ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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第51話 もうペラペラ@ BackNext

から二年程前、娘が学校から両親宛の通知を持って帰ってきた。通知はインドネシア語(下記イ語)で印字されているので、いつものように娘に訳してもらう。

「校長先生がね、パパかママに私のことでお話しがあるみたいだよ」

そうか、日本でいう父兄面談ってやつだな。よし、それにはパパが行ってあげよう。娘がお世話になっている学校の校長先生に、普段のお礼を言う良い機会だ。

しかし待てよ。どうやって校長先生と会話をすればいいんだ?
それまで僕が使うイ語と言えば、数字を除いて次の二語くらいしかなかった。

「バグース!(good!)」と
「ティダッ・バグース!」(バグースの否定形)

これは、二語というより、一語といった方が良いかも知れない。
このバグースは、その語感と意味とが、これ以上ないというくらいに大変にマッチする単語で、親指を突き立てて「グー」にアクセントを置くと、気分はインドネシア人だ。初めてインドネシアを訪れた人のほとんどは、初日でマスターする単語だろう。

この程度の語学力で校長先生とお話しするのは失礼だな。しょうがないので、娘を通訳として同席させる事にした。



日、決められた時間に学校へ訪れた。他の父兄は、親だけが来ているのだが、僕だけが娘と一緒だ。
僕たちの番にになり、校長室へ入室した。やや緊張した面持ちで、校長先生の机の前の椅子に座る。

校長先生は女性で、生徒からも人気の高い先生だ。厳しさと温かさを兼ね備えたお人柄が、顔つきからも伝わってくる。

簡単な挨拶のあと、先生はニコニコしながら、なにやら娘のことを私にしゃべり始めた。娘に訳を促すと、

「えーとね、パパの娘はね、とっても学校で頑張ってるって。とってもいい子だって。」

ちょっと待て。おまえは自分の都合の良い事だけしか訳してないんじゃないのか?そもそも、娘のことで面接に来ているにもかかわらず、その本人が通訳するから、何か妙な展開になってしまう。しばらく雑談したあと、先生は話しの矛先を僕に向け始めた。

「お父さんは、インドネシアに住んでどのくらい経ったのですか?どうして、イ語をもっと勉強しないのですか?」

どうもすんまへん・・・・
僕は段々と肩をつぼめ、小さくなっていく。

先生は娘に向かって

「お父さんがイ語が上達するように教えてあげなさい。」だって。

娘のことで面談に来たのに、いつのまにか娘と立場が逆転してしまっていた。(俺だって少しはしゃべれるのに。)



して、先生の部屋を辞し、やや気落ちしたまま駐車場へ向かった。そこでは、娘の同級生の男子たちが遊んでいて、こちらに声をかける

「ダーアー!」(バイバーイ!)

そういう時は、バイバイじゃなくて、(イ語で)「さようなら」って丁寧に言えよ。そう思い、僕は彼らに(イ語で)「さようなら!」というつもりが、間違ってしまった。

(思いっきり大きな声で)
「ようこそ、いらっしゃいませー!!」(スラマッ・ダターン!)

子供らは、2−3秒 固まったと思ったら、はじけたように笑いだした。
「おーい、あのオヤジ『ようこそ』だってよー! ぎゃははははー」

この鼻垂れ小僧どもが、大人をバカにしやがって。

今日は散々な一日だ。先生に注意され、ガキどもにはバカにされ・・・・
よし!こうなったらイ語をちゃんと勉強してやろうじゃねぇか。



て、どうやったら一番、楽して簡単にイ語を覚える事ができるのだろうか。周りにいる外国人に訊いてみた。

ある日本人女性は半年ほどの滞在なのに、僕から見ると既にぺらぺらの域に達している。
「特に勉強はしなかったけど。毎日の会話の中で、自然に聴いて覚えていったよ。」
かっこいいなぁ。僕もこんなセリフ言ってみたいな。

また、あるイタリー人はこう言った。
「イ語をどうやって勉強したかだって?そんなのベッドの上でに決まってんだろ。ウッヒッヒ」
ちきしょー自慢しやがって。全然参考にならねぇじゃねぇか。

数カ国語を操るシンガポール人は語学に関して面白い表現をした。

「簡単な語学なんかないよ。ただ、取っつきやすい語学とそうでない語学があるな。そういった意味では、語学は楽器に喩えることができるよ。」

「楽器?」と僕は先を促す。

「イ語は簡単とは言わないが、非常にとっつきやすい語学といえる。楽器に喩えればリコーダー(立て笛)かな。音は出しやすく、指の動きを練習すれば、比較的簡単に演奏できるリコーダーのように、イ語も発音は一部を除いて比較的 簡単で文法上の決まりごとも他の言語と比べ少ないから、早い段階で会話が可能となるよ。しかし、リコーダーにもプロの演奏者がいるように、上級になるには難しい。イ語でも上級になるには、相当な努力が必要となってくる。」

「他の言語は?」

「そうだな、例えば広東語などは、発音そのものが非常に難しいから、楽器に喩えるとしたら、音そのものを出すのが難しい管楽器にあてはまるかな。日本語はさしずめピアノだな。音(発音)は簡単に出せるが、指の動き(文法)が非常に難しい。」

「それは分ったけど、イ語を上手くなるにはどうしたらいいの?」

「誰だって最初は楽器は弾けない。楽器だって個人差はあるにしろ、弾けば弾くほど上達する。語学だって上達の個人差は当然あるが、まずは喋る機会を沢山持つことだな。誰もお前の演奏が下手だとは言わないよ」

なんだか当たり前すぎる答えだな。しかし、その当たり前の事をしようとしない僕に問題があるんだ。

よし、これからは話すチャンスを沢山持つぞ!
どうせなら、イ語を楽しく話して勉強したいな。何処だ?楽しく話せるところは。あるではないかバリ島にも。楽しく会話ができる場所が。

その夜、僕は日本から来ている友人と連れ立って、インドネシア語の勉強の為に(お姉ちゃんのいる)カラオケへ出向いた。

(2003.9.21)

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