日々、在りしことども



雨月三十日

雨月二十九日
昨夕のことだがケイバー(洞窟マニア)東氏より電話を頂く。曰く、『米原の方にも洞窟があるらしい。で俺、明日は午後から休み』そのよな実に解りやすい経緯によって、以下とあいなった。

『ちなみに服装は前のと同じでいいのか?』
『ああ、あれで十分。けど、この前の洞窟と違って確実に汚れるから。――あと、季節が季節だから山蛭は覚悟しておくこと』
『……』
『エアーサロンパスが効くけど、それでもそのうち効果はなくなるし……山の達人辺りになると「塩が一番」とか言って塩水浸した布を長靴に巻くだけで済ませたりもするけどな』

ヘタレな自分は必死にガムテープで長靴とズボンを一括りにし、恐怖に震えつついざ突貫。
途中、雰囲気の良い八幡神社などに詣でつつも、更に山奥へ。だが、彼の狙っていた洞窟(道より約三分、入り口より水が流れ出している)はなかなか見つからない。
『詳しい資料とかないのか?』
『いや、あるにはあるんだ。――ホレ、この研究報告書』
渡された冊子は成程、確かに地図こそ大まかなものの、洞窟内部に関しては図もある立派なもので――
『……1884って』
『二十年以上昔だな』
『埋まったんじゃないか?』

とりあえず、資料で次にナンバリングされている洞窟を発見。複数続いているので、こちらに先に潜ろうという話になる。
まずは道路右斜面にある大きな洞窟へ。なかなか冷えており、入り口付近で蝙蝠に遭遇しつつ、奥へ上へと潜ってゆく。
続いて向かい側、道路と小川を渡った先にある小さな穴と、隣の、上で再び外へ出られる縦穴へと挑む。
後者は、薄く積もった天然腐葉土が滝清水のように足の裏から流れ落ちる。入り口付近から、頭上高みの光の出口をぼんやりと眺めたり、『落!(ラク。落石がいったぞという警告)』なる言葉を教わりつつ、なんとか山腹へと出る。しかし足場が悪いので、もう一度洞窟を降りて戻る。
そのまま再び道路右斜面へ。今度は草深い中を上り、洞窟二つ――片方は入り口が八の字状に上下に二つ空いている――へと侵入。この頃になるとすっかり這ったり無茶な侵入を挑んでいたせいで、東氏のつなぎが再起不能となりつつあった。つなぎというのは、使い捨てにするような類のものではなかったと思うのだが。

計五個。結局、そこで私の体力も切れ、本日はここまでということになる。
――諦め切れぬ東氏が、上半身Tシャツと言う軽装でマシラの如く山斜面を駆け上がり、問題の洞窟を探し続けたり、車での帰路、赤い雉を見つけ声をあげた私に、『何だ、アッとか言うから洞窟でもあったのかと思ったじゃないか』『……お前の頭には穴しかないのか』『当然。面倒くさがらず、ちゃんと探してくれよ』と、My洞窟を求めて止まぬケイバーの生き様を垣間見たり、まあ総評としてえらくきつかったが、それなりに楽しい半日であった。

帰宅後、体重計の針が久々に見る場所まで戻っていた。道理で、休みの度にあんなことを繰り返している奴はガリガリな訳だと、水分補給しつつ納得す。



追:ほか、健康について二つほど思うところのあった日。
雨月二十五日
不平不満ばかり連ねる昨今。

amazonだが、結局まだ品物は送られてこない。それどころか、サイトを覗けば 品切れ風だった商品そのものも、『二十四時間以内に発送』とふざけた表記に変わっている。
電話で問い詰めたところ、『発送ミスの方はシステム上の関係で……その、何時届くとはとは申し上げられません……ええ、解約して再注文して頂いた方が早いということも……』

半月以上前に予約して。
金だけ取られて音沙汰なし。
電話メールで発送ミスだと確かめさせて。
彼是十日ほど待ち続けて。
再注文すらこっちでやれと?

