日々、在りしことども



月見月後半
籾殻を焼く香りが落ち着いても、まだ穂の残っている稲田もある。
月初めの刈り入れ覚えていたた身としては、種類の違いだとしてもここまでの 時期の開きは少々不可思議であったが、あれは台風前だったかと、何となく腑に落として みる。
それにしても日除け傘付きコンバインや、強力投光器付き夜間作業用コンバインなど、 農作業機械も妙なところで進化している。
月見月十八日
多くの処で稲刈りも済み、籾殻を焼く臭いも落ち着いてきた。
道沿いに、彼岸花の赤を見る。気配など感じなかったのに、もうそんな季節なのか。

午後、図書館にて先週の続き。
月見月十二日
十五夜。今年も例年通りの処でススキを取る。
ついでに上新粉にて団子を作ってみる。少しずつ水を加えなかったせいか、 幾ら茹でても浮かび上がらず、中心部がぼそぼそしたまま。失敗する。

さて、これから間抜け面して月でも仰ぐか。
月見月十一日
突然無性に頭を使いたくなり、図書館へ。借りていた資料を、ノートを取りつつ読む。
集中は出来たが、読書速度は落ちた気がした。――いや、そもそもこの程度なのか。
月見月一日
日陰にあったため長持ちしていた鷺草も、そろそろ終わろうとしている。
半分ほどは花芽を付けず、咲いたものも細く短い茎に一花だけ。来年はもう少し涼しい半日陰に 置こうと思う。
他、本年は温帯睡蓮の花上がりも悪かった。全滅から一つだけ残った熱帯睡蓮はそこそこ 咲いていてくれる。こちらを集め直した方が良いかも知れない。
百日紅は今年も花を付けず。リュウノヒゲは一つだけ小さなほの白い花を見付けることが出来た。 あれが冬に結ぶ瑠璃玉のような実に惹かれて植えたのだから、是非とも結実して楽しませて欲しい。
一方、予想以上に楽しめているのがネムの鉢。元々花付きが良く、一日で萎むとはいえ次々と 咲いて嬉しがらせてくれた。最も蕾の数からして盆前には終わるだろうと思っていたが ――今日もまた、複数花開いている。
何というか増えた。今も片っ端から蕾を作っているようだ。木の花芽は、朝顔のように随時増えていくものでは 無いような気がするが、何故か実際咲いている。根性無しの緋ネムは初夏に終わっているというのに。

白ネムと、根性のある緋ネムを揃えたいと思ったり。――その前に、野放図に増やした小鉢を、半分ぐらい 処理すべきだろうが。

朔日早朝。台風前の雨に冷やされつつ。
燕去月三十一日
『犬とハサミは使いよう 3』読了。面白いが、それ以上に好きなシリーズだ。
軽快な遣り取りや荒唐無稽な山場、素敵なイラスト――だけでなく、その全ての向こうから 伝わってくるものがある。
読み終えて後、『ああ、自分には愛が足りない』と心地良く打ちのめされた。

ところで、最近のライトノベルはカラー口絵増量というのが業界的な方向なのだろうか?

午後、発作的に図書館を襲って馬鹿のように本を借りる。読める量だけ借りて、素早く返却するのが 人の道だとは解っているのだが、やれ無料だからとはいえ随分な癖がついた。
燕去月三十日
何やら左肩凝りが酷い。骨格が歪んでいるのかもしれん。 買いパン
燕去月二十七日
夕、ようやく夕立。

残暑見舞い、未だ書かず。
燕去月二十六日
H氏に誘われ、久方振りに『nikkou』へ。二郎の日ということで、 二郎系ラーメンに様々な有料トッピングを用意したとか。その辺、詳しくはないので 店員氏にお勧めを聞いてみる。
『そうですね。お勧めは麻婆豆腐と――カレーを一緒に』
……駄目じゃないかなという気もしたが、折角尋ねたのだしとそれを頼んでみる。
やがて来たラーメンの上、麻婆の方は紅茶系の香りと甘味をどこか感じたものの、ごく普通のものだった。
で、カレー。
……いやさ、カレー粉。
茶色いカレーのルウがばらばらと一角に振り掛けてある。試しに囓るが、まんま使用前のカレールウ。 理解できず、放っておいて普通にラーメンを頂く。
かなり食べ進んだところで風味の変化に気付く。何と、放置しておいたルウがラーメンのスープに 自然と溶け出し、いつの間にかラーメンがカレーラーメンへと変化していたのだ!

――多分、客の大半はそんな工夫を求めてはいないと思うのだが。

何か違うような気がしたまま食べ終わる。今度は初心に戻ってあっさり付け麺でも頼んでみようか。
燕去月二十一日
小雨。地蔵盆らしい。

通り掛かった隣町の公園が惨いことになっていた。敷地整備とかいうことで、 かなり大きかった桜や他の木々がぶつ切りにされ、根っこも掘り起こされていた。
無駄に自然の多い田舎だから気にしていないのかもしれないが、多少生活に不便でも 百年二百年、樹と付き合い、街に組み込んでこそ文明都市と言えるのではなかろうか。
とりあえず、無駄にアスファルト敷くだけが田舎の街作りだなと呟いてみる。
まあ、旧八日市方面の田圃に連なる青い街灯の列辺りは、雰囲気があって気に入っているが。
燕去月二十日前後
検診、面相臭い。

熱帯睡蓮、花を付ける。白で、縁がやや青い。――名はなんだろう?

蕎麦、また届く。そろそろ生麺が来て最後だろうと思っていたが、意に反して茶蕎麦で あった。蕎麦一年分の威力を実感する。
あと、多分保護の意味もあるんだろうが、紙製とはいえこの過剰さを感じる化粧箱 はどうにかならんのだろうかとか、成分のところにある蕎麦粉一パーセント未満(五か 十だったかもしれぬ)は何の冗談だろうかと、首捻りなどしつつ。

地元町長がぽかやって、ここぞとばかりに責められているが、それに関してまた怪文書が 出回っていた。一見、政治色のある地方ニュース広告――に見えて、中は推測と悪意で綴った 中傷文。余り慣れていないのか、いい歳して文章酷いし。前も選挙だの同和だので似たような ものが出回っていたが、この近辺の土地柄だろうか。子育てや文化教室に力を入れている 様子を見るに、そんな馬鹿が多い地域とも思えないのだが。
燕去月十七日
鷺草がようやく一つ綻ぶ。が、本年は何が悪かったのか、まだ花芽の上がっていない物が数鉢、 咲き始めた諸々も、何故か花が一つしかない。毎年、二つぐらいは付いていたように思うのだが……
燕去月十一日
明け方前、リリリ……と響く虫の声を聞く。立秋も過ぎた。確かに季節は 秋へと至りつつある。
七夜月三十一日
サルスベリの赤が目につき始めた。
七夜月二十二日
クチナシ、最後の花か。
七夜月二十三日
『陰陽師 醍醐之巻』読了。
七夜月二十二日
本日も肌寒いほどの天気。――このまま夏など終われ。

