ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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第44話 ミッドナイトパトロール BackNext

リ島では、凶悪犯罪の発生率は、他のアジア諸国と比べ、比較的少ない方ではないだろうか。
しかし軽犯罪の「ひったくり」「置き引き」「空き巣」などの被害件数は年々上昇傾向にあるようだ。

僕はそういった被害に香港在住当時から無縁だったが、先日、車に置いてあったバッグを盗まれた。銀行に所用で入った隙(5分くらいの間)に、その銀行前の路上に停めてあった車の助手席側の鍵を壊され、バッグを盗まれた。その中には携帯電話(買ってまだ3日)、デジカメ、仕事の資料・・・・とほほ。
仕事資料を盗られたのは、ちと痛かった。
僕の友人(日本人女性)も同様な手口でマクロ(というディスカウントストア)の駐車場で被害に遭ってしまった。警備員がいる駐車場でも安心はできない。

本では「ピッキング」と呼ばれる、外国人による組織的な空き巣が増えているという。同様にバリ島でも、バリ人の家や長期滞在外国人の家への空き巣が増えているそうだ。
日本で空き巣に狙われるものといったら、現金、貴金属、通帳(印鑑)などだが、ここバリ島では、現金以外は、転売のきき易い「物」が狙われる。バイク、TV、ステレオコンポ、コンピューターなどなど。
僕の周りを見まわしても、空き巣の被害に遭った友人が結構いる。
物を取られるだけならいいのだが、怖いのは深夜の忍び込みだ。友人(インドネシア人)も、深夜、家に入りこんだ泥棒と格闘し、大怪我を負ってしまった。(結局その泥棒も捕まらずじまいだ)

して先日、僕の隣の家にも、深夜に二人組の賊が入った。
最初に気がついたのは僕のカミさんだ。深夜、さかんに我が家の二匹の犬が吠え立てるので、カミさんは何かあったと思い庭に出た(僕はその時なにも気づかず熟睡中)。その時、二人組の男が走って逃げるのを目撃したんだ。隣の家の被害は大したことはなかったようだが、夜中に人が忍び込むなど気持ちが悪い。

そんなことがあって、我が家も戸締りを厳重にするため、二階の窓に鉄格子を付けたり、ドアを頑丈なものに付け替えたりと、自衛手段をとった。

***

ういったことが僕の住む村で立て続けに二件発生したこともあり、村では当番制で、深夜警備することになった。「ミッドナイトパトロール」だ。
一班10人、二週間に一度、当番がまわってくる。時間は深夜11時から翌朝4時まで。
これは結構きついな。しかし、村で決まったことだ。僕も参加せねばならない。

僕の班の面々は、大学で教鞭をとっている人、ODA関連の職員、日本にサツマイモを輸出している人、そして警察官などなど。ユニークなインドネシア人が揃っている。

深夜11時に村の集会所に集まり、まず、皆で村をゆっくりと一周する。10分くらいで一周し終わったら、今度は集会所で井戸端会議だ。おしゃべりで時間をつぶし、また一時間ほどたったら村を一周。4時まではまだまだ遠いと思っていたら、2時くらいに班のリーダー格の人が、「もう今日は眠たいからこれでお終いにしよう」だって。

えっもう終わっていいの?と思ったが、皆も眠たそうでパトロールどころではなさそうだ。結局それ以来、僕らの班に限らずパトロールは深夜2時に終わる様になった。早朝4時まででは、朝早くから仕事のある人はつらい。

***

かし、僕の班も回を重ねるにつれ、皆、このパトロールに飽きてきた様子で、一人減り、二人減り、ある時などはついに僕一人だけになった。
その時は僕も帰ってしまおうかと思ったが、夜風が気持ちよく、星も綺麗だったので、一人でゆっくりと村をパトロールした。

村の数カ所には、竹でできた小さな「小屋」があり、普段、村人の休息場所として使われている。パトロールの途中、そこに寝転がって空を見上げると満天の星空だ。

静寂のなか、星たちを見つめていると、いつのまにか、過ぎ去ったバリ島生活の4年間の様々なシーンが浮かんでくる。住む家も決まってないまま家族3人で香港を飛び出したこと、娘の学校を探したこと・・・・
後ろを振り返らず、ただ前だけを見つめて歩いてきたことが、ついこの間の出来事のようでもあり、またずっと昔の事だったようにも思える。

僕は一体どこに向かっているのだろうか。どこに向かおうとしているのだろうか。そんなことを考えていたら、「現実」と「夢」との領域があやふやになっていき、いつのまにか、星空の下で静かに寝入ってしまった。

(2002.7.9)

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