日々、在りしことども



雪待月二十九日
メダカ、孵化。寒いだけあり、夏の倍は日数がかかった気がする。
ちなみに、孵化場所は加温している水槽の孵化専用槽――などでは断じてない。
パソコンのハードディスクの中である。タワー型の、巨体の、腹の内。そこに、綺麗に洗った小型焼酎の空ペットボトル(筒型、大口径の蓋、密閉可能、透明で装飾皆無と、実に水槽関連で重宝している)を一つ、卵と水を詰め、仕込んでおいたのだ。光の一筋も差すことは無いが、安定して暖かい場所を家庭内で求めた結果、其処へいきついた。本日、無事孵化したからには 何ら間違った選択ではなかったのだろう。
しかし、今後の孵化メダカの扱いに困る。運が良ければエビ用の室内水槽で大丈夫だが、冬の 低温で死んでしまう可能性も高い。加温水槽に入れれば、そのまま小魚達の新鮮な御馳走と なってしまおう。
結果、悩み続けるのも面倒くさかったので、惰性的に妥協。もう一つ、焼酎容器を洗浄する。

現在二つ。ある程度のサイズまで、これで育ってくれるとありがたいのだが……
雪待月二十八日
オデン種として飛龍頭を自作。とても簡単であった。似たような構造の、ハンバーグの方が私には難しい。
味は、素材のまま、ふんわりとしており、食べ応えのようなものはそんなに無い。昔、信州は豆腐屋の二階で食した飛龍頭の美味な記憶を思い出す。この後に薄味で炊く、その出汁こそが拘るべき点か。

今秋はやけに暖かいと思っていたら冷え始めた日。
雪待月二十七日追記
『断裁分離のクライムエッジ』

とっても正統な、少年と少女の話。
諦めて、上手く笑えなくなって、でもそれでも憧れて、頑張って指を伸ばしてみようとする少女。
何も解ってないし、混乱したり、好き勝手、思うように、その場しのぎだったりもするけれど、彼女の笑顔の日々のため寄り添い、そして背中にかばって覚悟を決める。
『殺害遺品』といった設定があり。やたら気合の入った、作者拘りと思しき数々の描写―― 時に変態的だったり――押しどころ、味わいどころは、始まりのまだ一冊目にして幾つもあるが。

少年と少女の正統な物語として、自分はとてもこの本に惚れ込んでいて、これからに入れ込んでいる。

まあ、ただ、一点。学校での初の名乗りの場面。どうも、単行本化に合わせ、台詞が書き直されているようだが、自分は雑誌掲載時のほうが断然良かったと思う。
『……違う。二人で選んだ。二人で決めた。僕は――』という風だったと覚えているが、そちらの方が二人の共同作業ということで、繋がりや絆がより強調されていたように感じた。
一巻屈指の名シーン、というより、一番好きな場面だっただけに、ちょっと残念が現在進行中。

以上、最近耽った素敵な一冊を紹介というより惚けがてら。。
雪待月二十七日付記
長らく一気に溜まっていた分を書いた。
書き殴りでも書き捨てでも箇条書きでもない。
ホント、普通のまともな文章というものが書けなくなったと自覚する。
雪待月二十七日
パソコンディスプレイ(acer AL1711)の修理とその結末について。

何度も愚痴ってきたが、パソコンディスプレイの調子が悪化の一途を辿っていた。
表示が乱れ、線や色がおかしくなり、叩いては戻していたのだが、今やツボを狙おうが十数分小突き続けようが直りもせず、『字さえ読めればうるさいことは……』と自分を騙すことさえついには難しくなってきた。
さて、これは完全に表示しなくなるか、右拳が液晶ディスプレイの強度を全力で確かめるのが先か (苦労とカルシウムが足りない人生故)と絶望にくれかけていると、駄目元で探したネットで先達の一文を目にする。曰く、友人から調子が悪くなったと貰った同型ディスプレイを分解し、コンデンサを交感してハンダ付けしまくったら直ったぜ、ひゃっはー、というもの。
拙僧、大いに勇気付けられる。
そうか、分解できるんだと、ハンダ付けからパソコン自作、果ては稼動中のHD殴打までこなす、歪な私の知識と技術を伴った行動力が久々に目を覚ます。交換用のコンデンサはないが、まずは様子見と早速適当に手当たり次第にばらしてみる。

