さんは既に若くはないが、これからの人生の夢を聴かせて下さり、こっちも元気が出てくる。
しかし結局、家を借りる件は、位置する場所が娘の学校から離れ過ぎていたので、後日お断りすることになった。

この所長さんとの例のように、バリニーズは人と人との垣根が低い。オープンマインドなんだ。外国人の僕に対してですら、こうして、仕事を離れてでも家を紹介してくれたりする。もし、他の国の郵便局の職員に、郵便に関する以外のことを相談したとしても、きっと相手にされないことだろう。


本人のA嬢は、素敵なバリニーズの婚約者がいる美しい女性だ。
(本人が「美しい」と言えってうるさい)
昨夜、日本からバリ島に舞い戻ってきたので、彼女にも家探しの件で早朝に電話してみた。まだ寝ているかな?

「今回、ガルーダ(航空のチケット)が取れなくってさぁ。しょうがないからチンコネンタル(航空)で来たのよー。もう疲れちゃって。」

ち、ちんこ???

「しかし、朝早くから誰かと思えば、まったく・・・。私たちラブラブなんだから、もう邪魔しないでよ!!」

そうか、久しぶりに彼と会ったので、昨晩は旅の疲れも忘れ、二人して燃え上がったのかな。

「そうなのよー、彼が一晩中 私のこと放さなくってさぁ。やっぱこの美貌かしら。オホホホ」

電話をしながら大笑いして、あらぬ二人の姿を想像してしまう。
彼がA嬢のことを放さなかったって? それは逆だろ。A嬢が放さなかったに違いない。

「失礼ね! 私は、こう見えても 浅野○子 似のスレンダー美人とよく言われたのよ。今はちょっとお肉がついて、あんたのあのオンボロ車に乗ると、ほっぺがぶるぶる震えるけど。」

このように、A嬢と話しているとゲラゲラ笑ってしまい、なかなか本題に入れない。家探しの用件を相談し、電話を切ったら、しばらくして返事がきた。

彼女が、将来彼と一緒に住む家の改築が終えたばかりで、そこに住み始めるのは半年先だから、もし半年だけでも良かったら住んでも構わない、との有り難い提案だった。

の頃、実際に何件か物件を当たっていたのだが、なかなか納得する物件に巡り合えなかった。
納得できないところに今、無理に引越すより、半年間A嬢の家に住まわせてもらって、その間に、じっくりと家を探した方がいいのではないか、とA嬢も勧めてくれる。このような時はあまり流れに逆らわない方が良い。

住むにあたって、A嬢とバリニーズの彼からそれぞれ一つづつ注意があった。

A嬢:「庭に生えているレモンの木だけは絶対に枯らさないで!!」

彼 :「新築(改築)の家に人が住み始める日は、ヒンドゥーの暦に従って、良い日を選ぶので、その日に必ず入居すること。」

A嬢に対しては、僕のおしっこを毎日、レモンの木にかけて育てることを約束したのだが、彼女は「そんなことしたらレモンが死んじゃう!」と嫌がっていた。

また、彼の提案する日に引越すのは、僕のスケジュールがどうしても合わず、引越す日の変更を相談したところ、「その日に引越さなくとも、とにかくその日はその家に泊るように。」と いつになく真剣な口調で忠告された。
引越す日など、それほど問題では無いだろう と軽く考えていた僕は、彼から真剣な眼差しで忠告されたことにちょっと狼狽した。 普段、バリニーズはどんなことに対しても考え方が非常に柔軟だが、ことヒンドゥーに関わることは別のようだ。僕とは生活する上での優先順位が違う。

こはバリ島だ。言ってみれば僕は「他人の家」(外国)にお邪魔している身分だ。その家(国)のルールに従って生活するのはあたりまえだ。彼とのちょっとした会話でそれを再認識させられた。

さぁ引越し準備開始だ。まずはカートンボックスを調達しなければ。


(2001.7.7)

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