ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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第47話 楽しい学校 BackNext

の通っている学校は、私立のクリスチャンの学校で、原生林を切り開いた新興住宅地にある。学校の直下には割と大きい川が流れ、川の向こう側には木が生い茂っている。空気は抜群に良い!
此処は、大きな教会の建物の中の学校なので、コンクリートの駐車場が校庭となっている。庭には色とりどりの植木が立ち並び、眺めは格別だ!毎日7時半から学校が始まり、子供達を送り届けるバイクや車でごった返す。

庭の木々には小鳥やリスが住んでいて、何とも長閑な・・・
ある時、娘が学校から帰るなり、興奮して今日の出来事を話した。

「今日ね、学校のお庭で遊んでいたら、男の子の体にカメレオンが飛び付いて大変だったんだよーっ!!!・・・・・」

へっ?かっ、カメレオン!?えっ?それって、あの体の色が変身しちゃう奴???私はびっくりして目が点になった。ゆうに30cmはあったそうだ。
それから、私は娘の話に聞き入ってしまった・・・

つもの様に友達と学校の駐車場で遊んでいたら、数メートル先にいた1年生の男の子が急に石の様に固まって動かなくなった。娘達は、その子の頭が大きく膨らんでいるのを見つけて、どーしたのかな?と思いつつ、そばに寄って見たそうだ。

それはなんと、男の子の頭が膨らんでいるのではなく、大きな生き物が乗っていた。男の子の顔は蒼白で、息もしていないような感じで完全に固まっていた。生き物は髪の毛と同じ色で、近くに行かないと分からない程そっくりだった。生き物の目がギョロっと動き、それがカメレオンだと分かった瞬間、子供達は大騒ぎをしだした。

・・・と、次の瞬間、そのカメレオンは頭からその子の胸にザザザッと移動し、今度は胸にある校章をくっきりその背中に映し出したそうだ!!校章の文字まで読める!服の色もそっくりと・・・物凄い!娘達は他人事ながら、凄い凄いと大騒ぎ!当の本人は未だ固まったままだ。

ガサガサ。茂みからもう一匹カメレオンが出てきた。もー、子供達はわーわー大騒ぎである。相棒のお出ましに、そのカメレオンは校章を映し終え満足したのか、ぴよーんと飛んでガサガサと茂みに帰って行った。男の子は、気を失わんばかりに、その場にへなへなと座り込んだそうだ・・・
そんな事、有りっ???っていう感じだが、後日その場所を見て納得した。

以前は、学校のトイレに蛇が住み着いていて使用禁止になっていたり、例の庭で、子供が巨大なカエルに追いかけられて、背中に飛び乗られたり・・・

校への通学路も、これまた田んぼの中を走っている、凹凸の激しい小道である。主人はバイクで娘を後ろに乗せてその小道を走っていたら、何処から来たのか、豚がバイクの後を突進して追いかけてきた。娘はわーわー言いながら、しがみ付いていたそうだ。

豚だけではない、あちこちに放し飼いの鶏は、チョコチョコ道路にいるし、ガチョウの行列にも遭遇する。そんな時、私もスクーターをびーびー鳴らしながら、おろおろするその集団を見送る。先日は、大きな牛が柵を突き破って、いきなりどどーっと道路を突っ切った。3m程手前に2人乗りのバイクが走ってきていた。そのお二人は目を丸くして笑いながら通り過ぎて行った・・・・・・

そんな長閑なバリ島は、今日も鶏がけたたましく鳴いている。
明日は何に遇うのかな?

(2003.2.8)

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