――――そもそも最初に悪化したのは数年前の猛暑に無理矢理使い続けたとき、どうしようもなくなり始めたのはここ数ヶ月、さてバキバキときたが、基板上に噂に聞く膨らんでいるコンデンサとやらは見当たらず、まあ接触不良の可能性を考慮して、ハンダで適当に一人SMプレイでも始めてみるか――――

と、まあ失敗した場合の予備ディスプレイも購入資金もないまま、半ば現実逃避のようにばらしては組み、確かめては外し、ハンダゴテで突付き回して――どうにも上手くいかない。
ではと、剥き出しの基盤に画面と電源他を繋ぎ、そのまま電源を入れてみて、稼動中のコンデンサ他を突付き回して変化が無いか、何処が悪いかを確かめてみる。今まで何度も叩いて直してきたことから、稼動中の衝撃で変化を受ける部分に問題がある、という推論の上でのことだが、 無論、ヒトにも機械にも危険な行為である。
しかし、それでも直らない。
更に基盤剥き出しのまま弄り続けていると、不意に画面が砂嵐になり、戻らなくなった。
さては変な電流でも流してしまったか、パソコンを立ち上げし直すかと思いつつ、ふと伸ばしたままの自分の手元、ドライバーの先をみると、触れているのは基盤でなく、ケーブル。基盤と液晶ディスプレイを繋ぐ白く平べったい、テープで固定されているケーブル。
押してみる。→画面に変化有り。→今まで触れなかったディスプレイ側のケーブル接続口付近に指で触れてみる。→スコッ、と半抜けだった何かが滑り込んで嵌る感触。→綺麗な画面。

結論:ディスプレイの異常は、内部で基盤と画面を繋ぐケーブルが抜けかけていたため起こったもの。


今まで叩き続けてきた日々のことを思う。何度も分解し、ハンダを溶かしていたここ数時間を振り返る。――解決したのに、目的は完全に果たせたのに、何だか全く嬉しくない。むしろ敗北感というか脱力感が――
――以上、故にネットにこの顛末を載せる。自分のような人間が、万が一でも一人減るように。
雪待月二十六日
ブックオフより本届く。頼まれていた本と、頼んでいた本。そういえばe-ブックオフとブックオフオンラインは違う存在らしい。ブックオフに加盟したネット書籍専門店と、ブックオフのネット店、とか。

図書館にて新刊入手。貸し出し画面を一瞥した司書氏の視線が何か怖かった。ちと、一人で一気に借りすぎか。

コンビニレジにて、若いアルバイトと思しき男性がマスクをしていた。不特定多数が二十四時間出入りする処だからこそ、そういう心遣いが嬉しい――と思いきや、えらく咳きをしている。ゴホゴホと。この辺でも休校でまくってるのだし、こういうとき責任もってはちゃんと休ませろ客商売と思う。

自分が万一新型インフルエンザにもしなったら、多分絶対あそこのせい。
雪待月二十五日
ミスマルカW、読。まさかの彼復活に、現れるもう一人の――。衝撃のあまり、夜にも関わらず 五巻を買いに飛び出す。

まだだ。まだ終わるような――そんなはずは無いと信じて。
雪待月二十四日
再び彦根で痛車。今度は死神のバラッドだったが、あれアニメ化されてたっけ?
あの辺りは良く見かける。全部違う車。そういう環境やコースなんだろうか。
雪待月二十三日
『生徒会の一存』読了。予想を外され、なかなか面白かった。

