日々、在りしことども



雨月二十九日
『けいおん』とかいう漫画とアニメがあるらしい。大人気になったらしいが、共に見たことはない。ただ、先日たまたま店頭でエンディングが流れており、それだけは一目で気に入った。

で、どうやらその作品が旧豊郷小を学校のモデルにしているのだとこのほど聞いた。保存が決定し、新しく図書館やら住民利用施設やらの複合体として先日開放されたという話であったが、さらに斜めからの情報が追加された感じだ。
近場の図書館だし、昔の大工さんが気合を入れて建てたと聞いていたから、一度は覗きに行ってみるつもりだったが、さてそちらの予習もしておくべきなんだろうか?
雨月二十八日
昨夕聞こえた虫の音は、やはり蝉のものであったよう。
本年もまた、この声が響くようになった。
雨月二十四〜七日、プラスα
・睡蓮、育ちつつあるが花つけず。もっと広い鉢で、大きい池に余裕を持って沈めるべきか。

・ウィローモスの水草水槽よ甦れ、という訳で水槽リセット。
粒の大きい底砂に問題があるのではと、そこを弄ってみる。
色は、レッドチェリーシュリンプの朱が映えるという黒。実のところ趣味ではないのだが、たまに行く店の水槽で良い具合に仕立てて合ったので、それを真似てみることにした。――どうも水槽の砂と買ってきた砂は違うようだが、まあそんな悪いものでもないので不満はなし。軽く浮き上がるのに注意し、敷く。
再び外部濾過器を取りつけ、百均瓶水槽で育っていた赤稚蝦を十数匹移す。上では、たまたま生まれた白メダカのダルマだか半ダルマだかが元気に泳いでいる。後はこのまま上手く水草水槽が出来上がってくれれば――
……やっぱりライトを付けた方がいいのだろうか?

・『マルタ・サギーは〜』があまりに面白いので、図書館で先客の返却が待てず、本屋へ走る。長編を繰ってはこっちの方がやはり面白いと呟き、短編に移ってはいやいやこちらこそと悦に浸る繰り返し。
少々、違和感を覚えるところが無いでも無いが、久々に貪り読む快楽に耽っている。長編の、どんどん状況が移ろっていくところも、また楽し。

――――これがあと数冊で完結すると知っている今は、さて不幸なのか幸福なのか。
雨月二十三日
朝顔咲く。自分のではない。家人の蒔いたもの。
己のは、ようやく双葉を脱したぐらい。
雨月二十一日
夏至。

このきつい日差しこそ夏の証。あとは惜しみつつ、秋に身を委ね冬を迎え入れれば良い。
七月なんていらない。八月は五日あれば十分。
汗が止まらない。汗ってどうやって止めるものだったか。夏、去年どうやって乗り切ったんだろう。覚えてない。大体これ、体液の一種じゃないのか? 分泌液というか。垂れ流し続けていいもんだろうか。

この夏を生き抜く自身がない。
雨月二十日
ふと図書館で目に付いたので借りてきた『マルタ・サギーは探偵ですか?』を読む。面白かったので、あるだけ続きをその足で取りにゆき、そこでようやく読んだものが日常編とも呼べる番外短編集であったと知る。

共に一巻を読んだ現時点では、大きな謎やシリアスさ、ファンタジー世界設定度の高い長編の方も悪くはないが、ぐだぐだと愉快な話が続く短編集の方が好みである。
『推理もへったくれもない』との台詞が紹介にあったので、ははぁ、さてはこれは時々推理小説に出てくる、余りに直観力が高すぎるためいきなり犯人や真相を喝破するが、そこに至った経緯や論理的な説明が当の本人からして全く解らないという、あの類かと思った。 全く違った。そんなまともなものでは全然ない。 受けはした。が、何というか短編でこんな幾つも推理ネタをやるなんてと、目次で感心した私の思いを返せ。活躍にしても、番外日常編だからかもしれないがほとんどやってないだろうが名探偵。さてはこれ、 出オチか。

