日々、在りしことども



梅香月二十八〜三十一日
朝方、雪が薄っすら降った日もあり。大半は、温し。

ぐいいと勢い良く伸び上がる芍薬たち。
発芽中の紅葉、沢山。昨年からのものは葉がそろそろ出てきた。
直播で林状のミニ盆栽を仕立てているとはいえ、ふと冷静に振り返って、個人で数十本の紅葉苗を 持っているのはおかしいよなと考えたり。
仙台紅枝垂れ八重桜の蕾が紅く膨らみつつある。源平枝垂れの方は台木からのヒコバエがピンクの桃の花を開きつつある。トキワマンサクが紅く開きつつある。室内の、大半は全滅した水挿しローズマリーだが、ついに根を伸ばすものが出てきた。
今年は何故か、花粉が強いが余り感じない等々。

雑然と、記録のみ。
梅香月二十七日
花粉少なし。

久々に花屋へ。途中、梅の散っているのを見て悲しむ。空の色も違う。自分の中で桜は最早、春の終わり、初夏の花となっているのに気付く。

植物園をさ迷いたい。
また、久々に痛車を見る。こんどは東方。
色々な黄の花を見つつ、帰宅。と、家でもレンギョウと思しきものが咲いてた。聞くと、そう、と。放っておくとやたら増えるのでばさばさ刈っているとか。有り難味なし。

以上、後ろ半分は覚え書きの走り書きより。
梅香月二十六日

梅香月二十四日
夜討ち朝駆けという言葉がある。寝起きで判断力の落ちている人間相手はくみしやすかろう。
無論、彼がそれを狙ってなどいないのは解っているが、思い返すに十年以上昔から、彼の電話は 私を叩き起こし続けてきた。
朝も、昼も、夕も、宵の口も、深夜も、安楽に眠り耽る私を苦界へと引きずり戻す。
惰眠とは、神聖にして必要不可欠な人の権利の一つと考えるのだが、どうだろう?
梅香月二十三日
室内で水に挿しているローズマリー、相変わらず発根せず、そろそろ枯れるものも出てきていたのだが、 本日何やらいきなり咲いた。
……この一輪をどう判ずべきなのか解らん。

室内水槽のメダカの中に、ヒレが溶けるものが出てきた。水質の悪化かと、濾過器まで掃除したところ、 いきなりグラスキャットが一匹、ショック死した。何が悪かったというのか。低水温か?
梅香月二十二日
昨日の大風の被害は小。
暖かくなって色々と芽吹いたり咲き始めたりする反面、枯れ出すものも出てきた。特に苔関係。 場所を移せば直ろうか。
植え替えた源平も元気が無い。寒くて生育が停止している時期は、枯れるのもまた一時的に停止していた のだろう。
梅香月二十一日
一月ほど前のことだと思う。頂き物のニンニクが芽を出し始めていたので、時期遅れだが試しに植えてみた。かなり深めに掘った穴に一片ずつ落としたのだが、本日ふと見るに、やけにヒョリとした葉が一列に伸びていた。夏に収穫できるかもしれん。
梅香月二十日
日中は熱気を感じるほど。夜、階段を下りると、玄関に置いたジャスミンの 芳香がする。
梅香月十九日
ミジンコが恋しくなり出掛けるが、興が乗らずすぐに戻る。土だけ採取。
春分が近い。もうか。
ジャスミンの蕾が開き出す。日々、春が深まる。
梅香月十七日
車のタイヤ交換。一台は余りにきつくボルトが締められていたため、多少ナメ気味になる。多分、犯人は私だ。
源平枝垂れだが、根元から伸びる枝が先んじて蕾を膨らませつつある。多分、台木の花だと思うので、取り木をして 分けるつもり。
芍薬が元気に伸びつつある。が、庭の一隅でにょきにょきと山菜の如く伸び集っている親の育てている芍薬の様子を見ると、うらやましいと心から思う。
増やすぞ、と強く誓う。
最後に、紅葉は順調に発芽を続けているが、合わせて寄せ植えたジャノヒゲが枯れつつある。おのれ根付いておらなんだか。