茶葉、届く。
本年、サルスベリの開花が遅い。気のせいかも知れぬが、某所の若い 街路樹が赤いレースを纏っている他は、近所の大木も、土手沿いの並木も、 ――あとついでに何故か咲いてくれないうちの鉢植え達も蕾すら見えない。
何か気候のせいか。或いは単に時期がまだ早いのか。どちらにしても ――また今年もうちのは茂るだけで咲きそうに無いんだが、 何が悪いのか誰か教えてよプリーヅ。
七夜月二十一日
先の冬のことだが、檸檬と柚の苗を植えた。幸い、檸檬の方はこの初夏に白い 花を付け、小さいながら跡に実を結びつつあった。――が、台風にて全滅。
細枝は裂け、無事なところの実も消えて。
……次に実を結ぶまで、後何年ぐらいかかろうか。

朝方、折れた桜の木関連でにぎやかしに出る。手伝いと言えるほどの働きもせず。 別の川沿いでは桃も折れているとかいないとか。――挿し木用に行ってみようか。

他、足となったり書店を覗いたり。そんな一日。
七夜月二十日
台風一過。大雨だったとの話を聞くが、この辺りは風が強かった。近所で袋掛けした葡萄が幾つも落ちていたり、桜の木がどこぞで倒れたなどと聞く。
七夜月十九日夜
風で部屋がよく揺れる。
七夜月十九日
大型の台風接近。この付近はたまに強風が吹き、葉の茂った鉢植えの幾つかが無惨なことに。
七夜月十八日
炊飯器、前と同じメーカー製のはずだが、何やら静音性が恐ろしく上がっている。 炊き上がり終盤までほぼ無音。――何度、蓋を開けて動いているかどうか、確かめようとしたことか。
七夜月十七日
とても夏らしい一日であったが、何故か過し易くもあった。湿度か、気温か、それとも 昨日の大汗で体が順応でもしたか。

今度は炊飯器が成仏したから入手してこい格安で良い、との話。また家電屋へと赴く。
昨日のテレビ並みに高い炊飯器など誰が買うのだろうと思いつつ吟味。広告の格安品は見るからに 納得の行く値段相応の出来で、即却下。個人的には踊り炊きや厚釜に興味もあったが、それなりに高く 結局また同じメーカーの展示品を現物値引きということで、箱もないまま袋に提げて帰る。

次は何が壊れるだろう。
七夜月十六日
愛知川の花火を遠目に見る。例年より気合いが入っていたのではなかろうか。

テレビを買いに出る。見る人間が自分で選ぶべきだと思うが、何故か丸投げされ、結果、家で 一番――ほとんど見ない自分が選択することに。
電気屋にて地デジ移行前の最後の駆け込み、いや追い込みの方が正しいか? とにかく そんな売り出しのされている処を覗く。
今、家にあるテレビが、実は物凄く古く小さなものだったようで、どの安いのを選んでも 豪華すぎるというほかに問題は無い。と、思いきや、国内有名所は八月の入荷待ちという話。
よって、在庫のあるという、国内でも聞いたことのない『オリオン』なるメーカーの更に安いものを 持ち帰る。――まあ、これでも安いし大きいし、横から見るのに強いというから、問題はなかろうか。

夜、実感は無かったがどうにも脱水症状気味。茶はがぶ飲みしているのだが、その分、 汗で全部出ていたようだ。人間塩田。ついでに、少々暑さに参っていたのかも。
ただ、五分ほど、うつらうつらしただけで随分心身が快適になった。
昼寝とか、十数分の休息睡眠を人類は文明に取り入れるべきだと、割と本気で思う。 一日を二十五時間に出来ないが、数分の睡眠で、密度の濃い二日に増やすことは可能だ。

珍しくも、何となく雑多につらつらと。
七夜月十二日
駄目駄目な日々、続く。
七夜月九日
まばらながら藤の花を見る。意外に狂い咲くものだ。

夜、高宮の花火を遠目に少し眺める。
本飢えの症状、まだ少し在り。
そういえば薄手の綺麗な布を、身を包むようにぐるっと羽織る女性を 何人か見たが、最近の流行だろうか?

一日、車の中に忘れていた財布内のカードから磁気情報が飛んでいた。 再発行はして貰えるようだが、他のカードは大丈夫か。怖くて確かめてない。
七夜月八日前後。
梅雨は明けたと言うが、雨が足りてないように思う。夏などいらぬ。

本。山になっている積ん読を、唐突に崩し出す。年に数回、こういう 発作が起こるから、読み終わってないのに新しい本を買い込むのは 仕方がないのだ。仕方がないのだ。
七夜月六日
水不足。
七夜月四日
本日の夕食:フランスパンピザ、チンジャオロース、キムチチャーハンほか。
前二つの出来が意外に良かった。特にピザに使ったトマトソース。 以前に買い足したオレガノとバジルを振ったのが利いたか。ハーブ系は軽んじて きたが、薬味のように重要なのかもしれない。

昼、癌検診。行って、待って、ぐるぐる回って。十時間水を飲まなくても、苦しくは なかった。――普段、茶だの何だのと水を摂取し過ぎか?

