まけずの鍔本舗『万吾樓』は地元では自家製餡の店として知られています。
さて、自家製餡とは?みなさん、わかりますか?
― それは炊き上がったあんこではなく、炊く前の『生餡の取り方』を言います。
和菓子のあんこには粒あんとこしあんがありますが、
こしあんの生餡を自前で取ることを自家製餡と言うのです。
『自家製餡』は、前日に豆の水漬け、当日は朝早くから、豆の水洗い、煮炊き、煮上がった豆の皮をむき、水さらしを丹念に行い、豆のあくと不純物を取り、絞り上げれば、『自家製生餡』の出来上がりです。
この生餡はすぐに変質しやすいので、風味の変わらないうちに手早く砂糖等と混ぜ炊き上げることが大事なのです。 これは自家製餡の店にしか出来ないことなのです。
たいへん、手間のいる作業ですが、その分、他店にはない独自の、安全で、おいしいあんこが取れます。
私の住んでる安土は、鈴鹿山系からの湧水に恵まれ、その豊富な地下水をふんだんに使って、昔ながらの自家製餡を続けています。
近年は、製餡業者の生餡を使っているお店がほとんどで、県内でも自家製餡をしているお店は数少なくなりました。
それだけに、伝統を守り、人をもてなす和菓子の心を伝えるべく、これからも自家製餡にこだわっていきたいと思います。
『和菓子の命は自家製餡 ― その決め手は、おいしい地下水』と言っても過言ではないでしょう。
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