ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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第55話 ここでの勉強 BackNext

リ島に移住して、あれよと言う間にもうすぐ8年目になる。5歳の誕生日を迎えて直ぐに引越してきた娘は、2月末で12歳になる。早いものだ・・ 香港に居た頃、カナダ系のインターナショナルの学校の付属の幼稚園に通っていた。

バリ島に来ても、英語での勉強を続けさせたいと思って、英語での授業だという事で入ったら、丸っきりインドネシア語で、其処の園長先生だけが話せるというものだった! 後から聞いた話だが、其処の幼稚園に入学してから3ヶ月間程、娘はそこで飼われていたウサギとしか遊ばなかったそうだ。 その頃私達は、新しい仕事を作る為に四苦八苦している時で、娘がそんな孤独と戦っているとは思いもつかなかった。 よく私達大人は、子供だから順応性が早いとか言っている。 幼稚園には主人が送り迎えをしていて、時々私も一緒に迎えに行っていた。入って間もない頃、お友達とも話ができず、しょんぼりしていた時もあった。 でも泣きはしなく、時々、「香港に帰りたい・・・」とぽつりと漏らしていた。

当時、其処の幼稚園はとても繁盛していて、小学校を新設する事になり、娘は第一期生となった。 しかし、学校の方針や其処に勤める先生がよく変わる事から不信感が募り、クラスメートは続々と他校に転校してしまった。

インターナショナルの学校は学費が高くて手を出せなかったので、ローカルの学校を色々あたってみた。 娘はインドネシア語も話せるし、読み書きも小学校の一年生の時点では大丈夫のように見えたが、何処の学校も受け付けてくれなかった。

んな時、元同じ学校だった子のお母さんから連絡が入り、出来たばかりのクルスチャンの私立校を薦められた。 当時は、ジャワ島などで暴動が相次いだ為、他の島からバリ島に移ってくる人が急激に増えていて、私立の学校があちらこちらに出来始めていた時でもあった。

娘は一年生の途中での編入だったが、前の学校ではあまりよく教えていなかった様で、入って早々先生に呼び出された。 話し合いの結果、補助の 先生が娘に付いてちゃんと理解出来るまで教えてくれると言う事になった。 読み書き全てインドネシア語の授業なので、宿題が分からなくても、私達には教えられない。 家庭教師をとも考えたが、学校の先生が教えてくれると言うので、あまり娘を勉強に縛り付けたくなかったので特別には考えなかった。 毎日そんな学校生活で娘は相当プレッシャーがあった様だった。

新しい学校で1年が過ぎる頃、放課後にピアノのレッスンが受けられることを知りピアノを習い始めさせた。 そこの学校で音楽を教えている先生が、教会付属の音楽塾のピアノの先生をしていた。 レッスンのお迎えは私がスクーターで行っていた。先生は50歳位の女の先生だった。 私も昔ピアノを習っていたので、家に帰ると毎日一時間程ピアノの練習を見てやっていた。 これが娘にとってかなりのプレッシャーになっていた様だ。 只でさえ、インドネシア語での勉強があるのに、毎日ピアノの練習をしなくては先生に怒られる。

ピアノを習い始めて半年。娘はよく練習するので上達が早く、先生のお気に入りになった。 しかし、学校の長期休みとなると必ず熱を出すようになった。それは日ごろのストレスのせいだと思い、ピアノを辞めさせた。 先生はとても残念がった。  その先生は幼少の頃から、ピアノ・バレエのお稽古事をしていた、筋金入りのお嬢様だった様だ。 私も昔ピアノを弾いていたが、好きと言うのでは無く、どちらかと言えば親の薦めの[義務]でしかなかった。 そんな思いを娘にまでさせたくなかった。

校では毎週一回、特別カリキュラム(日本で言うクラブ活動)が有り、4つ位の中から選べるもので、お絵かき・ダンス・歌・演劇がある。 娘は割と活発でダンス部に入り、とても楽しんでいたようだった。その後、教会付属のダンスチーム(バレエの他に教会の独特なタンバリン・ダンスの 両方を習う)にも入り、クリスマスの発表会近くになると、毎日遅くまで練習していたものだ。いい経験になったことだろう。

勉強に関して言えば、語学の多さには驚かされる。 インドネシア語はもちろんのこと、英語、バリ語は必須で、3年生からは、マンダリン(中国語)が入ってきた。 この学校は殆んどがインドネシアの華僑の子弟が通っているので、中国語には力を入れている。 また5年生になってからは、アメリカ人の先生が指揮を執って、英語による算数・理科・英語の授業もプラスされた。 勿論、インドネシア語での算数・理科の授業も有る。