睡蓮、赤い蕾が上がっている。ひょっとしたら、初めて咲く花かもしれない。
余っていた種――朝顔、白粉花、撫子をポットに撒く。ローズマリーは順調に 根付いていた。春に花を付けたブルーベリーに小さな実。
一方、豆盆栽は見事に枯れ切っていた。小さいだけあって、水不足はきつかったよう。 蕾を付けていたはずの源平枝垂れといい、冬に死んだ鉢の多いこと。

夕暮れ、ようやくお湿り。梅雨を名乗っておきながら、この水不足。今年の夏も 結構不安だ。
七夜月二日
午前二時頃。家裏で高らかにクラクションを鳴らし続ける車、一台在り。
様子を見に行くと、ハンドルに額を押し付けて寝る兄ちゃんが一人。
――ああ、極稀にそういう御仁は見掛ける。

取り敢えず近所のコンビニ駐車場を勧めておいた。田舎だから、朝まで寝ても 問題はあるまい。
七夜月一日
放置していた温帯睡蓮の残りを適当に水に沈める。
梅雨のくせに降りそうで降らず、水面は下降の一途。
室内の小容器では稚蝦が消滅しているものも。
そういえば三十度なんて駄目な水温だったか。

網戸の張り替え。北西の小窓だが、日と風の当たりがきついせいか、ここだけぼろぼろに 朽ちていた。
作業自体は意外と簡単なものであった。網は弁当箱の蓋パッキンのようにゴム紐で溝に押し込まれているだけ。ただし、中央の空洞や周囲のギザギザなど、ゴム紐の方に工夫と 思しきものが幾つか見られた。


雨月三十日付近
蝉の声らしきものを聞く。途切れ途切れの、嫌がらせか呻き声にも似たものだったが。

サーキュレーターを入手。扇風機と合わせて探していたが、一週間ほど前から家電量販店 は全滅。節電と被災地向けで物が尽きていた。
ホームセンターにてかろうじて入手。後はリサイクルショップなどで幾つか見掛ける。 街の電気屋、なんて時代じゃもうないのか。

クチナシ、まだ咲く。普通のネムも開花に入る。 松本で震度五
雨月二十四日
一気に暑くなり出したこの頃。

夜の中に目立つ白あり。クチナシ。そういえば、もうそんな時期かと八重の置いてある 場所へ行けば、同じく薄ぼんやりと浮かび上がる色、甘い芳香あり。
今年もゆるりと楽しむか。

サントリーより、また蕎麦が届く。ただし、サイズはこれまでの倍。浴衣か小さな折り 畳み椅子でも入っているのかという巨大な箱の中に、さらにまた複数の小さな箱に 守られた、これまでと変わらぬ量の蕎麦。 過剰包装の愚かしさを此処に見る。
ちなみに今までで届いた中で一番美味しかったのは山形の板蕎麦。包装は むしろぞんざいだったように覚えている。

――本当に美味しい物は、外見で勝負をかけたりしないんだろうなと生温い感想を抱く。
雨月二十二日
夏至。
雨月二十一日
冬の間に溶け消え、諦めていた熱帯睡蓮ムカゴのポットから、何やら緑色の葉っぱらしき ものが一株。――ドーベンではなさそうだが、生き残っていてくれたというのなら、何であっても嬉しい。
雨月十九日
蓮池に放り込んでおいた温帯睡蓮が開花。色の濃いコロラド。
ただ、年を重ねるに連れ思うのだが、自分が一目惚れしたのはもう少し色が薄くて 桃色系統のジョージア・ピーチ辺りだったのかもしれない。

他、伸び始めている花芽も無し。
毎年少しずつ増やしていって、今年は熱帯系の濃厚な赤と青を増やすんだとかたくらんでいたが、むしろ後退しそう。

……とりあえず、本年も草津まで睡蓮と蓮を見にいく時期か。
雨月十九日
原発ヒステリー。

再稼働は否定するのに、稼働中の原発を停めようと言わない。馬鹿じゃないのか?

大地震、大津波に対する対策が不十分です。だから、安全基準を見直しましょう――なら 解る。
でも、十日半月でどうこう出来るものではないので、取り敢えず危険度の高い所を 停止し、急ぎ対策をしていきましょう――という話ではないのだ。
誰かそんな事を言ったか? 騙し騙ししつつ、出来るだけ安全に移行していこうと 提案したか? 原発は定期検査で十三ヶ月程で停めるらしい。それを見越して、一年以内に 全ての電力供給を原発以外に変える叩き台の一つでも、出した知事がいたか?

いない。彼等は言う、国は正気かと。国以上に現実を見ずに。

結局のところ、たかりである。原発は嫌、現実は直視できない、代案は出せない、でも 電気は使う、責任も負担も妥協も自分からは何一つ取りたくない。だからごねまくって、国に押し付け、 無茶をまくし立てて、国から少しでも多くの保証と金をもぎ取ろうという。

一年ほどで全ての原発が動かなくなる。その結果なんて 知らない。電気不足への対策と犠牲を今から地元民に説いている者などいない。 一年後の起こるべくして起こる非常事態に備えようとしてる知事もいない。結局のところ ――真面目に考えてはいない。ごね得を狙っているただのパフォーマンスだ。 


ゴミ処理場はいらない。環境のため、健康のため、子供達のために。
だからゴミ減量とリサイクルを徹底させる――のではなく、ごねてごねて 最終的に近隣自治体の処理場に大金払って押し付ける。それで問題を解決したかのように 勘違いしている近代社会的対応。
ああ、そういえば先日何処ぞのゴミで有名な国が、国民投票で国内原発を否定 したか。足りない電気は近隣国の電気(原発入り)を買うそうだが。

みんな、原発と国を叩く。原発電気まみれで、国に全部丸投げした挙句。
――ごねてりゃ幸せになれるって、いつからこんなに愉快な世の中に なったのやら。
雨月十七日
ここ半月ほど、ずっと駄目人間化。情けない。

銀行からずっと使っていない口座について葉書が来る。それは構わないのだが、 何故か一万ほど残高がある模様。心当たり、全く無し。
……百円って、十年でそんなに利子ついたっけ?

夕、何年か振りにケロケロといく。自分の場合、あんまり酷い二日酔いだとこういう 結果になるのだが、余り似たような話は聞かない。胃か何処かが荒れてなるのだろうか。

本年、植え替えを行っていない放置したままの蓮が、見事な立葉を上げつつある。 紛れて、温帯睡蓮も蕾が一つ。
鷺草に、葉の真っ白いものが一つ。ネットで見ると、たまに出来るが育たず途中で 枯れるらしい。貧栄養、半日陰で育つものだから、確かに葉緑素の全滅はきついか。

他、別容器に移した赤蝦の孵化で、うじゃうじゃ湧いた小エビなどを見つつ。
雨月十二日
レモンの花咲く。特に細い枝――実ったら折れそう――に蕾が幾つか。
白く細く、早くも雨に朽ちかけている。隣の柚はアゲハチョウの食堂化。


雨月四〜十一日
普通のネムだが、葉がほとんど縮れて落ちた。水不足か?
雨月三日
緋ネムが咲きだした。普通のネムより、やはり早い。なかなかに美しく、心落ち着く。
雨月二日
睡蓮、初開花。が、見逃す。おのれ。
夜、家前の川にて蛍。まだ寒いが、十匹以上は源氏がいた。

