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バ リ島在住のAさん(日本人男性)は、インドネシア人女性を妻とし、子供もいる。彼は常に「陽」の気を放っており、会うといつもお互いの「ずっこけ話」
で盛り上がり、笑うことによって僕も元気をもらうんだ。
そのAさんの家にお邪魔したときのこと。
ひとしきり話を終えた頃、彼が「ラーメンでも食おうか?」と嬉しい提案をしてくれる。早速、彼がお手伝いさんに言い付け、ラーメン二人前が運ばれてきた。
そのラーメンを見て思わず笑ってしまった。ラーメンそのものは普通なのだが、食べる手段が箸でもなくフォークでもなく、スプーンなんだ。
移住当初、屋台の麺屋(ミーアヤム)に行った時のこと、渡されたどんぶりにスプーンしか入っていないので、不思議に思い、周りを見回したところ、皆、麺をスプーンだけで食べているではないか。
えっ?スプーンで食べるの?
ちょっとこれは経験したことの無い人には、想像が難しいかも知れないが、慣れてしまうと、フォークよりもスプーンの方が、具やスープのことを考えると実は便利なんだ。
と言っても、レストランや、気の利いた屋台では、フォークとスプーン、この 両方が揃っているのが普通だ。ただ、今までの経験から言うと、デンパサールから離れれば離れるほど、麺屋の屋台はスプーンだけというところが多くなってくる。
Aさんは、至極自然にスプーンだけでラーメンを食べ始めた。僕は、日本人二人が(箸があるにもかかわらず)スプーンでラーメンを食べている姿に笑ってしまい、それを彼に指摘したところ、
えっ?あっほんまや。わしらスプーンで食うてる。
僕らはそれを不自然に思わないくらい、既に習慣化されてしまっている。 きっとこういった作法以外でも、長く住んでいるうちに、物事の捉え方、また 人生観なども知らず知らずのうちに感化されているのかもしれない。
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