日々、在りしことども



紅葉月三十一日
Trick or Treat!!
菓子をよこさぬのならば一芸をせよ。

某氏のサイトがグロ注意になっていた。犯罪歴についてもさらりと披露されている。
何気なくあげた文章が様々なシステムに記録として残され、ネットや実生活でそれに関した 糾弾がなされることも多いこの頃。これが将来、彼の足を引っ張らぬか、いらぬお世話ながら心配である。
しかし特別天然記念物ニホンカモシカと熊の肉か。――一度ぐらいは口にしたい。

昔、自分の将来設計に、『鮭の密漁で前科一般』の予定があったことを思い出しつつ。竿はどこだと本日以上。
紅葉月二十三日
零時過ぎ、気のせいか体調が優れず、厚着をして寝る。寝巻きというものの便利さに感心。

某所にて『鋼鉄少女』が更新されていることに遅ればせながら気付く。――彼はまだか。
紅葉月二十一二日
無為不毛。
紅葉月二十一日
昨晩の蛸が大量に残っていたので、家人が仕舞い込んだまま忘れていたたこ焼き器を取り出す。 この歳になって初めてのたこ焼き体験。
粉が傷んでいたのだろうかと思うほど水っぽかったりして、下準備の段階で多少の不安はあったが、いざ初めて みればとても簡単で、これが楽しい。
丸めてひっくり返すのにも技術などいらず、既に丸く焼き固まっているのだから適当に竹串を刺してうりゃと捻ればそれで良し。
皿二つを埋めて終わったが、どうにも作り足りない。嗚呼、二時間も三時間も何も考えずたこ焼きを焼き続けたらさぞ楽しかろうにっ……

夜、久々に書店。どうしてこんなにはかどるのだろうかと思いつつ、小説を一冊立ち読み。
他、たまたま入った店々のレジ係が、今日は何故か美人さんばかりであった。
人にあんまり会っていない反動でなければいいなぁと思いつつ。本日以上。
紅葉月二十日
食欲の秋。

しばらく前、安かったので普段食べたことの無い袋ラーメンを買ってみた。東洋水産の 『昔ながらの中華そば』味噌と醤油。
デザインからして大味である。いざ手に取ると余り食欲もそそらず、さてはて何故これを自分は買ったんだろうか、しかしながら食べ物は粗末にすまいと、えらく後ろ向きに調理、食してみた。

実に、美味しい。

普段使い慣れない味蕾の何処かが刺激されているだけなのかもしれないが、独り箸を手に開眼。
麺ではなくスープの味わいだ。理性の何処かが、味付けの傾向や使っている調味料が無自覚だった嗜好にたまたま合致しただけじゃねぇのかと囁くが、しかし旨い。そして美味しいことは幸せであり、正義であり、舌も徹頭徹尾語るより食べるを推奨、実行する。
思うに、インスタントラーメンと店で食べるラーメンは違う種類の食べ物である。店のラーメンが幾ら食べたくなっても、普通の袋麺やカップ麺ではその飢えは満たされない。
それは、仕方ないのだと今まで自分は思っていた。仕方なくないのだと、これを食って満たされた。

一流店のラーメンには当然ながらまだまだ負ける。しかし、家で簡単に作って食べる安い袋麺に、まだ上の幸せがあったのだと知る。
しばらく、下手すれば何年か。これからお世話になるであろう。ああ、万歳。


追記:東南アジアでは袋麺を調理して出す屋台や店が多いとも聞く。 案外、凝ればこの日本でも面白いのが出来るのではなかろうか。
味噌塩醤油豚骨その他。ラーメン焼きそば饂飩蕎麦沖縄蕎麦。各メーカーを漁れば品数は百を超え、販売地域の違う珍しい品で客を引くことも可能。トッピングは格安自由。長期保存も出来るし、客を待たせることも無い。
――そんな店、近所に無かろうか。
紅葉月十七、八、九日
ごそっと何故か記憶なし。
紅葉月十六日
さすらいの研究者三気圧RO氏、来たる。さわし柿や天日干しいりこなど、上質の手土産を多く頂く。
話を聞くに、きつい環境で日々励んでおられるらしい。ただ、毎日寝袋とか長距離移動の繰り返しとか娯楽が無いとか人っ気も無くて食事は我慢――おかしい。彼は学者は学者でも、孤島で遺跡の発掘をする考古学者や探検家、長期閉鎖環境拘束による人体への影響を調べる心理学者とか生理学者ではなかったはずなのに。
笑顔で、『こんな状況、ずっと続けてたまるかっ』と言い切った彼の強さに乾杯。環境は人を鍛える。

