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数週間前の国際ニュース欄に次のような記事があった。
アメリカの通商代表が、中国に対し、著作権を無視した商品製造に対しての取締り強化を迫ったとの事。これは今に始まったことではなく、過去何度もアメリカからだけでなく、日本からも繰り返され注意を促してきたことだ。中国側の言い訳が振るっている。平たく言えばこんな感じかな、
「こっちだって一所懸命やってんだ。この一年で海賊版DVDも数億枚押収処分したんだぞ!摘発しても次から次へと新手が現れて、追いつかねぇんだ。あんまし怒んなよ。」
これじゃぁ親に怒られた子供の言い訳だ。
インドネシアでも、多くの中国製コピー商品が氾濫している。
電化製品だけでなく、バイク、衣料、ブランド衣料、キャラクターグッズなどなど。
我が家でも最近、中国製電気湯沸し/保温ポット(魔法瓶)を購入したのだが、これも分かりやすいコピーだ。ロゴは日本の「象印」社とまったく同じ象のマーク。ただ、名前は「ZOJIRUSHI」ではなく「ELEPHANT」となっている。ちなみに値段は約3000円。
我が家も中国製の海賊版CDやDVDにいつもお世話になっているんだ。洋画がほとんどだが、中には日本の話題作もある。我が家でも最近、「ハウルの動く城」や「亡国のイージス」などを楽しませてもらった。なにせCDでもDVDでも全て一枚約130円。正規品には申し訳ないが、この価格は魅力的すぎる。
CDなどはもちろん歌詞カードなどないがインターネットで検索すればすぐに手に入る。
数週間前、いつも購入している海賊版ショップに目当てのCDを探しに向かったところ、突然閉店しているではないか。あんなに繁盛していたのにどうして?
その時は、ただ店舗契約が切れて閉店したのだろうと思い、海賊版を扱う他のショップに行ったところ、そこもシャッターを下ろしている。
あれ???どうしちゃったのかな?
そこで僕は、はじめて先の米通商代表の言葉と海賊版ショップの突然の閉店とがつながった。まさかインドネシアまで影響を及ぶとは・・・・。
もうあの安いDVDが手に入らないのか・・・と僕が落胆していると、バリ人の友人は、そのうちまた開店されるから心配ないよ、と楽観的だ。
しかし少なくとも数ヶ月間は海賊版店はおとなしくしていなければならないだろう。と思っていたら、あの閉店騒ぎの10日後くらいに皆一斉に何もなかったように以前と同様にショップを再開したんだ。
さすがインドネシア!喉もと過ぎる前に熱さを忘れてしまうんだ。
早速、僕はお目当ての音楽CDを求めに行った。求めるのは二枚のCD。
一つはギプシーキングが歌う「My Way」。この曲そのものは、おじさんカラオケの定番で、カラオケ屋でお勘定も間近に迫った時点で歌うのが普通だ(本当か?)。
布施明のMy Way も良いが、このラテンのアレンジで歌われるこれがまたカッコいいんだ。FMで聴いてから是非 手に入れたいと思っていた一枚だ。
ジプシーキングのアルバムCDが数枚見つかり、曲目をチェックしてみたが、「My Way」は見当たらない。それもそのはず、これはラテンなので、曲名が全てスペイン語(?)か何かで記されている。仕方が無いので一曲づつ試聴しながら確かめていったところ、10曲目くらいでヒット!やったぁあったぁ!
曲名は「A Mi Manera」というそうだ。
そして欲しいもう一曲は、娘(中一)からの依頼だ。
1980年代にディスコでよくかかった曲だが、僕は曲名やアーティスト名を知らない。しかしこの曲は何度もリメイクされているので、老若男女問わず知っているに違いないと判断した僕は、恥をしのんで、店員に僕の生歌で判断してCDを探してもらうことにした。
僕は自信を持ってサビの部分から歌い始める。
♪I love you baby・・・・・・♪
店員のお姉ちゃんは眉をしかめながら
「もう一回歌って、よく聴き取れない!」
それもそのはず、店内には大音量でハウスミュージックがかかっている。
僕もその音量に負けじと、お姉ちゃんの耳元でより大きな声で再度歌い始めた。すると、突然店内の音楽が止み、僕の濁声だけが取り残されてしまった。恥ずかしいじゃねぇかよ!皆んな大笑いだ。
お姉ちゃんも笑いながら
「あっ!その曲知ってる。でもそんな古い曲もう置いてない」だって。
(Boys Town Gang の歌う"Can't Take My Eyes off You"と言う曲らしい)
ちぇっ!なんだよ。僕の努力は報われなかった。
しかし、そこで曲名を教えてくれたので、これからは歌わなくても探せそうだ。
僕の海賊版購入癖はなくなりそうにない。
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