幸か不幸か既に完結したシリーズらしい。そういうわけで、しばらくこれに浸る。
雨月十八ぐらい日
用があって出したメール。返事が来ないなと思っていたら、迷惑メールと一緒にゴミ箱の中から出現した。

……夜空に向かってごめんなさい。そして、見つかったんだから良かった良かったと。
雨月十七日
汗だらだら。

屋外水槽に何時の間にかトンボのヤゴが入り込んでメダカが増えなくなる、というのは良く聞く話。脱皮殻などを見つけると、水底を掃除するようにはしている。
しかし本日目の合った、どでかいトノサマガエルにはちと驚いた。……水槽のヘリがネズミ返しになって入れるわけはないと思うのだが……まさか一足で飛び込んだのだろうか?
即座に捕獲し川に放つ。雨蛙ならまだ許せたものを。

残り少なくなったメダカの餌が駄目になったので、それや本やらでうろつく。
睡蓮はそこそこ育っているが、花をつけるまでまだかなりかかりそう。もうこの時期ならぽんぽん咲いていてもおかしくないので、損をしているような 気も少々。

本日もそんなこんな。
雨月十六日
目の痛くなる光。浅い睡蓮鉢で水の蒸発が激しい。メダカが干物になる前にちと考えるべきか。
雨月十五日
順調に育ってきた鷺草がバランスを崩し、何度も水中へ沈下。小さい上に、最初から鉢で仕立てているためバランスが悪くなった模様。底に逆さにした植木鉢を沈め、台とする。
雨月十四日
夏至まであと一週間。

何時の間にやらもうこんな日。
雨月十三日
畑、穴、石、穴。
雨月十〜十三日
多分、この辺。

ぶち切れて水草水槽をリセット。エビを全て出し、ウィローモスの生育だけに 狙いを据える。レッドチェリーシュリンプは別容器にぺいっと捨てた。放っておいても死なないし、秋ぐらいには繁殖することもあるだろう。ガラス瓶内で揺れる赤稚エビ達だけが心の救い。 ミナミヌマエビは、そこそこ育ったのを睡蓮池へ、小さいのは巨大バケツに。 これでアオミドロの駆除が強力になったと思うが、昨年に比べ肥料や土の練り方が向上したらしく、実はほとんど発生していない。

メダカといい、睡蓮といい、増やしているうちは楽しいが、群れが大きく育つ姿を目にすると、ちと退く。未だ初夏。連中が増えるのはこれからが本番。
雨月九日
麦の穂先に蛍。そんなものを見る。

夕涼みがてら家前の川を下って蛍を眺める。確かに本年は蛍が多い。葦が良く茂っていることと関係あるのだろうか。
雨月八日
昨晩、酒をひっくり返したキーボードの解体清掃。大分、手馴れた。
朝顔の種を黒ポットに植え付ける。
睡蓮は順調に生育。連中の生命力は実に凄い。
他方、源平枝垂れだが、農薬で洗わなかったためか、色々問題が出ている。特に、枝の先端が黒く枯れ落ちているのが原因不明。

そんなこんな。
雨月七日
田植えとは本来この時期の行事であろうか。

水槽赤エビ脱卵の模様。もーどうでもいいやぁ。
雨月六日
睡蓮植え付け。春の特売時に買い溜めしておいた赤玉土の大袋を二つほど消費。結局、プランター直植えはせず、鉢で作って沈める。何とかなったが、茂りだしたら日光の関係で絶対問題が起きるだろう。それは、起こってから対応ということで、とりあえず成長を待つ。

ついでに蓮を確かめるが、大容器のほうは完全に失敗であった。おまけの、バケツ蓮だけが生き残りとなる。ので、そのまま持ち上げ大容器へ移動。バケツには熱帯睡蓮の株を埋め、バケツ睡蓮に挑戦とする。

メダカ稚魚が増え過ぎているとか、失敗したので別方式で雪柳を増やしてみることにしたとか、朝顔まだ蒔いてないとか――――こんだけ色々やったのでちょっと睡蓮飽きたとか。

