ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
バリ島
バリ島ずっこけ物語 コンテンツ
HOME
バリ島ずっこけ物語
ずっこけ男バイクでGO!
バリ島両替所案内
インドネシア語
リンク
メールマガジン
格安国際電話
メール


インドネシアまで20円/分、ジャカルタなら11円/分の格安国際電話

インドネシア料理 エルイーアジア

リンク用バナー ご自由にお使い下さい。




第45話 便利な川 BackNext

リ島は、田園の景色が有名なように、水が大変に豊な島だ。
我が家の前の広大な田園の中にも縦横に水路が走っている。そのような小川は、単に田んぼに水を供給する役割だけでなく、村人らに様々な目的で利用される。

引っ越してまだ日も浅いある昼時、その小川の方から、賑やかな声が聞こえてきた。庭掃除をしていたカミさんが、そこで何をしているのかと思い、庭から小川を覗くやいなや、驚いた様子で家の中に駆け戻ってきた。

「たっ大変!皆んな すっぽんぽん!」

その小川では、今日の農作業を終えたおじさん数人が行水をしているところだった。カミさんは「もう、勘弁してよ〜」と言いながらも、何故か顔がほころんでいる。

夕方になると、近所で家を建てている建築職人さんたちが、一日の仕事を終え、同様に行水にやってくる。丁度、我が家の前に、川に下る小道があるので、そこが行水のスポットになっているんだ。

僕はそこで行水はしないが、髭剃りだけはそこでさせてもらっている。僕の場合、髭剃りといっても毎日ではなく、不精髭なので2週間に一度くらいしか剃らないんだ。家で剃りたいのだが、カミさんが、排水パイプが詰まる、と言って許してくれない。髭剃りを川でしているなんて、何だかカウボーイにでもなった気分だ。


る日、カミさんがその小川に行き、水を汲もうとしたところ、茶色い固形物がぷかぷかと流れてきた。それが何であるか判別するのに時間はかからなかった。明らかに人間の体内から出てきたものだ。ふと、50メートルほど川の上流に目をやると、そこにはズボンをずりずり上げている農夫がいた。

「犯人はあのおっちゃんだ!」

僕は、この話しをカミさんから聞いて、川で自分もしてみたいと思ったが、方法が分からない。わざわざ人に尋ねるのも、と思っていたら、数日後その答えが分かった。

近所の小川に沿ったあぜ道を散歩していると、川にしゃがみ込んで、うつむいているおばちゃんに遭遇した。腰まで川に浸かり、体は上流を向いている。
魚でも探しているのかな? 何をしているのかと思い、よせばいいのに、僕はおばちゃんに近づいて行った。

おばちゃんとの距離が3メートルくらい接近したとき、「あっしまった!」と僕は後悔した。その行為が何であるかわかり、急いで立ち去ろうとした時、おばちゃんが「じろっ」と僕を睨むんだ。

「あんた、じろじろ見るんじゃないよ」と、言わんばかりの目つきだ。

僕はそういった覗きの趣味はないですよ〜。
しかしこれで川での正しい?トイレの仕方がわかった。
まず、川の深さは「膝やや下」くらいがよさそうだ。その深さだとしゃがんだ時に丁度、水面が腰くらいにあたる。また上着も濡れない。
次は体の向きだが、これはやはり上流方向だろう。下流に向いたら、出てきた「もの」を見るはめになる。自分の「もの」でも僕はあんまり見たくない。そして仕上げは手を使ってお尻を洗えばよい。この方法のほうが、紙で拭うより清潔だ。


の他、川では毎日、皆、洗濯もするし、鍋や食器なども洗う。
上流から排泄物が流れてくるかもしれない、などとつまらない事を考えてはいけない。

日曜日になると、小さなバケツを持ったお父さんらが子供を連れてバイクの洗車に来る。その傍らで、子供たちが川遊びをしている。休みの日の平和な一こまだ。
皆が様々な目的で川を利用することによって、ここが一つのコミュニティの場を形成している。

今、この文章を書いていたら、我が家の前の道に、近所のお父さんのキジャン(インドネシア産のトヨタ車)が停まった。どうやら洗車を始めるようだ。
さて、僕も出かける前に、そこで髭を剃りに行こうかな。

(2002.7.26)

  スポンサード リンク


BackNext


格安国際電話
インドネシアまで20円/分、ジャカルタなら11円/分の格安国際電話
インドネシアまで20円/分
ジャカルタなら11円/分






  スポンサード リンク




Copyright© Estate All Rights Reserved.