ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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第59話 ううっ・・・も、もれそう・・・ BackNext

う、かれこれ6年ほど前のこと・・・ 夕暮れ時、いい調子でデンパサールで車を運転中、急に腹痛に襲われた。 慌てることはない、今までの人生でこんなことは何十回も経験している。 我が家まであと20分足らず。それまでは何とかトイレを我慢できそうだ. (パニック度1 [最高度数は5] )。
普通は一回目のビッグウェイブが去った後、二回目はその10分後くらいにやってくるが、その時は違った。 予想に反してセカンドウェイブが3分後くらいにやってきた。暑いにもかかわらず背筋に悪寒が走り、おしりが緊張する(パニック度2)。 刺激を抑えるため背筋をぴんと伸ばしながら、強張った顔で運転するその姿は、まるで仮免許の練習生のようだ。 これはちょっといつもの波とは大きさが違う。不安感が増すと同時に、その不安感が腸を刺激し、さらなる大波を呼び込むという「腹パニック・スパイラル」に陥ってしまった。

くつかの波をしのいだ後、あと自宅まで10分くらいというところまで頑張ったが、もう限界だ。噴火は間近だ。おしりがヒクヒクいい始めた(パニック度3)。 丁度、娘が通う小学校が目に入ったため、迷うことなくタイヤを鳴らしながらハンドルを切って駐車場に停めた。 既に夕暮れで生徒はおらず閑散としていたのがせめてもの救いだ。 怒濤のごとく押し寄せる波と戦いながら、僕は腸に刺激を与えないよう、忍者ハットリ君のように上半身を揺らさず、足で地面に擦るように走った。 しかしあろうことか、あとトイレまで20mというところで、段差につまづき、つんのめってしまった。やっやばい。(パニック度4

「ハロー!アパカバール!」

陽気な声に顔を上げると、そこには宗教学の先生が立っている。 この先生とは顔馴染みで、比較的、話しをする方だ。

「どうしたんだ?こんな時間に何しに学校に来たの?」

この先生はとても明るく生徒にも人気がある好い先生だが、非常に話し好きだ。 もし、僕がここで漏らしてしまうようなら、次の日には全校生徒に知れ渡ってしまう。 それだけは娘の為にも絶対に避けたい。いや避けなければならない。 悪ガキどもの、はやし立てる声が聞こえてきそうだ。

「おまえのとーちゃん、ウンコ垂れー!」

これが原因で娘が愚れたりしたら悔やむに悔やみきれない!

「ちょっとトイレを貸してください」

引きつった笑顔で先生に挨拶し、そこからはベルトに手をかけながら前傾姿勢のまま猛然とトイレに飛び込んだ。

んとか災害は免れ、一安心したのも束の間、ティッシュを車から持ってくるのを忘れたことに気づいた。 そこのトイレは、いわゆるインドネシアスタイルのトイレで、手桶で水をすくっておしりをきれいにするんだ。 今でこそ上手にできるようになったが、その当時は、我が家では洋式トイレだったこともあり、インドネシアスタイルの「作法」がよくわからなかった。
とりあえず、T-シャツを除いて全部脱いで、いろんな角度から下半身に水を掛けまくった。 水できれいにしたはいいが、下半身がまるでシャワーを浴びたようにびしゃびしゃだ。 拭うものも何も持っていないので、しかたなく濡れたまま下着とジーンズを身に付け、何事もなかったように帰路についた。

かし、このおかげで、一つ好い習慣が身に付いた。 我が家では、もう5年間くらいトイレットペーパーを購入したことがない。家族3人とも、トイレ作法はインドネシアスタイルに倣っている。 今では逆にペーパーを使うことに抵抗を感じるほどだ。


見習うべきことは、なにもトイレ作法のような行動上の習慣だけでなく、事象に対する考え方の習慣にもありそうな気がする。

(2005.8.30)

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