|
どういったわけか、バリ島に在住している外国人は、スピリチュアルなことに興味を持っている人が非常に多い。在住日本人もしかり。バリ島に移住してスピリチュアルなことに目覚めるのか、スピリチュアルが故にバリ島に魅かれて移住するのか分からないが。そういった精神性を求める外国人を満足させるため、このところ、バリ島では「ヨガ」や「瞑想」といった教室が増えてきた。
僕も人並み以上にニューエイジ的な考えに興味はあったので、それに関連するヨガにも関心は少なからずあった。しかし教室が遠いということと、生来の面倒くさがり屋な性格なため、そういった教室とは縁がなかった。
ところが、最近、近所にできたスーパーの上階でヨガ教室が始まったという。近しい日本人友人が最近ヨガを始めて、心身ともに健康になっていくようだ、と言う話を聞いたものだから、それに押されて、まずは試してみようということで夫婦で初めてトライした。
日曜、朝7時。建って間もない新築のビルの4階にある、そのヨガ教室に向かった。外からの朝の陽の光りをふんだんに取り入れたその部屋には、程よいエアコンが効き、ヒーリング音楽がBOSEのスピーカーから流れている。既に、心地よい「エネルギー」がこの部屋には充満しているような気がしてくる。
教えてくれる先生の風貌は、僕が想像していた、山奥から出てきたちょっと初老な髯を蓄えた「達人」のイメージとはほど遠く、非常に好青年な、どちらかと言えば「体操のお兄さん」といった爽やか系だ。
その日の生徒は、僕ら夫婦も含め8人。用意されたヨガマットの上で先生のポーズと呼吸を真似る。とりあえず、オナラをしないように気をつけよう。
始まって１０分も経たなうちに大粒の汗が滴りはじめる。
「こんなにきついのヨガって。」
まだ８０分も残っているじゃん！失敗したなぁ。今キャンセルしたらお金返してくれないかな、などとセコい考えが頭をよぎる。
周りを見回すと、僕ら夫婦以外の生徒は皆、驚くほど上手なんだ。体の柔軟さ、バランス感覚といい、先生とほとんど一緒だ。僕は頭だけでなく体も硬い。柔軟なのは意思だけだ。
後から知ったことだが、その日はオープンクラスで初心者も参加できるのだが、どちらかと言えば、上級者が多い日だったんだ。そんな中、僕よりもはるかに柔軟な体を持つカミさんは、一所懸命についていっている。このクラスでは完全に「みそっかす」であると知った僕は、40分を経過したところでダウン。一人で勝手にマットの上で休憩に入った。
仰向けに寝転がり、ちょっと目を閉じたら、癒し系音楽と、ほどよいクーラーが寝不足ぎみの僕を睡眠へといざなう。しばらくして、カミさんから「真面目にやりなさい！」と起こされ、しぶしぶ続ける。
レッスンが終わってから気が付いたのだが、周りの上手い生徒たちの中に4人も在住の日本人女性たちがいた。僕は、てっきりリッチな華系インドネシアのマダムとばっかり思っていたので驚いてしまった。既に在住10年以上の先輩ばかりで、そのせいか、皆、既に日本人としてのオーラを放っていないんだ。
「最初はあまり無理せず、少しずつやっていったらいいのよ。」
とアドバイスを頂くが、僕はその『少しずつ』というのがどうも苦手だ。
僕と違って、レッスンを真面目に受けたカミさんは、帰宅してから首の痛みを訴える。そして、いつもお世話になっている日本人のカイロプラクティックの先生をところへ行き、治療して頂いた。
しかし、医者いらずの体を作るために、ヨガを習い始めたにもかかわらず、逆に医者にかかってしまうとは本末転倒だな。それでもカミさんは、ヨガから何か得るものが多いらしく、しばらく教室に通いたいという。それはとてもいいことだ、無理せず頑張ってください。
僕は、もう今回ので充分だ。やっぱり『ラジオ体操第一』が一番体にあっていそうだ。
|
Back｜Next
|
格安国際電話
インドネシアまで20円/分
ジャカルタなら11円/分
|
