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その日、僕たち夫婦は、彼が勤務するディーラーへ朝8時半に出向き、彼の案内で近くの免許取得場へ出向いた。
そこは交通警察署の管内にあり、早朝にもかかわらず、運転免許の申請や更新の人たちで、既にごったがえしている。
なんだか時間がかかりそうだなぁ・・・・
彼は、僕たちのパスポートやビザを持って、申請に必要な枚数をすぐさまそこでコピーし、申請書に必要事項を書き込んだ。そして次は、免許に添付する顔写真撮影と指紋採取だ。
撮影場所には多くの人たちが並んでいるのだが、僕たちは何故だか並んでいる人をとばして、優先的に済まさせてもらった。
しかしこういうのは、真面目に並んでいるインドネシア人に申し訳ない気がするのだが、彼が仕切ってくれているので、僕らはただ従うだけだ。
後から判ったことだが、免許取得を超特急で終わらせる為に、僕たちは他の人たちよりも高い金額を払ったのだった。だからそういった融通が利いたんだ。
「さぁおしまい。午後1時になったら免許が発行されているはずだから、またここに取りに戻ってこよう。!」と彼。
えっ! これでおしまい?
確か、形ばかりの筆記試験などがあるようなことを友人から聞いていたが、それも無いようだ。ちょっと簡単過ぎないか?
取得に際して私たちがしたことといえば、
・顔写真撮影
・指紋採取
だけだ。パスポートコピーや、申請書の書き込みなどは、全て彼が請け負ってくれた。
そして、僕らはティーラーに戻り、今度はバイクの購入だ。
予め買おうと決めていた「Shogun(将軍)」のシルバー色の在庫が都合よくあったので、即決し、すぐに近くの銀行で現金を引き出して支払いを済ませた。(新車価格は当時のレートで約15万円)
再び、免許取得場へ出向くと、正真正銘のバイクの免許が出来上がっている。日本で取得できたときのように、やっとの思いで試験(実技、学課)に合格したという喜びは全く無いのだが、「取得できた」という嬉しさは一緒だ。カミさんも生まれてこのかた運転免許を持った事がないので、初めての免許に嬉しさも格別のようだ。
その日の夕方に、「Shogun」が軽トラックに乗せられて自宅に運ばれてきた。
あれっ!もう納車なの?
今日の朝、免許もバイクもなかったのに、夕方には両方とも揃ってしまうなんて驚きだ。日本では時間が大変にかかるだろうと思われることでも、ここインドネシアではこのように簡単にできてしまうことがある。しかしその逆に、何でこんな簡単なことがちっとも進まないのか、とイライラしてしまうことが多いのもまた事実である。
それにしても新車は嬉しいものである。
小学生の頃、初めて親が買ってくれたサイクリング自転車が家に届いた時の嬉しさを思い出していた。
よし、早速トライだ!
しかしよく見ると、まだナンバープレートが無い。
発行までに一週間かかるとのこと。それじゃぁまだ乗っちゃダメなの?
ナンバーなんか待ってられねェぜ!とばかり、早速、娘を乗せて、ヘルメットもかぶらず近所をころがし始めた。110ccと言えども、バカにできない。想像していた以上にパワーがある。加速も僕の車に比べ10倍くらいよさそうだ。
バイクはカミさんのために買ったということをすっかり忘れ、僕は知らず知らずのうちに、その魅力にはまりつつあった。
(2003.9.6)
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