ふざけるな。そういうのをネット詐欺とか欠陥システムとか言うんだよ。


とりあえず、もう一度amazonに頼んでやった。ここまで来ると顛末を確かめない訳にはいかない。
被害届けは警察で、苦情相談は消費者センターだったか。システムだのなんだのでザル商売が誤魔化せると思っているなら、それ相応の報いを受けろ。
雨月二十四日
昨晩の寝酒だが、純米で無いのに意外にも旨かった。
雨月二十三日
さて、先日の雑記で書いた町長への暴行事件だが、どうやら逮捕されたのは旧当町の 人間らしい。合併相手町を揶揄するような表現をしたことを、一部訂正してお詫びする。
――怪文書に同和利権、公共工事地元入札で予定価格の99%落札の連続という奇跡等に関しては、まだ微塵も省みるような必要は感じぬが。

図書館へ赴く。前回本を借りたのは、冬だか秋だかの境目ぐらいだったような気がする。
我ながら、よくここまで返却を誤魔化したものだ。
ざっと眺めて、馬鹿ミステリーや怪談ものを何冊か積んで帰る。軽い心持ちでしばらくは活字に耽りたい。

夕、前に一度だけ入った地元の酒屋に足を運ぶ。案の定、冷暗所にマイナーな安い地酒が幾本か。狭い店内をよく見れば、商売と言うより随分趣味的な酒屋である。
こういう雰囲気もまた良いものだ。少々時期遅れだが『旭日』の絞り立て生酒を買い帰る。

つらつらと。本日以上。
雨月二十一日
とりあえず朝顔の植え替え。根を密集させるため黒ポットへと移す。
野菜不足か、ちょっと調子が悪い。栄養バランスを一日単位で考えず、きちんと三食それぞれで調整してみるか。
本日他多少雑事のみ。

追記。
製本キットとデンマーク。特に後者は、歴史や文明は同じような軌跡と発展をとげるという 根拠の無い思い込みに、軽い楔を打ち込んでくれた。情けなくも、大分自分は典型に囚われていたようだ。
自転車で出かける女王陛下に、自分の運転する車にヒッチハイカーを拾い乗せちまう国王陛下。――国王といってもそれぞれの国の歴史や文化、国民性があり、同じ言葉で括られていても同じ存在ではないのだろう。
一度世界中のソレを調べ比較してみるのも、面白いと思う。
雨月二十日
朝顔の双葉が次々芽吹く。小鉢に育てて吊るしてみようか、葉や蔓先の摘み取りなんかもやってみようかと、思いつくまま先を想像し楽しむ。

本日の一言:amazonの馬鹿。連中のいう二十四時間が一週間になるのか十日を越えるか、 憎悪の小石を河原に積み上げ、待つ。
通販で幾度かトラブルに合ったが、現時点ではここの対応が一番下でのろい。
以上、本日個人的な愚痴にて。
雨月十九日
信じていたよ朝顔達!

『十九世紀イギリスの日常生活』読了。資料本として図書館で借りたもの。
読み易く解り易い一冊であったが、何故か興が乗らず今までかかった。
しかしこれで、ようやく半年以上期限切れで借りっ放しだった本が返せる。
これで、新しい本が五冊でも十冊でも運べるだけ借りられる。

まだ、ブラックリストに載っていなければ、だが。
雨月十七日
初めて胃癌検診とやらを受ける。前日から十二時間は胃に何も入れるなといわれ、 茶も酒も断って本日早朝。

感想:こんなに激しいものだとは思いませんでした。

胃を膨らませるための炭酸を飲んでバリウム飲んで――いざ、撮影。
直後、中断して出てくる技師。『もう半杯、炭酸いっときましょう』
半円筒の台の上、斜めに身を任せ、ハイ、体左上げてぇ、右上げてぇ、そのままぐるっとまわってぇ、手摺しっかり掴んで下さい、ハイ逆立ちいきまぁす。じゃ、もう一度今度は右上げてぇ……

人間振って遊んでいるんじゃないかと軽い疑心を抱く。
帰宅後、軽い食事と水分の摂取。空腹は、むしろ体が軽い錯覚を覚えるほどなのだが、節水の方は 何やら禁断症状っぽい感じで、昨晩は寝辛く苦しんだ。

今日のレントゲン写真に、水車とか水力発電の食道タービンが写っているに、一ギニー。
雨月十六日
朝顔の種を植える。先年、とっておいたのに幾つか買ってきたものを混ぜ、今年は雨樋まで 幾本かロープを張って、座敷の南側に影を作ろうかと考えている。
以下、素人考え適当園芸の結果。