一眠りすれば戻るだろう。月半ばにもなれば、みずのもりへ睡蓮巡礼と参ろうか。
雨月四日
エビ、睡蓮、蛍。


レッドチェリーシュリンプの稚エビに、そこはかとなくオレンジがかっているものがでてきた。こんな小さいのに、実に頼もしい。
水槽の方は、珍しく推定雄が目立つところにいるなと思ったら、一番体色の濃いのが何時の間にか抱卵していた。初だが、嬉しいというよりやっとという感じである。しっかり仕事はしてくれているようだ。


睡蓮だが、手に入れようと思えば主にホームセンターかネット通販となる。花屋は、あんな場所取り、ろくに置いてなど無い。
ホームセンターは、この時期、そう悪くないのが安く手に入る。とりあえず何でもいいから睡蓮を、という人には手頃でいいだろう。欠点は、『睡蓮・○○色』としか無いところ。何という品種か、それが解らない。増やしたり、集めたり、それなりに楽しんでみようという人には不向き。
一方、ネット通販の欠点はやや高くなるところ。一株二千円からで、そこに送料が数百円とられる。ただ、そうして専門店で入手したものは、問答無用に品が良い。大きく育ち、既に複数の蕾が頭をもたげているもの。店によっては株の納まっている特性黒ポッドがそのまま栽培容器に流用できるものもある。品種もはっきりしており、色だけでなく花の形、数、そんなのを十をたやすく越える候補の中からじっくり選べる。

余程金に困っている人間でなければ、睡蓮を楽しむなら通販が良いよと、そう私は勧めたい。

で。万年金欠の私なのだが。昨夏からあれこれ妄想を膨らましつつ、ただ『コロラド』だけは絶対に手に入れようと決めていた。珍しい睡蓮ではないので、一番安いところをと探していたところ、カミハタの睡蓮カップなる商品を見つける。
植えつける前の、二三枚葉が出た五センチほどの株を、小さなカップにゼリー(実際には泡や上の方の崩れ方で煮凝りに見えた)で詰めた品。一個、千二百五十円。まだ季節が早いのと、そこなら四個で送料がタダになるので、つい『コロラド』『ダーウィン』『ローズアレー』『シャーレンストローン』と桃・赤・赤・黄を注文、本日届いて、すぐさま植木鉢の浅いのを増やしに出る。
植え付けは明日。ついでに白い睡蓮や、伸びだした熱帯睡蓮も手を入れて、場合によっては直植えでペットボトル睡蓮やプランター睡蓮も試してみたい。
――上手く育てば、残りは紅と青の睡蓮か。


本年も蛍の季節となった。有線で、『異常発生かと思うぐらい』とやかましく繰り返していたので、夜歩きがてら覗きに行く。
場所は、昨年の小川の北側、もう少し東出近くの、細い用水路。異常発生はやはり言い過ぎであったが、数十匹が八時半過ぎ頃にはゆらゆらと。
源氏で、かなりまるまると大きいのが、時折のんきに地面に落ちなどしていた。
帰路、家前の川を覗くが、本年もちらほら光っていた。例年より、葦の茂りが大きいように見える。
明日明後日には、下流へぶらりと赴きたい。


以上、雑多な記録乱文。
雨月三日
このところ渇き空が続き、少々水不足気味。アブラムシが大発生したり、折角植えたものが枯れてきたりなど。
雨月一日
朝、健康診断。混んでいた。例年高めの数値が出る血圧は、珍しく問題なし。
ふらり出歩く。二千円札の両替入手や、あれやこれや。
日がえらく長くなった。夏至が近いのか。

健康診断の待ち時間潰しに、置いてあった広報パンフレットを手に取ってみたが、そのうちの記事の一つが目に付いた。主旨は、差別についてもう一度考えてみよう。具体的な内容は『えーん。万景峰号に乗れないよぅ。楽しみにしていたのに、祖国に行けないよう、シクシク』
…………遠まわしな反朝鮮工作か? それとも民族学校とやらで幼少期から洗脳教育を施すことの恐ろしさを伝えたいのか?


まあ、とりあえず、差別とは何か。真剣に考えることはできた。
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