6年生現時点での科目は、インドネシア語(国語)バリ語・中国語・英語・算数・理科・社会・宗教(キリスト教)・体育・図画・工作・音楽の12教科に加え、クラブ活動のダンスだ。 以前は3学期制で、学期末ごとに国の共通テストが行われていたが、今は2学期制に変わった。 娘の学校では、学校独自のテストの他、バリ州の共通テストも各学期毎おこなわれる。 テスト漬けだ!5年生の最後のテストは、中学に進級できるかどうかのテストだったらしい。赤点の生徒は親が呼び出される。宿題も多い。

リ島に来る前はバリでのんびり子供を育てられると思っていたが、ところがドッコイ!現状は厳しい。 ローカルの公立校は中学でも朝7時位からお昼までで授業は終わってしまう。 私立校は、小学校でも朝7時半から3時位までだ。娘の学校の授業は2時までだが、補習として毎日一時間余分にある。 何でも、テストの点を高く取る事・・・学校としての総合点を上げる事によって、学校のレベルアップ&イメージアップを図るものだそうだ。

香港にいた時でもそうだったが、地元の幼稚園では毎日宿題が出て、年少さんから一桁の算数の足し算がスタートする。 当時5歳だった知人の娘さんが通っていて、親が大変だったそうだ。 華僑の子弟が多い学校は、大変に教育熱心だ。

の学校の娘の親友は、華人のお金持ちのお嬢様だ。 石造りのプール付きの豪邸に住み、6人程住み込みのお手伝いさんがいる。 一年生になった弟と両親、それにお爺ちゃん、お婆ちゃんという家族構成だ。 その子は以前、学校の目の前に住んでいて、日傘をお手伝いさんに差し掛けられ、手ぶらでの登校。 お昼になるとホカホカのお弁当を運んでくるという日々。 しかし、週三回の英語、ピアノのレッスン、中国語、ダンスのレッスンと毎日忙しい。 水泳も習っていたが最近辞めたそうだ。6年生になって違うクラスになってしまったが、最近あまり元気が無いそうだ。お嬢様も大変だ。

ちの娘は、楽しい事が大好きで、仲の良い友達といる時はかなりのお調子者を発揮するようだ。(その点は主人に似ている!) ピアノを始めてから猫背になり、それを治そうとダンスと始めた。一年前からは、テニスもスタートさせた。 今は155cmで成長期だ。本人は空手も始めたいと言っている。 すんなり空手を習わせると、テニスも中途半端になると思い、毎日学校から帰ったら、縄跳び100回、テニスの素振り前後50回ずつする事を約束した。 昨日は久しぶりにテニスをやって腕と足が痛がっていたので、筋肉強化として腕立て伏せもプラスする。(今日初日で20回やった)

一年生の頃はやっと授業についていける様だった娘は、今では逞しくなった。インドネシア語での友達との会話は、難なくこなしている。 本当に日本人なのか?香港で生まれたのにどうして日本人なのか?とも言われたそうだ。 今では、娘が日本人だと言う意識があまりない様だ。6年生になってクラス・リーダーに選ばれ、プラムカ(ボーイスカウトの様な授業)では5、6年生の総リーダーになった。 学校で独りしか付けられないワッペンを貰って、とても嬉しそうだった。

か一年位前だったか、私は娘と向き合って話し合った事がある。

*あなたは日本人であるから、日本語が話せて更に書けなければならない。 今はまだ4年生の漢字を勉強しているが、中学3年生までには日本語の読み書きのレベルには追いつかなければならない。 そのためには、漢字練習の他、沢山の日本語の本を読みなさい。

*私もお父さんもいつまで生きられるのか分からないから、独りでも生きていける様に、今からしっかり勉強して、高校が終わったら自分の好きな勉強をしなさい。 その為に、お父さんとお母さんは一生懸命に働くから。 だから語学としては、日本語と英語はしっかりと勉強しなさい。 もし、お父さんお母さんに何かあったら、日本に居る優しい従妹のお姉ちゃんに相談しなさいね・・・・・ 娘は聞きながら泣いていた。

一旦、日本を離れて暮らした者は、なかなか日本の社会には順応できないとよく言われる。 知人で10年ほどオーストラリアにご家族で住んでいた娘さんは、ご家族と共に日本に帰ったが、日本では力が発揮できず、再び独りでオーストラリアに移住して自分の道を逞しく切り開いている。


娘がこれからどんな方向に進んで行くのだろうか。
娘よ!逞しく育って欲しい!!!

(2005.2.1)

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