種の外皮を軽く傷付け、一晩水に浸け発芽率を上げる。→容器の中で早くも根が。
慌てて小雨の中、発泡スチロールの箱に土を詰めて植える。→水抜き穴を忘れてノアの洪水神話を再現。陸地が見えない。

――大丈夫、きっと何とかなる。
私は自然の生命力を信じている。それ以上に肥料の偉大さを信奉してもいるが。


さて。
以前、合併選挙に伴う当町の混乱を幾度か書いた。あれから順調に煮詰まりつつあるようなので、以下走り書き。
つい先日、苦情があると土木業者に町長が呼び出され、事務所で軽い暴行が会ったと警察新聞沙汰になる。議会の方も、色々しっちゃかめっちゃか。例の電波新聞は案の定、連絡先がでたらめであり、誹謗中傷そのものなので広告に折り込まないという話になったのに、地元では新版が配布されたとか。――是非に読みたい。
ついでにその新聞は前町長派○○議員が黒幕だと名指しで非難する者あり、土地買収に絡んで裁判だか監査請求に訴え出る者あり、まだまだ地元町政が落ち着く様子は微塵も欠片も全く無い。
確か、当町は隣町と合併したのであって、昭和初期の何処かと繋がったのではなかったはず。それとも、現実がこんなものだというのだろうか――有り得る。
一有権者としては、これからも嘲いながら推移を見守って生きたい。諦めたり目を逸らしたり、怒って疲れたら、色々駄目だ。

最後に、先日あったという町議の発言から。
別の町議と町職員が話し込んでいるのを見て、何を勘違いしたのやら。
『俺は部落出身だぞ』
『だからどうした』

流石は関西圏、突っ込みの切れは良い。

本日以上。
雨月十四日
蛍狩りと台湾ラーメン。

夜、蛍狩りに繰り出す。例年通り岩倉川は竹原付近の橋に繰り出すが、先日の雨もあってか姿はまばら。ただ、もう少し上流へと歩けば土手の草も刈ってあり、反面伸ばし放題の川岸の葦の狭間に、ゆらゆらと蛍火が。
気ままに歩き、立ち止まってはまた歩きする。

少々足を伸ばした近辺に台湾料理屋があり、以前から気になっていたのだが、何やら開店何周年祝いとやらで安くなっているとの広告を見て、足を運ぶ。
やはり茶飲みとしては飲茶、とまではいかなくても本場台湾の烏龍茶は味わいたいところ。台湾ラーメンを一つと、茶の有無を訊く。
『台湾のお茶を――烏龍茶とかあるかな?』
『冷たいの?』
目の前でグラスの半分ほどを氷で埋め、そこに注がれるどっからどう見ても黒っぽい普通の日本式烏龍茶。一口啜って、大体後の全てが予想できる。
見れば、台湾料理を名乗りながら棚に並んでいるのは全てコンビニにだって置いているあの紹興酒。
『はいお待チ』
――ラーメンの上に鶏挽肉と唐辛子とニラが散らしてあるだけ。色的には綺麗だネ、どれもこれも良く使う料理からちょろまかせば良い具材だネ、量も少ないネ、値段的にも激安ばっかりだネ、ほんと、良く考えてあるとは思うよ。――客の満足という一点を除いては。
ネギにしろもやしにしろ卵にしろ値段という点では同じく優等生だが、日本のあの偏執的とも言えるラーメン屋の拘りと、客から文句が飛んでこなけりゃ最低限いいのさぁといったものの間の、川レベルの隔たりをそこに見る。少なくとも渡るには橋が必要だ。
さっさと掻き込み、この近辺に腰を据えて本を読むことができる喫茶店かファミレスの類はなかったかと悩みつつ店を出る。
『有難うゴザイマシター。あと、すぐ来れるこの近く? 今、割引きカードを……』
『いや、まず来れない場所だから(心理的に)』
満面の笑顔で店を辞す。明らかな意思の誤疎通は、社会を滑らかに回す潤滑油。
――ものを食べ終えたばかりなのに、ここまで殺伐とした気持ちになるのも久し振りだなと感じつつ。