いつの間にか庭でワラビが取れるようになっていた。犯人は母。

これまで捨てていたイカの肝を、醤油と日本酒に浸けた後、ホイル焼きにしてみる。 食べられなくはないが、やはり海産物系の生臭さがあり、口に合わぬ。
しかし、家人はごっそり箸で取ってゆく。蟹味噌や塩辛の平気な人だと問題がないらしい。
こういう嗜好の違いがあるから料理は難しい。

頂き物の筍で筍御飯。どうも自分は炊き込み御飯系の修行が足りていない。色々食べて まずは学ぶべきか。
以上、雑感。
雨月一日
昨夜、嬉しくて浮かれる。
で。起きたら長年愛用の蔦模様湯飲みが割れていた。
――万物は相殺する?
鳥来月二十四日
ソルティドッグがみつからない。震災の影響か?
鳥来月二十三日
冷える。雨 芍薬の季節。やはり、あれは美しい
鳥来月二十二日
温帯睡蓮の植え替えを一部する。もっとこまめに睡蓮池の掃除をしておくべきだったと 後悔が一つ、早くも花芽の上がっているものがあって驚いたのが一つ、意外なまでにエビもメダカも 減っていたのが一つ、そして最後にムカゴ系の熱帯睡蓮が全滅していて笑うしかないのが一つ。 あはははは。
鳥来月十九日

鳥来月十九日 弐
アチィよ……

初夏。暑。熱風。鉢物乾燥
野菜の傷む足の早い季節となってまいりました。
鳥来月十九日
ざっとここしばらくのことなど。

色々とサボリ気味。特に睡蓮など園芸に手を入れておらず。

去る木曜、十二日に脱稿。どうにも感慨も達成感もなく、終わったという終了感、完了感があるだけ。何故?

金曜、十三日。某氏とラーメンに。家族サービスだとかで、嫁さんの息抜きにと娘子を抱えて登場。そろそろ一歳に なる御嬢だが、どうみても縮んでいた。――成長して相対的に等身が伸びたということだろうか。やっぱり縮んでいる ように見える。
鳥来月八日
母の日。ケーキを求めて出る。 いつの間にか暑く、汗が垂れる。 藤棚に青い色を見る。そういえば、そんな時期か。 田にも苗。 本年は時間が過ぎゆくのがはやい。
鳥来月五日
とある漫画家氏のサイトで、非常に興味深い作業方法を知る。
元は速読術の一つらしく、高速再生の言葉を聞きながら本を読むというもので、 聞き取ろうとして加速する脳に釣られ、読書速度が上がるのだとか。
そこから氏はBGMを二倍速再生し、作業効率を上げることに成功したという。

試してみた。
時々使っているBGMを一・五倍速再生。――確かに作業に集中でき、はかどる。
急かされているようで少々荒くは成るが、それもまた勢い。

このまま訓練していくと、二倍速で音楽を楽しむようになるんだろうか……
鳥来月四日
早朝、軽く歩く。
田には水――もう大分前からだが。
花桃の嵯峨菊だったかは、色が落ち始めている。
八重桜は、丁度良い時期だったようで、重く柔らかい花が膨らみ垂れている。

大根を茹でる。香りの効いた甘い山椒味噌で食す。この季節の贅沢。
同じ小皿で山葵醤油を作り、別の料理を食す。
もう一度大根。皿の端に残った緑色の山椒味噌をたっぷり塗って一口で頬張る。
――後のことは書かない。

twitterを覗く日々。高名な御仁の日常や御高説、技術指南が読み放題。信じられない時代。
……エッセイってこの先、書籍形式で生き残れるんだろうか……
鳥来月二日
黄砂がひどい。山が見えぬほど。
桜月二十八日
終わった気もしていたが、妙に鼻がむずむずする。他の人もそのようだし、 まだ花粉の季節か?
桜月二十七日
花桃が咲いている。本年は桜も桃も精神に余裕が無くて愛でてやれない。
チューリップ、フリンジなど咲く。春の花だとばかり思っていたが、意外と長い。
初夏の花か?
桜月二十五日

桜月二十四日
本日春祭り。午前三時前に、鉦や太鼓の音が響く。――あれ、確か二十年ぐらい前は その前年の新婚家庭を襲撃して回るものだったそうだが、まだ風習が続いているのだろうか。
他の方々には悪いが、自分にとっては騒音ではない。弱った耳に届く、拙いながらも懐かしい 春の音。
桜月二十三日
ヨミヤ団子。餡入りの蓬餅。
桜月二十二日
サントリーより、蕎麦届く。
桜月二十一日

桜月二十日
少々、調子良し。アリナミン7をコンビニで見かける。安い。嬉しくて 早速購入。――あのコーナーがとても興味深い。
桜月十八日

桜月十七日

桜月十六日
風、強し。
読書、はかどる。図書館へ。桜。

寒気がする。成程、37.1度。ただやけに夕食が美味。他、症状なし


交通事故。

午前二時三十分前頃、大きな音あり。大丈夫かという声も聞こえたので 外に出る。と、ぎゃりぎゃり壊れた音をさせながら八日方向に遁走する セダンタイプの車影。
大丈夫かと思いつつ向かうと、(人が通るような場所でも時間でもないので、 逃げられるなら酷い怪我人はいなかろうと判断)近くのお方。話を聞く。

――どーやら、何をとち狂ったか田んぼの中にはまり、走り回って逃げていったらしい。
泥の付いたらしいタイヤ痕はあるものの、飛散物は零。当ったとしても、せいぜいガードレール か電柱と判断。帰宅、就寝する。

なお、これから寝るのだが、どうも熱っぽいような気がしないでも無し。――大丈夫か?
桜月十五日
花桃咲き出す

昼起き、体力戻らず。横に。夕食の支度も辛い。
風呂とヤクルト、二個の苺が効いたか、食事中から幸せ状態になる。
桜月十四日
――チオビタドリンクに少し助けてもらう。