『マリア様が〜』の時と同じで、何となくネタや萌えで攻めているのかと思っていたら、実際読んでみたところ普通にしっかりした出来だった、とまあそういうこと。
生徒会室でぐだぐだと楽しい掛け合いを続ける、事件も何も無い話――と聞いていたので、 アニメネタやネットネタ、ラノベネタてんこ盛りのそういうものだろうと思ったが、 そんなこともなく、ちゃんとした筋もあり、話の魅せ方も一工夫あり、何やら伏線らしきものもあり――と、一冊の読み物としてかなり詰め込まれている。印象は、気合の入っているお弁当箱。

続きも読むつもりだが、ちょっと痛い事件も豊富に入ってきそうな気配もあり、ちと身構えるものもあり。
雪待月二十二日
まだ少し卵の残っている赤蝦、脱皮。昨日多目に与えた餌と、足した水がまずかったか。
メダカ、産卵は続くが孵化はせず。

クリームシチューを作りたくなり、小麦バター牛乳を並べ、何度目かの一からの挑戦。
少しずつ混ぜていくんだよなと思いつつも、何故か溶けたバターへ一気に小麦を全量投下。 ダマが出来るどころか、クッキーの生地の様なものが練り上がる。
挫けず、水を足し牛乳を注ぎ混ぜ続け、結果、まあ意外と満足のいくものができた。 ポイントは有塩バターとたっぷりのコンソメ仕様か。 まあ、これでルーが無くても気分次第でクリームシチューを作れるようになったのは良かった。 以上、本日。
雪待月二十一日
ふらりでて、そのままなんとなくドライブ。色々混んでいたような。
雪待月二十日
三匹入れたヤマトヌマエビ、本日最後の一匹が落ちる。レッドチェリーシュリンプも、 朝方一つ茹で上がる。
底砂掃除をし過ぎたか、この前一時的に外部濾過器を切ったせいか(意外と危険行為らしい)、 足し水のカルキが抜けていなかったか、はたまた餌のやり過ぎか。
そろそろ安定してきたと、気を抜いた矢先、こんなことに……
雪待月十九日
林檎がうまい。

水槽に石を入れてみたり、加温でメダカが卵を産み続けていたり、何故かエビが死んだりと、そんな ここしばらく。
雪待月十八日
人様の御親切が身に染みます。いろんな意味で。
雪待月十六日
車のバッテリーを見てもらいに行く。ネジ栓を開け、バッテリー液の状態までチェックしてもらった後、 専門家に頂戴した結論。『もっと普段から乗ってやって下さい』。
週一か週二で動く置物じゃ、駄目だそうだ。

夜、二枚の一万円札が余りに変だ、違うぞ、偽札じゃと家人が騒ぐ。胸弾ませて自分も飛びつくが、 どう見ても新札と旧札。いや、ここまで違いがあるとは確かに知らなかったが……
念のためネットで検索をかけたところ、おんなじようなことはやっぱりやっている人達がいた。
昨今、何でも誰かの後続に感じることがある。
雪待月十五日
ディスプレイの状態、極めて悪し。直るまで叩く時間が増えてきた。 さて、何時まで持つのやら。
雪待月十三、四日ぐらい
『怪異いかさま博覧亭』四巻、読了。相変わらず、良。
描写豊かな魅力的な絵、阿呆な笑えるネタ、実際の江戸世相を下敷きにした、勉強になる薀蓄、 かと思えば『小袖の手』のような、思いがけない角度からくる、心に染み入るような良い話。

どう勉強すればこんな風に詰め込むことが出来るのか、などと考えるようなことも無く、 ただひたすら楽しんで味わった。御馳走様でした、次巻を早く宜しく、と手を合わせて拝みたいのだが……