……まだ半分以上、本のページが残っている。紅茶一杯で数時間粘れる喫茶店は何処。
雨月十三日
『さんぴん茶』なる沖縄の茶をここのところ常飲している。茶葉袋裏面の原材料欄に書いてある通り 、まんまジャスミン茶。なかなかに味良く、冷めても美味。

沖縄といえば日本三大奇茶のぶくぶく茶やルードビア、泡盛にオリオンビールを連想するが、飲み物だけでもまだまだ奥があるようだ。悟ったような気になるべからず、本日以上。
雨月十一日
夜、近場で蛍を見る。
雨月 〜九日
『機神飛翔デモンベイン』一応、了。
語れば三十分ぐらいは良悪論じれると言いつつ、一時間を越えて語り止まぬ己の姿が目に浮かぶ。
3D格闘部分こそ、ゲームやっている全ての人間が好きなわけでも遣り込んでいるわけでもねぇと、 毒唾吐けるが、それでも総評として全くやって幸せだったデモンベインの続編物語。
熱さ馬鹿さは変わらぬまま。分量は、前作こそが異常だったとはいえ、やや少な目であるが、ファンディスクというよりエッセンスのように密度は濃かった。勿論、皆のアイドル、ドクター・ウエストの○○○○振りも健在である。
謎の少年『二闘流(トゥーソード。トゥーガン)』は以前脚本家氏のサイトでネタとして披露されていたため、発売前から正体は知れていた。故に、来たか! と拳を握り締めた自分は幸せなのか、それとも皆人のようにハラハラドキドキ胸を躍らせることの出来なかった分不幸なのか、今一つ結論できないところである。
シュリズベリィ先生が予想以上に格好良――てーか、最早人間じゃねぇ――かったり、マスターテリオンやミスター・ブシドーのように敵方も味わい深く、小説版に出てきた彼は脚本家の筆者氏に対する心酔具合を感じさせるような男前な見せ場しかなく、さりとて主人公九郎も『パーパ』発言に見られるよう誰よりも彼らしく、うむ、『萌え』と俗に称される可愛い女の子の大量配布に頼るのではなく、男が惚れられるような男、馬鹿で熱い拘りに生きる連中を連ねた、この後、二十年経ても名作と言える一品であった。

惜しむべくは、後半最終における『アナザー・ブラッド』の活躍の少なさ、そして二人のこれからの 物語が無いことであろうか。世界各地の偏見的とも言える狂った『ゲームルール』に支配されたそこで、 邪神の落書きの上、撒き散らされたゲームボードの数々のようなそれらを、一つ一つ巡っては越えて行く 彼等の物語は非常に興味をそそるのだが、どうにもその予定は無いようである。

何ともはや、勿体無い。

しかしまあ一作だけであれだけの世界(宇宙)を吐き出し、続編をここまでのものとして見せた。なら、至極残念ではあるが脚本化氏が次に吐き出す世界も是非見てみたい。
少なくとも、彼が私達を裏切ることはないだろう。『デモンベイン』という読者以上に裏切れぬものを産み出してしまった御仁なら。




さて、他この頃のことども。
図書館の書籍の返却差し押さえは未だ来ず。中には資料本として自費で購入してしまったものも あるというのに。
読まずに返すには魅力が有り過ぎ、さりとて強いてページをめくる強迫性に迫られぬ諸々。自室数箱分の積読といい、世界は微妙に私を苦しめる。

弐。――もっとも、壱とは名づけてないが。
ダイエットを行う。米・麺・パンといった主食を摂らず、空腹時に一時間以上ジョギングとも散歩ともつかぬものをし(体がぽかぽかしてきたら脂肪の燃焼が始まったと、更に限界に挑戦してみる)、納豆を主食としてみたところ、ごそっとキロが落ちる。
――しかし米と麺を喰わぬみちあきなど人間型の人形にすらあらず、酒や普段は手にもとらぬ板チョコ など、『禁欲はぎりぎりの限界で破るから最高なのさー』という新たな官能の目覚めの材料であり、とどのつまり、