親、花見。既に葉桜、遅れるはずの八重も……と。今年は花見無しか。
桜月十三日
夜、そこそこ書けた。
桜月十二日
寒い。
桜月十一日

桜月十日
選挙。夜に浮かぶ桜の白が綺麗。
桜月九日
花桃、膨らむ。選挙、五月蝿し。

二三日前のことだが、数年前に買って放置していた期限切れの『アリナミン7』を啜る。 こういうものはやらない人間だが、無水カフェインの御蔭かやる気があふれ出し、耳元を 脈打つ血流を感じた。
これ、買いだめしておくと良いかもしれない。
桜月八日
何時の間にか花桃も綻びつつある。
桜月七日
自業自得とはいえ、ここしばらくかなり鬱気味だったが、本屋とコンビニに行って持ち直した。
凄いよ日本。コンビニ行けば物凄く面白い漫画がただで読めるんだぜ。
大人がやるべきことじゃないかもしれない。でも面白いもの、癒してくれるもの、大切なことを思い出させてくれるもの、懐かしいもの、色々溢れている。まだ続いてるとか、この作者相変わらずなんてのも、ある。
ちなみに今週は週間少年サンデーがやけに来た。あれ、こんな面白い雑誌だったか?
レジの、やけに軽快で馴れ馴れしいおばちゃんにも少々元気を貰う。こんなに疲れていたか? 確かに体は 重いが。忘れている顔見知りというオチだけは勘弁頂きたい。

本屋にては、わかつきめぐみ氏の新刊や、ざら氏の新刊、『王様の仕立て屋』三十巻を入手。
そういえば最近、幾つかの書店で発売されたばかりの漫画やライトノベルが棚から消えているというのを 時々見かける、発売延期かと思ったが、ネットで取り寄せ可能ということは、面白い本は真っ先に消えている ということか。
出版不況、促成栽培大量出荷とは聞くが、やはり面白いものは面白く、そして読み手もそれを知っている。

面白いといえば、メガミ文庫『成金』とかいう本が目に付いた。異色作とあったが、冒頭をぱらぱらと 経ち読んだところ、夢枕獏の血統がラノベデビューを果たしていた。あと多分、板垣恵介とか川原正敏も 血液成分に混ざっているんじゃないかと思う。
余りにも面白そうだったので、本棚に戻す。本屋を出てから、戻って買いなおしたくなり、葛藤の末、やっぱり 堪える。
あんなの、読んだらはまる。はまって、しばらくおかしくなるに決まっている。
一飲みで効く強力な薬がみつかった。なら、その時になってからで良い。

変な趣味手法に目覚めた日。
桜月五日
省略。

低調。遊ぶとか、散歩とか、気分転換ってのは真剣に大切なことのだ。
桜月四日
陽光、風、共に強い。
桜月三日
咲いていた、あれは桜だろうか。

集中しているつもりだが、結局何にも出来ていない。ゲームでもやっている方が余程有意義だ。
――良く遊び、良く動けということか?
桜月二日
また一つ老化に気付く。

朝、頼まれて鉢土運び。周囲はすっかり暖かい。

第二回『小田巻蒸し』成功。
初めて作ったときほどの感動は無かったが、変わりに大体感覚が掴めた。
出汁は一カップに卵一個――で少々緩い。
鶏肉は少なめ、具材に前もって加熱の必要は無し。
蒲鉾と戻した干し椎茸。他、青野菜を推奨。
量は四人分で麺三(六百グラム)卵三。ぐらい。
塩小半醤油大一味醂大一酒大一、でちと薄いぐらいの味。もっとも、饂飩と同じで 後から醤油を垂らすなり一味を振るなり調節が可能なので、薄味で結構。
以上。
何回作ってもレシピを読み直す料理もあれば、一二度で何となく覚えるものもある。 使っている脳の部位が違うのだろうか。
桜月一日
簡単に出来る『パエリアの素』『ブイヤベースの素』があったので作ってみた。
スープは上手くいった。が、パエリアの方。具と米を炒めてあとは炊飯器に放り込むだけ、 というところで『パエリア鍋と中華鍋って似てるよな』と思いつき、そのまま行動に移る。
『中華鍋パエリアは焦げ易い』とか『中心に火が通り難いので掻き混ぜましょう』他には 『先に具材も米も強火のスープで茹で上げて火を通すと良いかもよ』なんてことは、『真ん中の アサリが口を開かない! 米に芯が! なのにほのかなお焦げの香りッ』とうろたえ出してから 知る。
結局、お焦げはあるが、何とか食べられる範囲に収まった。が、時間を無駄に浪費したような疲れが 残る。
梅香月三十一日
エコポイントが本日終了でどうこう、家人の共で壊れたテレビを抱え、家電店へ。

――商品が未来過ぎて理解出来ない。

携帯音楽プレイヤーは肉体に埋め込めるサイズ。テレビは巨大綺麗でうちにある箱とは違い、 3Dは立体眼鏡じゃなく本当に何か浮いている。携帯は理解出来ないツール。
右往左往して、結局昔ながらに余り形の変わっていない炊飯器や電気ポットを見て心癒される。
ああ、そんな日。
梅香月二十九、三十日

梅香月二十八日
車のタイヤ交換。大分手馴れてきた。やはり力は必要ない模様。
梅香月二十七日
青空の色が既に冬のものではない。

夕、珍しく某氏来たる。この近所に友人が喫茶店を移したので、壁塗りを手伝いに来たとか。
新しい分譲地の方かと思えば、聞く限り字の奥。どう考えても客が通りかかる場所ではない。 それで本当に大丈夫かと、他人事ながらかなり心配する。
梅香月二十六日
梅に雪。
時折、天気が荒れるこの頃。チューリップが芽吹いて緑を伸ばし、花桃の芽が膨らみつつある。ジャスミンは駄目かも知れぬが。

久々に図書館へ。何やら視察中のおっさん達が居た。先日は大臣が来たとか。 熱心に見て回っているのは解るが、少し邪魔。利用客の中年にも見ぐるしいのが。
はしゃぎ走り回っている子供達に心癒される。

夜、八日市の本屋にて古い友人に似た御仁を見掛ける。彼の家の近くだし不思議ではないのだが、 数年振りであり話のネタも無いので声掛けて本人かの確認はせず。
人のことは言えぬが、彼だとしたら大分変わった。

古本屋にて欲しかった本を八十円で大量に入手する。喜ぶべきか、早過ぎる移り変わりを悲しむべきか。
梅香月二十五日
日本人が馬鹿になったように感じる。原発問題での不安による水買いなど、ちゃんとした数値とその意味を理解しようとはせず、政府に愚痴だけ吐いて右往左往している様。ものを考えて行動しているのだろうか?