ほんの数日前、作者氏のブログの存在を知った。『小竹田貴弘の生存を確認しました。』というサイト名だが、 いきなり最新記事が、打ち切り候補者として断頭台の下辺りまで引っ張り回された、という洒落にならぬ話。
――雑誌の方向性とかもあるんだろうが、こういった真っ当に面白い作品が売れないっていうのなら、 それは単純に編集や営業の無能であり罪じゃなかろうかと、愛読者の立場から毒を吐き掛けてみる。

NHKあたりでアニメ化して、十分当りそうな出来だと思うんだが……
雪待月十二日
一日の時間が増える。新しく油を差して、重りを落としたかのように体が軽い。
脳味噌が若返る。実感できるほど、思考能力が上がる。

以上、ここ数日アルコールを抜いた結果。でも、そろそろガソリン注入といきたいんだが……
雪待月八日
図書館へ。珍しく、一冊以外は読んで返せた。その辺、効率良く回そうと一館四冊のつもりで意気込んで行ったが、結局二館で十冊越える。
落ちた読書力と読書欲をひしひしと感じる。
雪待月七日
楓の植え替え。まあ、適当。ミニ盆栽をやるのなら密植させるべきかもしれない。普通の盆栽なら、余っている藤と一緒に、針金で歪んだ樹勢に仕立てるべきか。

あー季節が味わえりゃそれでいいから、どかんとどっかに森林化してくれんかね……

ハゼはミニ盆栽で一個欲しいなーと思ったり。
雪待月五日
昨日は蜜柑、今日は柿。今年も季節を頂く時候となりました。

車のオイル交換をする。ついでにヤマトヌマエビを入手しに出る。
最近水槽壁面の汚れが気になっていたので、高い苔取り能力に定評のあるヤマトを――見ようによっては綺麗でもあるし――まあ、モスの食害やパイプを伝って脱走の心配もあるが、いざとなれば屋外の睡蓮池掃除に回せばいいかと楽観して――とりあえず三匹ほど。持ち帰ってすぐに思った。掃除役なら、オトシンで良かったかな、と。

小エビ、小魚で纏められているウィローモス水槽の底を闊歩する、老メダカよりでかいエビ。まるきり怪獣の如しである。グラスキャットよりは小さいが、連中が肉の味に目覚めないか、今からとても心配である。

他。レッドチェリーシュリンプは、先日孵化したエビ達が日に日に大きくなっていっている。残り抱卵固体は二体。ひょっとすると、二匹が孵化して一匹抱卵したのかもしれない。とりあえず、順調。
ドーベンのムカゴ株を七つほど回収、適当に屋内容器に移す。早速ヤマトにつままれたりもしているが、一つでも残れば十分来年も睡蓮が見られる。逞しいというか、雑っぽいというか。

以上、本日適当投げ遣り飼育記録。
雪待月四日
『新・トンデモ超常現象60の真相』読。かなり楽しめた。
こういう話は、話自体も、ネタばらしも昔から大好きなのだが、聞いたことも無いようなものも多分にあった。平安京の四神相応が後代のこじつけだとか、メアリー・セレスト号事件の正確な記録、モーケレ・ムベンベの湖の水深や、雪男にトルコの箱舟……

孫引きではなく、元の情報に直接あたると、それだけで解明される話が結構あったのには笑った。

次は、モンゴルのデスワームの正体とか、やってくれはしないだろうか。
雪待月三日
昨夜より一気に冷え込む。水槽にヒーターを入れ、ストーブには灯油を満たす。
温風、ほどなくして部屋のそこかしこより聞こえてくるペットボトルのペコンなる音。

――そういえば、さっき机の上の空ペットボトル正面が、軽く踏み潰したように凹んでいて、さて一体何時の間に酔った折にかと今一納得できず首を傾げたのだが、これか。

夏に空けたもの以外も、歪んでいたりする。空気の寒暖に伴う膨張縮小は存外かなりのもののよう。
雪待月一日
地元にてちょっとした秋のもよおし としょかん 盆栽 子供いっぱい
以前、在りしことども


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