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かわら版
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かわら版 2005.Jan

 エッセイ ゼロからの出発

 

2005年

謹賀新年



  

今年で、42歳になる。
いろんなことが、齢を重ねるごとに起こる。
でも良いことが起こる比率は、年々小さくなっていくような気がする。
それでも去年は、良いことが一つあった。

◆◆◆

フリークライミングでの、自己MAXグレードの更新である。
春から始めたしつこいトライのおかげか、年の暮れになんとかR.Pできた。
時間回数ともに掛ったが、課題から逃げることなくトライし、結果満足のいくものとなった。
TOPをホールドしアンカーにクリップした瞬間、
「オレは、ようがんばった!」と、自分に声をかけその労をねぎらった。

雄叫びもガッツポーズもいらない、静かなR.Pだった。
「うれしい」という念いに満ちあふれた、幸せな時間だった。
クライミングは、こんなにも素晴らしい感動を自分に与えてくれる。
クライミングしていて良かった、と思える瞬間である。

◆◆◆

でも昨年は、良いことばかりでもなかった。
あの暑かった夏の最中「ギックリ腰」という名の怪我が、激痛と共に私を襲った。
なんとか養生して、なんとかリハビリして、騙しダマし体を動かしてきた。
トレーニングに「ヨーガ」を取り入れ、体は一見順調な回復をみせた。
「完治」のゴールも、間近かと感じていた。

しかし、暮れも差し迫った12月29日、私の腰は「ふりだし」に戻った。

左側腰下部〜臀部にかけた鈍い痛みは、正月の間中続いた。
たいしたことはないだろう、と高を括って行ったゲレンデスキーで、
この弱った筋肉はついに音を上げ、私は痛みで悲鳴を上げた。
この痛み方は、おそらく肉離れであろうと察する。
そうであれば、ひと月間は無理出来ない。

◆◆◆

どうやら私は年明けより、大きな課題を自ら課してしまったようだ。
動きたい心と体を抑えて、まず静養し怪我の回復を待つ。
その後は、計画的なリハビリとトレーニングを行い、体をつくり直していかねばなるまい。

長くつらい冬になりそうだ。

しかし、年令からみてここは踏ん張りどころなのかもしれない。
心とからだを開放してくれるあのすばらしい世界にもどるため、すべてを見直しつくり直そう。

私はこれを、己のさらなる進化のためへの
「ゼロからの出発」としよう。