安全な地域からの発言。或いは、何かあったときにまず動けるか、備えられるかという 危機意識や瞬発力の評価されるべき現れ。そんな風に見ることも出来る。
が、自分にはどうしても、テレビで健康に良いという放送があった翌日、店頭から納豆とバナナが 消えたことしか連想できない。

やっぱり馬鹿になっただけじゃなかろうか。
梅香月二十三日
春分は過ぎたが、寒風吹き荒ぶ早朝。

見れば梅どころか土筆が生え立ち、早い食用の桜が開き切っている。
部屋で胡坐をかいているうちに、春はかなり進攻していた。


震災で花火大会が中止になるとか。
江戸時代、疫病だかで大勢の人死があり、その慰霊の意味を込めて行われた花火大会が、 以降、夏の風物詩として続いていったと以前に目にしたことがある。
時代が変われば意味とて変わる。これも、もっともな話。
まあこの場合は、災害が収まった後か、その最中かの違いかもしれないが。

大地震から十日以上過ぎたが、まだ先の見通し一つ立たぬほど真っ最中なのだ。
梅香月二十二日
エリンギの松茸御飯。

飲んでも飲んでも紅茶がなくならない。半額だと喜び買ったアールグレイ缶だが、 流石に200グラム個人消費は長い道程。香りは良いのが救いである。

たくわんか、たくあんか。この歳になって世界の真理はどちらかという難問にぶち当たる。
ちなみに自分はたくわん。
梅香月二十一日
花粉はまだ軽い。
梅香月二十日

梅香月十九日
ジャスミン、枯れてはいないが蕾の気配は無し。失敗したか?
梅香月十六日
また雪。三寒四温とは言うがよく移ろう。

『犬とハサミは使いよう』読。
梅香月十五日
夜揺れる。今度は富士山。
梅香月十四日
見ている場所が悪いだけなのかもしれないが、ネット上の流言蜚語が酷い。とくに原発関係。
彼らが言うには、既に致命的な事態が起こっており、政府と電力会社はそれを隠している のだとか。信じるならば、二三時間ごとにチェルノブイリクラスの大惨事が起こっていることになる。

これは、関東大震災の朝鮮人デマと同類のものを、歴史をまさに今、体験しているということだろうか。

確かに政府や電力会社の会見や動きに問題は感じるし、本人達は真剣に一人でも人が助かるよう、 不安を訴えているだけなのかもしれない。だが、平時なら何処かが爆発するなどと掲示板に書き込み、 メールやTwitterでいい加減な情報をばら撒けば、警察沙汰になってもおかしくない。そういう レベルのことを、興奮に任せ安易に行っていると、はたして少しでも自覚があるのだろうか?

幸いにして今回、この近辺に被害は無い。原発や津波にしても、自分の死に直結する何かを 感じてはいない。そして、そういう人間は日本中、他にも沢山いるのだろう。
昔と違うことは、誰でも、何処にいても、その声を全国に、被災地やその周辺へも、好きなだけ 届けることが出来るネットというものがあることだ。
本人は、テレビで見た遠い遠い場所での出来事について、部屋で独り言を呟いただけのつもりかも しれない。しかしそれは、まだ混乱している事件の現場で拡声器を使い、さらに様々な連絡網に 片っ端から確定情報として流しているのに等しくもあるのだ。

そのことに、気付いていなければならない。私も含めて。
梅香月十三日
雲雀の声、響く。

水槽、色々詰め込みすぎてモスの生育に悪いようなので、沈めたり浮かべたりしていた隔離容器を 二つとも取り出し、新たにでっち上げた小型隔離容器一つだけを浮かべることにする。
繁茂したウィローモスの美しさに一目惚れし、水草水槽を始めたはずなのに、どうにも自分はすぐ 脱線する。
梅香月十二日
原発異常。政府の会見は馬鹿のようだ。もっと要点を纏め、簡潔に意味を伝えろ。
とりあえず冷静に自体の推移を受け止めていくしかない。

夜、とりあえず大丈夫だと会見あり。解りやすく、政府や電力会社の行動にしても 理解できるものだった。……この人、夕方のアレと同一人物だと思うんだが、何があって ここまで変わった?

昨日東京出張だった御仁の体験を又聞きす。
こんな状況でもコンビニに一列に並び、買占めもしない日本人的光景など良い話もあったが、夜、宿が無く善意で開放された居酒屋に泊まったものの暖房が入れられず震え続けたとも聞いた。
災害にあったとき、『毛布が足りない』とは良く聞く定番の台詞だ。非難時に、そのまま寝られるような 服装――スキーウェアや厚手のロングコートに手袋――を選び、薄手の保温銀シートを用意しておくようなことも普段から考えておくべきかもしれない。
梅香月十一日
大地震複数。津波あり。被害はこれから恐ろしく増えてゆくのだろう。
梅香月七日
ようやくメダカがまた卵を下げ出す。ただ雄が働いているかどうかはまだ不明。

近頃、左足首のアキレス腱辺りが伸ばすと痛い。歩いてないため萎え固まったとでもいうのか。
梅香月六日
昼、地震あり。ドスンと短く強いのが縦にきた。が、何故か震度は県内一律震度一。
明らかにもう一つ二つ上だと思うが、針が動くような揺れでないと、衝撃が来ても 認められないのだろうか。不可思議なことである。

水槽を弄る。先日、水を替え底の掃除もしたのに、今一つ調子が悪く――餌の食いつき低下、 雄を大量に追加したのに産卵しなくなったメダカ、ウィローモスに群れて貪るカイミジンコ、 水面に出て腸呼吸を頻繁に繰り返すプレコ等――首を傾げていたが、良く見ると外部濾過器からの水流が ほとんど無い。吸い込み口のスポンジなどを清掃したところ、良い感じに水が動き出す。
聞いてはいたが、確かに水槽内の水流は大切なようだ。
梅香月五日
ふと思い出した。もう何年も前、南彦根のラーメン屋でのこと。
メニューに味玉追加、替え玉追加とあるのを見て、『独特な風味を付けた替え玉麺が 味玉だ』と一人勝手に理解したあの日。

今回の味玉は成功でした。勿体無いぐらい酒と醤油と味醂を使ったが、やはり出汁や漬け汁 の類いは多いほど良い出来になる。
梅香月四日
降ったり晴れたり荒れる天気。
梅香月三日
寒がかなり戻って雪。残りはしなかったが、朝方は薄く積もり、其処彼処で車が田に突っ込んだとか。

何故か鼻水が出る。いやそんなはずはない。まだのはずだ。まだのはずだ。
如月二十七日
部屋の中が恐ろしく煙草臭い。窓を開けて吸ったというのに。
やはり自分にヤニ食いは向いてないのか。