どうにも文章の乱れるまま、本日以上。
紅葉月十五日
珍しい日。麺、本、秋晴れ。

十五年ほど顔も見ていない同窓生を、偶然にも別々に二人、見る。
面影というものは残るようだ。
紅葉月十四日

紅葉月十三日
冗談みたいな話だが、『今が十月であって十一月ではない』という当り前のことを脳の一部が理解し切れていなかったらしく、昼間、唐突に繋がった事実に奇声をあげて驚く。
呆け始めているのではなかろうかという一抹の不安を、ちょっと本気で感じた日。
紅葉月十二日
このところ何となく断っていた酒を飲む。日本酒をほんの三合ほど。
悪酔いどころか腹痛が起こる。
半月ぐらい前にも同じようなことがあったなと思い出し、更にしばらくして、そういや直ぐに寝るつもりで夕飯を抜いたから腹に何も入ってないやと、原因らしきものに思い至る。

本日の敗因:肴の手抜き。
紅葉月九日
久々の快晴。布団などの大物類を干す。
ふと食いたくなったので寿司と天婦羅を作る。午前中一杯使った結果、最終的には外食の方が時間も掛からずも効率とて良いのではないかと、後ろ向きな結論を抱く。
なお、一眠りして起きたらろくすっぽ食べていなかった寿司は家人によって、綺麗に平らげられていた。時々あるせいか、最早侘しさもわかず。以上。
紅葉月八日
変わらず風が強い。
袋麺安売り大量買。
風邪のひきはじめか、少々体調が悪いので早く休む。
紅葉月七日
食べたいときにバームクーヘンは無し。
紅葉月六日
虹を見る。案外近場に低く掛かっており、両足は百数十メートルと離れていないあたりに落ちていた。住宅地でなければ、スコップを担いで笑いながら追い掛けていたやもしれぬ。

例え馬鹿だと言われても。
紅葉月五日
久々に風呂に浸かる。このところ相変わらず夏のようにシャワーで済ませていたので、 今日は持ち込んだ本もそこそこに、ゆったりと体を沈めた。
ところで最近、大した理由もなく髭を伸ばしている。湯の中で、揺れる顎髭。うゅらうゅらと顎先で感じる水の動き。

……この歳になって新感覚に目覚めました。

まるでどこか間違えた心眼の覚醒。耳で風を見るとか、舌先に感じた体臭から相手の感情を読み取るとか、そういった類の。この感覚は、極めれば体毛レーダーとて人類に不可能ではないという啓示。人はもっと先へ進めるのですよ。
人間の五感と脳の可能性に立ち塞がる壁の不存在を直観した日。
(ちなみに血行が良くなったせいか、直後布団に沈。そこまで疲労していた自覚はなかったのだが)
紅葉月四日
雨。
夜、寝ているところを電話で叩き起こされる。洞窟探検を延期した懐かしい御仁達 とくっちゃべるため、樹のある店へ。スキューバダイビングなど、楽しんでいる人生について伺いつつ、紅茶を二杯、アールグレイとチャイを啜る。
久々に良い時間であった。

なお、東氏は以前探していた水の流れ出す洞窟や、自分縦穴の発見に成功したとか。
おめでとう。これが後の世に言う地球性人類弧状列島洞穴種『HIGASHIサピエンス』 の痕跡に繋がるとは、まだ太陽系すら出ていない数万年前の当事者である我々初期地球元型人類には、思いもよらなかったのであるマル。
紅葉月三日
ふみカードが使えなくなるのだとか。昔、人から頂いた彦根城写真ものがあるので、近いうちに郵便局で換金してこようかと思う。カードの方は記念に持ち帰れば良かろう。
紅葉月二日
ふとチキンナゲットが食いたくなったので、作ってみる。
大量に買い込んでおいた安物の冷凍鶏ササミを包丁でミンチに。適当に塩コショウして小さなハンバーグ状にし、唐揚げ粉をまぶして揚げる。
ジューシーさは不足していたが、肉は食えたのでこれでよし。

最近、実にアル中っぽい自分を省みつつ。本日以上。
紅葉月一日

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