旨めェ。

まあ、歩くのはそれで面白いし、旨い麦酒のため、僕はこれからも走り続けることであろう、きっと。

何となく、参。
麦畑が美しい。
麦秋の名の通り、初夏の今が見頃だが、一面の麦畑に向かい合い、この歳で初めて感じられる美しさがある。別に、若かりし頃は好きでも何でも無かったのに。
初夏の薄い青空の下、水面と短い稲苗、まだ赤味の足りない夕日、そして雑草をはぶかれた一面のくすんだ黄金の錦。

心理学においては、無意味な行為にこそ人は意味や快楽を見出すと証明されているという。
ならば、自分がつまらない一片の命の欠片に過ぎず生まれついたことを、今ここに感謝したい。
雨月四日
ビデオカードを換えた効果が早速現れる。
成程、画面が微細に波打っていたり、字が滲み欠けたり、じっと見詰めていると苦しく感じる 特殊効果はディスプレイが安物だったせいではなかったようだ。一言の反論とてないのをいいことに 申し訳ないことをした。
雨月三日
友人の結婚式に大阪まで。意外とこざっぱりした教会にて式。
真っ当なクリスチャンとしてのものだったので、過剰な演出は無く、真摯に執り行われる。
皆と共に祝福しつつ、初めて見る聖餅などに喜んでいる不謹慎者約一名。十字架真下のスペースなど、非常に興味をそそられた。

久々に見る顔など多く、古い友人の連れてきた娘さんなど、実に可愛らしいものであった。
皆と昼食の後、靴擦れと夏の暑さに辟易しつつ時間を潰して、二次会へ。 ゲームや会話で盛り上がる端で、のんびり酒と肴を楽しむ。
なお、若干の教訓。『キャンドルサービスの蝋燭の芯は新郎新婦が来るまでによく濡らしておけ』を 実行してみたが、本当にどうしようもなくなるようなので、次回からは控えたい。
お色直しをし、エスカレーターで出現する新郎新婦、何時ものノリで騒ぎ祝福する人々、顔見知りばかりの小さなパーティーであったが、その分、雰囲気は実に良かったように思う。

お幸せに、とは散々言ったし、ここで繰り返しても意味は無かろう。あの御仁達は勝手に幸せになっていくタイプの人間だと思う。

久々に人を祝うのも良きかなと思いし日。
雨月一日
下校途中とおぼしき子供達が、お揃いの小さなリボン付きの麦藁帽をしていた。 姉妹だったり、仲の良い友達同士だったりするのかもしれないが、紫外線の強すぎるこの頃、 学校指定だとすると実に良い趣味をした制帽だと思う。

先月の身辺雑記だが、ネタが無いのは常のこと、まあ不精が祟ってついに指まで怠けるようになった だけである。
半年ほど返却していない本のある身でありながら図書館まで資料の読み込みに机を借りに行き、 イラスト豊富な数十ページで直ぐに力尽きて、使わず衰えた自分の脳力に恐れ震えただとか――
唐突にチョコレートを買い込んで大袋のまま冷凍庫に放り込んだとか――
知人の結婚式関連の葉書が複数届き、『隅の方で静かに麦酒啜ってりゃいいよな?』と何故か変に追い詰めれられてみたり――
怪しいペーパーが届いて、購読料の百円を物納しようと勝手に決めたり――
初めての一般書籍ネット通販に挑戦してみたり(思いの外、迅速快適)、やっぱりうちのパソコンのビデオカードはどうしようもない代物だったと判明したとか――

まあ、そんなどうでもいい何時もの無内容な普通の日々であった。

『地を穿つ魔』読了。
クトゥルーはタイタロス・クロウ関連の長編小説。中頃、邪神ハンター組織が出てくる辺りからは 少々馴染みにくいものもあったが、冒頭の書簡を利用した巧みさなどは特筆ものであった。

『虚構の勇者』
あれだけきっちり箱に収めた物語を無理矢理続けてどうする気かと思っていたが、全くの杞憂。 今回もまた、きっちり新たな箱が物語の二巻として横に並んだ。
下手に思わせ振りな伏線や名詞をばら撒いて、伸ばすだけの作品が多い中、この人のような作法と実力を併せ持つ作家は実に貴重であり、ありがたい。

以上、徒然なるままに。
以前、在りしことども
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