地元のコンビニにて若い店員から『おおきに』と声を貰う。さて、あれはこの付近で一般的に 使う言葉だったか……?
如月二十六日
久々に煙を食う。先日手に入れた百円少しのやたら細長い葉巻(?)。
値段相応、味は甘い香りもせず、煙草と言えば煙草だが、こんなもんだっけと思いつつ、 しかし何年ぶりかの行為が良い気分転換になり、妙に安定して集中できた。
線香のように時間を掛け、半分ほどを灰に替えたところで、口内に苦いものが混じり始めて終了。
これさえなければ煙草は素敵な嗜好品となるのだが……

ついでに気分が乗ったら吸おうかと取り出しておいた、数年前の買い置きショートピースを眺める。
こちらは開封すると良い香りがするが(それ目当て)、口内はもっと凄いことになった覚えがある。
ショートピースが強いのか、葉巻が弱いのか、自分の吸い方が悪いのか。

口内に残らぬ、燃焼発煙棒としての煙草が欲しい。
如月二十五日
サントリーから蕎麦一年分第二段『山形板蕎麦2.5キロ』届く。
有り難いが、まだ前のも多く残っている。
季節が早い気もするが、蕎麦を一番多く食す夏は、蕎麦が一番不味い時期、だったか?

出来の良い小説を読んで、ふいと絶望を覚えたり。
如月二十一日
すっかり春なこの頃。

水槽に移した白メダカが、昨日からようやく産卵を始めた。
無性卵。
一緒に入れたのは、どうもほとんど雌のよう。生物として弱い雄は皆死んだか……
如月二十日
大き目のカレンダーにちょっと書き込み、斜線を引く。後から客観的に分析すると、 自分はごくごく稀に一週間ほど動いて、その後、月単位で稼動しなくなるようだ。
何を馬鹿なと二月の記録を見て、その白さにかたまる。
如月十七日
紳士、と覚え書きにある。一体何のことだか全く不明。

夜、雨。唐突に水槽のCO2添加ボトルが勢い良く噴出し初め、止まる。……未だにその辺り、加減が解らん。

数ヶ月前、ドブロク用に冷蔵麹を購入して放ったままだと思い出した日。
如月十四〜六日
蝋梅綻び始める。何が不味かったか、花は十にも満たず。
如月十三日
雪、一日中ちらつくが積もらず。

『消滅島RPGマーダー』読了。最後まで読み切って、感心することひとしきり。
島消滅については漠然とこういうことではないかと思いもしたが、それは 根拠無く結果だけ想像したものであり、あそこまで見事な手札が伏せられているとは 思いもしなかった。
また、随所に差し込まれる神視点の会話は、またメタかほんと推理作家って病的にこういうの 好きだよなもうイランよ飽きた無駄だろ蛇足だろ、と最後まで否定的な想いしか浮かばず、 その結果、最後の最後で見事に見下していた分、『馬鹿はお前だ』と突き落とされた。

最後の一文といい、騙された、すっかりやられたと敗北を楽しめる、久々に昔ながらの 良きミステリ。
如月十二日
すっかり忘れていたが、小型水槽の隔離域に縦に突っ込んでおいたヒーターを、白点病もとっくに治っていることだしと水槽底面に戻す。水流による熱循環や何やらがあるらしく、一気に五度近く水温が上昇。
エビ達が水面との境に貼り付いてまわる。初めて見る光景である。
如月十日
昆布の佃煮、新しいレシピを試してみる。砂糖と醤油をどっさり入れる ものだったため、少々心配していたが、案の定濃い目の味付けに仕上がる。
昆布を沢山食べるのなら、前の方が良かった。

他、天麩羅、蕎麦、トロロ、春菊の茎の掻き揚げ等。
如月八日
まだ温い。
如月七日
気がつくと白メダカが二匹しか見当たらず、慌てて加温水槽へ隔離容器を浮かべて移す。
一応、雄雌一匹ずつのようなので、上手く行けば卵がとれるだろう。
如月五、六日
中身無し。
如月四日
昨日は立春だったが、日中は一気に暖かくなった。もう少し寒さを味わいたいが、三寒四温の言葉 通り、待っていれば済むか。

柚子の葉にもあの芳香があることに気付く。むしって部屋に吊るすのもいい。
如月三日
本日はお日柄もよく鷺草を植え替える。長雨に酷暑と、まともに咲かぬものもあった昨年、 芋の出来は案の定小さかったり緑色のが幾つもあった。
取れた数は約六十六個。こんなものかと鉢に黒ポットに植えて植えて植えて――置き場が無い。
黒ポット一つに六個植え込んだとして十一個出来ることになる。浮き船式という手間要らずでやっているが、昨年の倍の場所を用意する必要がある。
とりあえず、浅い睡蓮容器に無理矢理放り込んで一時誤魔化す。

他、ミニ盆栽に土を足しなどした日。
如月二日
陽気に誘われ八日市へ。
ふと見かけた煙草屋へ入る。煙管一式に手入れ道具、自分で巻く紙巻に、その巻紙数種(燃え易さとかで 好みがあるらしい)、バラ売りの葉巻に格安煙草など、狭い店内に色々趣味的なものを詰め込んでいた。
昔を思い出し、色々懐かしくなる。十五センチぐらいありそうな細葉巻を入手。久々に、煙をくゆらせてみようかと思う。

他、何時も通り過ぎていた本屋を覗いてみたところ、意外と広く、文房具も揃えている趣味に合う良い 店であった。
彦根より近く、他にも色々と店がある。
縁が無かったからあまり足を運んでこなかったが、もっと色々うろつき回ってみるのもいいかもしれない。
如月一日
節分の太巻き用に干瓢と干し椎茸を甘く煮て、仕込み終えふと気付く。――明日は二日だ。

霜柱か、ただの積雪、凍結か。土が盛り上がり根が露出しているミニ盆栽がある。
他にも、芯まで凍ったか花芽枝が痩せ細っているものも。大丈夫か。
端月三十一日
日本人が書く西洋風な世界観の物語で、『お辞儀』『頭を下げる』という 行為はどう扱うべきか。
……考え過ぎても、『何故世界的事件で日本人が主人公』『どうして誰もが日本語で喋る』という レベルの突っ込みになりそうで。

