ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
バリ島
バリ島ずっこけ物語 コンテンツ
HOME
バリ島ずっこけ物語
ずっこけ男バイクでGO!
バリ島両替所案内
インドネシア語
リンク
格安国際電話
メール


インドネシアまで20円/分、ジャカルタなら11円/分の格安国際電話

リンク用バナー ご自由にお使い下さい。

Bright Ocean
バリ島コスメの専門店
品揃えが豊富!





第96話 さて、どうすっか? その3 BackNext

リ島には、多くの外国からの教育関係者が、タッグを組んで自国への留学勧誘のプロモーションに頻繁に訪れる。彼らはバリ島だけでなく、インドネシアの主要都市(ジャカルタ、バンドゥン、スラバヤなど)でも説明会を開いた後、他のアジアの国や中東の国へと旅立つ。ただ、彼らの訪問する国には日本は含まれていないようだ。

ある日、留学斡旋会社V社より娘に電話があり、A国の留学関係者に個人的に是非会ってみないかと誘われる。娘の希望する進路をよく知っているV社が、A国には娘に適した学校があると判断し、わざわざセッティングしてくれた。

私たちは質問を予め箇条書きにし、そして娘の過去の作品を携えて家族三人で向かった。そこで出会ったのが、その先ずっとお世話になる、白髪の紳士P氏だ。
P氏は、娘の話をよく聞いた上で、A国で学ぶメリットや、その卒業後の拡がる可能性をお話しして下さった。
何だかロマンがかきたてられるなぁ。
30分ほどの面談の後、P氏は娘の作品を自国のアート学校の教授に見せたいというので、P氏のフラッシュディスクに取り込んでお渡しした。

そして二週間ほど経ったある日、P氏よりメールが届く。

「教授にあなたの作品をみせたところ、非常に興味を示した。是非一度学校見学にきてはどうか?」

有り難い提案だ。”教授が興味を示した”というのが、どの程度の興味レベルなのかはわからないが、教授に作品を見せてくれただけでも感謝だ。
その後、何回かメールを交わしているうちに、娘の気持ちは徐々にA国へと傾いて行く。

じゃ、見学しに行っちゃう?

百聞は一見にしかずだ。ただ、家族三人で行くには経費がかかりすぎる。航空チケット代とホテル代だけでも大変だ。
ということで娘一人で行かせることに。

校三年生に上がる直前の一ヶ月の休みを利用し、娘は初めて自分一人で旅に出ることになった。
P氏は、渡航スケジュールに合わせ、娘が希望している学校と連絡をとり、二日間の体験授業や教授面接ができるようにセッティングしてくれていた。P氏ご夫妻から宿泊のために自宅を提供して頂いたが、それには甘えず、予めネットでホテルは予約した。

一般の生徒と一緒に授業を受けさせてもらったその日の晩、娘から興奮気味のメールが入る。

「自分が、今までやりたくても、忙しくてできなかったことが勉強できるなんて最高!」

「先輩学生は皆、すごくオープンマインドで、授業での共同作業も一緒にやることができて、とっても楽しかった」

「みんなから adventurous girl とひやかされたよ。」

「どの教室にも、生徒一人に一台、iMacがあるんだよ」

「お昼は教授に回転寿司でおごってもらったよ。まさかここで寿司を食べるとは。」

「街にもいろんな国の人がいて、自分が浮いている感じがしない。街並みもきれいでとても気に入った。」

***

授との面接においては、持参した自分のポートフォリオ(スキルとセンスが判断される作品集)を見せ、ノートパソコンで実演し終わったあと、教授より「来年の君の席は確保しておく」という有り難い言葉を頂いた。でも高校卒業までその時点ではまだ一年もあるし、まだA国に進路が決まった訳ではないんだ。

娘一人を親元を離れて学校に通わせるのに、学校選定する以上に、その住む地(家)の安全性が、進路に大きな影響を与える。僕が日本への進学を推していたのは、そういった安全性に大きな意味があったんだ。
娘も気に入った京都の大学であれば、親しい友人宅も近いし、病気などになったときに、お世話にならないにしても近所にいてくれる、というだけで親としては安心だ。

A国に滞在中、娘は何度かP氏宅にお邪魔し、そこのゴールデンリトルリバーの散歩に付き合い、夕食までご馳走になってしまっていた。奥様はフランス語の現役の高校教師で、三人の子供は既に社会人として独立し、家を離れている。

「君さえよければ、ここにホームステイしても構わないよ。ワイフもスキッパー(犬)も同意してる。空いている子供たちの部屋を使ってくれればいい。ちょっと学校までは遠いが徒歩でいける距離だよ。」

何て有り難い提案なんだ。P氏ご夫妻の家であれば、安心この上ない。もうこの時点で、娘は自分の方向性をこの国に決定していた。

今回のこの旅行では、僕はほとんど手助けしていない。航空チケットとホテルの予約を手伝ったくらいだ。親が行ったことも無い国で、そこの気候や文化に触れ、学校の雰囲気を感じ取り、そしてその国の家庭にお邪魔し、と短期間に様々なことを経験し、また吸収して来た。

また一つ大人になったね。

****

この文章を書いている今は、2011年の4月。
2ヶ月後の6月にはバリ島の高校を卒業し、そのままA国への進学が決定している。

A国で大いに勉強し、大いに遊び、そしてさらなるネットワークを構築し、より豊かな人生を!
と切に願わずにはいられない。

(おしまい)


(2011.5.13)

Bright Ocean バリ島コスメの専門店 品揃えが豊富!
http://www.bright-ocean.net/


 



BackNext


格安国際電話
インドネシアまで20円/分、ジャカルタなら11円/分の格安国際電話
インドネシアまで20円/分
ジャカルタなら11円/分






 




Copyright© Estate All Rights Reserved.