以上、ちらし寿司に茹でエンドウやシラスを混ぜて豪華にすることを覚えなどしつつ。
梅香月十六日
挿し木、一本も上手く行っているように思えない。季節が良くなかったか。
そう思いつつ、捨てられていた生け花の桃の枝を更に挿す。
梅香月十五日
夜、室内で突然被爆。くしゃみが止まらなくなる。
布団か、服か、洗濯時にたっぷり花粉を浴びていたらしい。のたうちまわる。

梅香月十四日
早い種類の桜が白い色を見せている。庭にも、紅白の梅。枯れていない木があったらしい。
雪柳も咲きつつある。
梅香月十三日
深夜一時過ぎ。建築中の隣りは、まだ何か作業をやっている。 内装方面で詰めを迎えているのか、または単純に日程がやばくて追い詰められているのか。サテ。
梅香月十一日
朝、雪。ぼんやり眺めながら、もう二ヶ月ぐらい真冬でもいいかなと思った。――ら、昼には よく晴れやがった。

炭素年代測定法。絶対値と思っていたが、そうではなかった。
既に半減期が過ぎ切って消滅したといわれる某元素と同じで、世界中で同時に減り続ける数値を持つ炭素が 、いつ植物などの形で固定されたかを調べて逆算――逆数え?――でその大きな数値の炭素が存在した年代を 割り出すのだと、今の今まで思っていた。
ではなく、生きている間は世界の濃度と同じだった炭素が、死という形で動植物の内外と循環しなくなり、 そこから半減期でどんどん減っていくのを逆算するもの、らしい。
よく考えれば植物の形でも半減期を経れば減ってゆく、気付くべき間抜け――いや植物の中に入った時点で 別の形に変わって固定される可能性も十分あった――結局のところ、ここ十年以上科学雑誌も読まなくなり、 最近の学説やそれを用いたSFどころか、日常雑貨の携帯プレイヤーや記録媒体が良く解りません、と へらへらしてたら、十数年前の科学知識も根本的に適当だったということ。
梅香月九日
花も良いが、発芽も、植物を育てる楽しみの大きな一つだ。 豆鉢に撒いていた山紅葉の種が頭をもたげ出す。
余りに変化無く、枯れたかと怯えていた芍薬も、赤い芽先を 土の上に突き出し初めた。
ハゼはまだ。
で。明日明後日荒れる天気に注意せよ処によっては雪、と気象庁。

戦々恐々。
梅香月六日
庭の紅梅が開いていた。白梅の方――親父殿が難しい顔をして 睨んでいたのをきっちり覚えているが――さては手入れに失敗して枯らしたか? 一輪の白い陰も無し。

押し寿司各種。意外と好評。
小さい押し型をオモチャのようだと感じていたが。普通サイズだと 数切れで腹が満たされてしまう。場合、場合。
ラップを敷いて押し、冷蔵庫で冷やし固めたが、そのまま切って適当にラップを剥がし皿に並べるのが良いよう。摘んで動かせる。
具は、スモークサーモンが良かった。酢〆ほか、適当にやって適当に出来る。酢飯は意外と量を使う。丸タッパー(ホウロウ系密閉容器?)で富山鱒寿司風に作るのも、意外と簡単で悪くない。
以上、雑記。
梅香月四日
呆っとしていたら何時の間にか時間が過ぎていた。
最近、物の名前が思い出せない。結構重症な気がする。
梅香月三日
桃の節句。海鮮チラシ。
梅香月一だか二日ぐらい
白梅には雨が良く似合う。

良い場所を見つけた。多分、何処かの家の庭。
狭い敷地に詰め込まれた梅の樹々が、白い花をつけていた。
ああいう、荒れたような風情にこそ、梅は合うのだと思うのだ。
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