追:妹馬鹿と親馬鹿はなんと言うか向きが逆だよな。日本語が難しい。
端月三十日
新しい急須だが、そこそこ量も入るし意外に使える。

ここ十一年ほどを振り返って死にたくなった。ついでに、何故かその遥か昔にやったゲームの 感動のラストシーンを一つ思い出し、ショックで心臓が止まりかけた。
あの頃の一瞬が、こんなに暴力的で純粋だったとは。
端月二十九日追記
夜より冷え込む。
気がつくとオデンの仕込み技術が矢鱈上がっていた。下拵えした大根やゆで卵を、更に水に 晒して臭みを抜くのが普通になったのは、前回だったか前々回だったか。
端月二十九日
急須の蓋だけ求めて出るが、網は売っていても蓋は無し。器屋で求めれば得られようが、 それだけのために彦根まで出る精神的な暇が無く、部屋を漁って未使用の急須を一つ掘り出す。
いらぬという御仁から貰ったものだったか。一回り小さいので、正直使い勝手に不安がある。

某店で見付けた、急須のサイズに合った蓋を選ぶべきだろうか。白で、中国製ということだが、本年の干支に絡めてか摘み手は兎を模している。残っている急須が黒に藍なので、月や薄野に見立て兎を得ると言うのは正しくも絵になりそうなのだが、ついでに急須の本体も一緒に買うとなると少々悩む。
千円いってないし、やはり手に入れるべきか?
端月二十八日
急須落下、蓋粉砕。気に入りだっただけに、痛い。

雪。延期されていた神楽、舞う。
端月二十六日
お茶漬けは凄い。袋ラーメンは湯を沸かして似る必要があるし、カップラーメンでも 三分待つ必要がある。が、お茶漬けは掛けるだけ。深夜に独り衝撃を受ける。

ちょいと不眠。寝付きが悪い。
端月二十五日
ハトムギ茶の御蔭だろうか、かなり体調が良い。そして、関係あるのかないのか、かなり体重が 下降しつつある。何処の筋肉が削れているんだろう。

病気ではないと思いたい。
端月二十二日
安かったので檸檬と柚子の苗を買う。棘が凄い。特に柚子の方は人を刺し殺せる長さ。 小指以上はある。
もう少し年のいったのを寒さの和らぐ三月頃に求めるべきだったようだが、まあ 後先考えぬ衝動買い故、こんなもの。

なお、某農薬のとあるサイズが手に入り難くなったとかどうとか。かなり安価かつ強力で、この時期に浴びせ掛ければ弱い花桃も一年間害虫知らずの病無し、と毎冬導入を迷っている代物だが、昨今自殺の毒ガス材料として有名になり過ぎたため、メーカーがとあるサイズの製造を自粛したらしい。趣味で植木 やっている個人には迷惑な話だ。

使ってなくとも、使えなくなると聞くと腹が立つ。ま、人間らしいことよ。

ハトムギ茶を健康薬として啜りつつ。――花粉症対策のの甜茶よりは飲みやすい。
端月二十一日
変な夢など幾つか見る。幾つかは元ネタ解らず。 正面どアップからの鑑賞に堪え、端々に独特の個性を携え、かつ異形にも関わらず美形として 受け入れられる一つ目族って、あのデザイン何処から出た?
端月十九日
……二日で一つ。
端月十八日
そういえばこの前、久々に氷柱を見た。自分が子供の頃には、太いのがよく下がっていて 色々と遊んだものだ。
端月十七日
重い雪。朝よりサイレン。当番ではないが、自宅前で雪かきを行う。
どこぞでタイヤが空転する音なども耳に届くが、午後には温み、自然に溶け出す。
端月十六日
雪。晴れたと思った数分後には吹雪きもする。冬らしい荒天。神楽も来週に延期。

ここしばらく左脇腹が重かったため、胃薬を買いに出る。ついでに切れたハンドクリームも。
薬剤師殿の話も聞いて一つを試す。快調、以降問題無し。薬とは凄い。

なお、独特の味がちょっと衝撃的だった。アレは料理で出せない。
端月十三日
発作的に料理したくなり、夕食後、何時間か台所に籠もる。酢の物二種にロールキャベツ。
もう少し手際を良くしたい。
青苦い、それは不味い緑茶を淹れてしまって啜る夜。
端月十二日
深夜、良く冷えてしかし雨。冬は何処。
端月十一日
ダンボールの端だのパックの縁だので薄皮一枚浅く切るこの頃。風邪こそないものの、 体調面でそこはかとなく不安を覚える。
端月七日
七草粥。

蕎麦、第一弾届く。何か力の入れ所を間違えているんじゃないかというぐらい立派な紙箱に 収まった乾麺二キロ。有り難や有り難や。――夏まで放置していそうな気もするが。
端月五日
カレンダーを求めるついでに、遅まきながら初詣。多賀大社にて頭を垂れる。

地元の道端に仁王像が立っていた。収穫祭か何かで作ったカカシシリーズの一つらしいが、 意外と大きく出来もまとも。両手に横回転する風車を持っており、それが風を受けて回ると 発電するのか目が点滅する。
――変わっていく社会についていけないどころか、かすかな恐怖さえ覚えた日。
端月四日
雨。郵便局にて年賀状入手。さっと筆ペンで兎の絵を入れていく。
我ながら圧倒的画力。見れば見るほど兎に見えぬ。それどころか年賀状らしくない。

黒と赤だけのめでたくない葉書が、明日にも全国へと撒かれるだろう。
端月二日
陽。妙に体調が良い。

昨晩は快適に寝たものの初夢は見ず。成程、これはお先真っ暗ってことか、的確さねと 笑っているうち、一場面だけを思い出す。
何故かバイクが手元にあって、『今度はエンジンの慣らしもしっかりやってやるからな。早速、って メットは何処だ? そうか奴に貸したままカッ』といい感じにはしゃいでいた。
なんとも嬉しい。

午後、初売りとやらを覗く。一部大型電器店が他店との云々で偉く値段を下げていた。売り切れているものもあったが、 明日以降ならあるだろうか。
正月に店が閉まっている方に違和感を覚える。自分も世の中も変わったものだ。
端月一日
雪多。しかし陽気で程よく解ける。

昼前、まさかの来客有り。奥方の実家に向かう途中で寄ったのだとか。御令嬢を抱っこさせて 頂く。泣かれた。
寝起きだったためろくに回らぬ口で挨拶を交わし見送ったが、 後で考えるにお年玉を用意すべき場面だったかと悩む。

謹賀新年。年賀状は出すどころか未だ部屋隅にもあらず。
以前、在りしことども

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端月/ 如月/ 梅香月/ 桜月/ 鳥来月/ 雨月/ 七夜月/ 燕去月/ 月見月/ 紅葉月/ 雪待月/ 雪見月/
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