ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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第78話 I don't like Japanese BackNext

「I don't like Japanese!」

運転する友人のクトゥ(バリ人男性)が助手席に座っている僕に対し、怒りながら言い放った。 日本人の僕に向かって、ずいぶんな言い方じゃないか。僕も思わず眉をしかめる。クトゥとも付き合いは長い。こんな失礼な言い方をするような男とは思いもしなかったが・・・僕は不愉快な気持ちを隠そうとせず理由を質してみた。

「知らないのか?奴らはバリ島に来て、悪いことばかりやってるじゃないか! バリ人は皆、怒っているよ。」

えっそうなの?そんなに日本人が悪いことばかりしてるのか? 犯罪に巻き込まれる日本人の話はたまに聞くが、その逆は聞いたことがない。

「俺はそうは思わないけど・・・。中には犯罪を犯すJapaneseもいるかも知 れない。しかし、いたとしてもそれはごく少数だろ。」

すると突然クトゥが笑い始めた。何が可笑しいんだよ。

「It's not Japanese, but Jawanese!」


ンドネシアは30州近くからなる群島国家だ。中でもバリ州は他の州から比べれば、比較的裕福な方だと言える。そのため、他の島から、特にジャワ島 から仕事を求めて流入してくる人たちが多い。その中には、バリ島での犯罪を目的とする来島者もいる。

ただ、他島からの移住者の名誉のために言えば、あたりまえだが、決してそのような人間ばかりではない。宗教は違ってもお互いを尊重し合い、上手に近隣と、また企業内で共存している人もたくさんいる。異宗教の間でも結婚するケースだって多々ある。十把一絡げに考えるのは大変に危険だ。 観光業に多く依存しているバリ人にとって、バリ島外の人間による度重なるテロなどによって人命が脅かされ、生活にも影響が出ているという現実の中 だと、どうしてもそのストレスの矛先が他民族に向けられがちになる。そういった思いは内に秘められているので、外からでは、特に僕ら外国人からではなかなか分からない。

クトゥの非難は続く、

「ジャワ人は、俺たちの土地(バリ島)に来て、自分たちの金儲けのことし か考えていない。」

となかなか手厳しい。 反対に、バリ島に移住してきた他島出身の人はどう思っているのだろうか。 バリ島に移り住んで10年になるジャワ人の知人が、何かの折に嘆いていた。

「バリ人から土地を買うのは大変だ。バリ人が買うのに比べ、相当高くなってしまう。僕たちジャワ人はバリ島では外国人扱いのようだ。バリ人の金に対する執着には辟易する。」

興味深いことに、お互いの不満の向く先が、 「自分たちのカネ儲けのことばかり考えて!」ということで一致している。

それを聞いて、もう20年以上前に日本で観た、あるTV番組を思い出した。その番組では、レポーターが東京と大阪の小学校にそれぞれ出向き、そこの男子生徒に、互い(東京、大阪)のどこが一番嫌いなのかをアンケートするという、とても大の大人が小学生に訊く質問とは思えない内容だったが、結果を知りたくてTVを観続けてしまった。アンケートの結果、おもしろいことに、嫌いな理由の一位は、お互いに同じだったんだ。

「あいつらは、自分らの方が偉いと思っている。」

まさに『相手は自分自身を映す鏡』だな。
皆、自分たちの方が『正しく』、自分たちの方が『優れている』と考えがちだ。そういえば、中国もインドネシア同様、多くの民族がそれぞれ違った文化、言語を持ちつつ「省」で統合されている。そして特に北(北京)と南 (広東)はライバル意識が強く、何かにつけてお互いを中傷し、自分たちが如何に『優れている』かを喧伝しあっていることを思い出した。 この自分たちの方が『優れている』という響きは、時に甘美で、時に危険だ。

我々、男の方が・・・

我々の政党の方が・・・

我々の民族の方が・・・

我々の国家の方が・・・

そして、優れているが故に全て許されると思い違いをし、相手を省みなくなってしまう。それが個人レベルの認識から国家レベルになったとき、その先には悲劇が待っていることは、多くの歴史が証明している。

日友人から借りたDVD映画「華氏911」(ブッシュ大統領主演)を観て、人類の精神性は益々後退していっているのではないかと落ち込んでしまった。自分たちが『正しい』、『優れている』と勝手に思い込んでいる人間は、何をしてもいいのか?

この映画で言っている事を100%サポートするつもりはないが、それにしても世界をリードするアメリカがあまりに幼稚で・・・・。ただ、こういっ た映画の上映が許されるアメリカという国も大したものだと妙に感心し、 逆に希望が湧いてきてしまった。

(2006.7.11)

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