ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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塀に車が!

第89話 挨拶 BackNext

本では社会人として、初対面の人との挨拶は、名刺交換が基本だ。前準備がなく、いきなり挨拶しなければならないときなど、名刺を入れてあるポケットがどこだかわかならくなり、特に社会的地位が高い人との挨拶などとなるとあせりまくる。やっと見つかったと思ったら名刺の角が折れ曲がったものしかなかったりして恥をかく。日本での初対面の名刺交換という儀式は重要だ。


ここバリ島では、もちろん仕事をする人は名刺を持つが、最初の挨拶は、名刺交換よりも、まず『握手』だ。
日本であれば、初対面でいきなり握手をしてくる人は、少ないだろう。そういう状況があったとしても、手は年長者から差し伸べられるべきもので、逆に年長者に向かって握手を求めることは日本ではご法度だ。日本人で握手好きの人もいるが、どちらかというと、体育会系の人が多いような気がする。

「君が○○君か。これからもよろしく!」

と言われて、ガシっと、ごつい手で握手されると、何となく気恥ずかしい気持ちにさせられ、あまり僕は日本人同士の初対面の『握手』が好きではない。

、想い出すと、移住当初、学校で初対面の先生と挨拶するときなど、まずは握手からだった。移住当初は、そういったことに慣れていなかったので、相手がニコニコしながら、手を前に差し出したとき、それが握手を求めていることとは察しがつかなかった。慌てて気づいて自分の右手を差し出したときは、既に相手は、僕が握手をしないものだと判断して手を引っ込めはじめている。そして今度は僕がそれに気づきまた手を引っ込め、相手がもう一度差し出し、というように、ぎこちないロボットのような動作になってしまい、顔まで引きつってくる。

それを反省し、それからは、しっかり自分から手を差し出して『握手』をするようにしよう、と心がけた。

すぐにその機会は訪れた。前の反省を踏まえ、今度は相手の手を硬く握り締め、さらに左手まで添え、あろうことか上下に手を振り回し、

「はじめまして、私はヒロです!」

と日本流にお辞儀まで加えて挨拶をした。これだけ丁寧にすれば100点満点だろう。しかし、相手は微笑んでいるのだが、ちょっと困惑した表情も見受けられる。どうして?

こちらの『握手』は、日本のように、親指の付け根部分のV字が重なり合うような深い握手ではない。そっと親指と他の四指で相手の手をつまむようにするんだ。触れている時間は1〜2秒くらいかな。また、僕がしたような左手を添えて握った相手の手を上下に振り回すことなど、言語道断だ。


ンパサールの空港の出口というミーティングポイントにいると、いろんな想像を掻き立てられる光景に出会う。出口から出てきた人は、不安そうに目的の人を探し始め、そして見つかったときの行動に、両者の間柄や、お国柄が垣間見れるので興味深い。

しばしハグする人、相好を崩してきつく握手する人、肩を叩き合う人、頬に軽くキスする人、チーク・キスをする人・・・・

いずれにしても皆、出会えたことに喜んで上気している人がほとんどだ。見ていて気持ちが好い。僕も目的の人が出てくるまで、そういった光景を眺めながら、その両者の間柄を想像しては楽しんでいる。

ある日、日本人の若い女性が出口から一人で出てきたときに、出迎えた日本人の中年のおじさんが、笑顔で彼女に近付いていった。そして二人は笑顔で慣れた仕草でチークキスをしたんだ。左頬そして右頬とリズムも軽やかに。

「こらぁー!お前たち日本人だろ!そんな挨拶の仕方、日本にはねぇぞ!」

ったく皆の前でカッコつけやがって、と自分ができないもんだから、ひがんでしまう。


リ島で、挨拶の握手もろくに上手くできなかった僕が、チークキスが普通の南米なんかにいったらどうなっちゃうのだろうか。自然な笑顔などを作りながらできそうにない。相当緊張しそうだ。

右頬から?それとも左からか? 相手が右にフェイントをかけていきなり左頬というのもあるかもしれない。そうしたら鼻がぶつかるなぁ。

うまくできればカッコいいが、こういう『挨拶』というのは、その人間全てを判断されてしまうようで、失敗するのが怖い。だから僕は、『挨拶』の仕方に悩んだときは、「気をつけ」の姿勢からお辞儀をする日本流で通すんだ。それが一番自信のあるやり方なんだな。

ちなみに、感謝するときは、これまた日本流に合掌のポーズだ。このポーズはヒンドゥーでも一緒だからバリ島では大変に有効なんだ。今ではこの合掌ポーズだけは難なくできるようになった。

(2007.7.18)

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